ミナロバータは、メキシコ原産のヒルガオ科サツマイモ属のつる性植物です。赤く咲き、黄・白へと変化する穂状の花が特徴で、9~12月ごろに咲く短日植物です。耐暑性ですが、耐寒性に弱いため日本では一年草として扱われます。
秋に赤く咲き、白く変わるヒルガオ科の一年草、ミナロバータ
ミナロバータの花
11月中旬に、大阪公立大学附属植物園を訪問したときに、撮らせていただきました。
初めて見た花ですが、長く伸びたツルの先が枝分かれし、
その先端に、いくつもの筒状の花が穂状になって咲いており、
先端近くが赤く下になるほど白くなっています。
独特ないろあいが、なんとも言えずきれいです。
ミナロバータと呼ばれるメキシコが原産の短日植物で、
日照時間が短くなる9~12月ごろに咲く、一年草です。(原産地では多年草。)
ツルが伸びながら次々に赤い花が咲き、徐々に白く変化していきますが、
白くなった花の先には、蕊のようなものが見られます。
このように、細長く先がほとんど開かない花ですが、
アサガオの仲間で、ヒルガオ科のつる性植物です。

穂状になってたくさん咲くミナロバータ
個々の花の長さは、2~3cmで、穂状の花序は10~30cmになります。
ラッパ状に咲くアサガオと、まったく違っているところが興味深いのですが、
ツルは長くなると、5mほどに伸びると言われます。

ツルの先に咲くミナロバータ
こちらでは、チョウマメ(バタフライピー)と思われる、
つる性植物を一緒に育てられており、
3mほどの高さの所にかたまって花が咲いていました。
青空に咲く、赤と白の花は印象的で綺麗です。
花言葉は、「世話好き」「私は忙しい」。
「世話好き」は、つるをどんどん伸ばし、他の植物に絡みつきながら花を咲かせる姿をたとえたものと考えられ、
「私は忙しい」は、赤から白へと次々に色を変えながら咲き続ける花の姿に由来しているとされます。
11月24日の誕生花です。
ミナロバータの葉、つる

ミナロバータの葉やツル
たくさんの緑の中葉の中に、茶色っぽく、三裂する葉がみられますが、
こちらが、ミナロバータの葉です。
葉の長さは、5~12cmで、ヒルガオ科特有の三方向に尖った形をしています。
ツルも茶色っぽい色ですが、1~5mほどと長く伸びるとされます。
寒さに弱いため、日本では1年草ですが、寒くなってから咲く独特のきれいな花、楽しませてもらいました。
ミナロバータの基本情報・花言葉
1. 原産地・属性・特徴
ミナロバータの原産地は、メキシコで、中央アメリカから南アメリカにかけて自生しています。
ヒルガオ科イポメア属(サツマイモ属)に分類されるつる性の植物で、
つるの長さ(草丈/樹高)は1メートルから5メートルほどに長く伸びます。
イポメア属の植物は、世界の熱帯地方に広く分布しており、約500種が知られています。
原産地では多年草ですが、寒さに非常に弱いため、
日本では通常、温室がないと冬越しは困難であり、
一年草となります。
一方、耐暑性は強い植物で、暑い時期に勢いよく伸びます。
つるを長く伸ばすため、グリーンカーテンとしての利用も可能のようです。
ミナロバータの特徴は、短日植物であり、
開花期は主に秋の9月から12月ごろになります。
栽培時には夜間に室内の明かりや外灯が当たらない場所に置くことが重要です。
朝顔(アサガオ)と同じヒルガオ科の仲間ですが、
アサガオのようなラッパ状の花ではなく、
細長い筒状の花を咲かせ、花姿は全く異なります。
2. 名前について(由来・別名・学名・英名)
- 和名(流通名): ミナロバータ。旧属名「Mina」と種小名「lobata」に由来
- 学名: Ipomoea lobata(旧学名 Mina lobata)。 属名Ipomoea(イポメア)」の語源は、ギリシャ語で「芋虫」を意味する「ips(イプス)」と、 「似ている」という意味の「homoios(ホモイオス)」を組み合わせた造語で、 つるが他のものに絡みつき、這い上がっていく様子が芋虫に似ていることに由来します。 種小名lobataは「裂片・浅い切れ込みのある」を意味するラテン語lobatusに由来し、 葉の三裂形状などにちなむとされます。 旧属名のMinaについては諸説あり、明確にはないとされます。
- 英名: Spanish flag(スペインの国旗)。 赤・黄・白に変化する花色がスペイン国旗の配色を想起させ、 旗がなびくような花序の姿にちなむとされます。
- 別名: 園芸上は、旧名(ミナ・ロバータ)に基づく呼称がそのまま使われることが多いようです。
3. 花について(花期・大きさ・色・構造)
- 花期: 主に秋。短日性が強く、9〜12月に多く咲きます。
- 花の色: 咲き始めは赤で、時間経過とともに赤→黄→白へと変化し、 同一花序内で鮮やかなグラデーションを呈します。黄色系のみのタイプ(‘シトロネラ’)もあるとされます。
- 花の形: 細長い筒状の小さな花が連なって穂状に咲きます。朝顔のようなラッパ形ではなく、独特の袋状・筒状の花姿が特徴です。
5. 葉・樹(つる)の特徴
- 葉の付き方: つるに葉が互生し、節から花序を伸ばします。
- 葉の大きさ・形: ヒルガオ科特有の三方向に尖った形で、心形から三裂するような葉で、葉脈が目立ちます。
- つるの大きさ: つる長1〜5m程度。高温期に旺盛に伸びます。
- 枝分かれ: 花期に葉腋から伸びた花茎が枝分かれし、穂状に多数の小花を付けます。
6.栽培の要点(補足)
- 環境: 日当たり・風通し・水はけの良い場所を好みます。短日植物のため、夜間に人工照明が当たる場所は避けます。
- 播種と育成: 高温でよく育つため、十分暖かくなってから種まき。日本では5月以降の遅まきがいいようです。
- 耐性: 耐暑性は強く、耐寒性に弱い。室内取り込みをしない場合、多くは一年草になります。
- 管理: つるが旺盛に伸びるため、ネットや支柱で誘引します。背後がやや暗い背景の方が、花のグラデーションが映えます。
7. 花言葉・誕生花
- 花言葉: 「世話好き」「私は忙しい」。 前者は、つるをどんどん伸ばし、他の植物に絡みつきながら花を咲かせる姿をたとえたものと考えられ、 後者は赤から白へと次々に色を変えつつ咲き続ける花姿に由来とされます。
- 誕生花: 11月24日
参照サイト
Wikipedia Ipomoea lobata
みんなの趣味の園芸 ミナ・ロバータとは ミナ・ロバータの育て方・栽培方法
花と緑の図鑑 ミナ・ロバータ
オザキフラワーパーク ミナロバータ
弥生おばさんのガーデニングノート「花と緑の365日」 ミナロバータ
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