アキノタムラソウ(秋の田村草)の花期は7~11月で、長く伸びた茎の先に穂状になって、薄紫の唇形の花をたくさん咲かせます。草丈は20~80cmで、中国、朝鮮半島や日本の山形県以西の山野の道端などで見られるシソ科アキギリ属の多年草です。
穂状になって咲くアキノタムラソウ(秋の田村草)の薄紫の花
アキノタムラソウの花
アキノタムラソウ(秋の田村草)と聞いても、知っている方は少ないのではないかと思います。
シソ科の花で、写真のように、唇形の薄紫の花を穂状にたくさんつけています。
花は、以前記事にしたセイヨウジュウヒトエやキランソウなどとよくにた花で、
唇形花特有の、上下に大きく口を開いたような面白い形をしていますが、遠目にはあまり目立たない花です。
花言葉は、「善良」「自然のままのあなたが好き」。
山の中でひっそりと咲いていますが、愛されてきた花なのでしょうか、いい花言葉ですね。
アキノタムラソウという名前の由来はよくわからないようですが、「秋に咲くタムラソウににた花」という意味のようです。
夏に咲いているのですが、花期が7~11月と長く、秋にも咲くので、「秋」とつけられたのでしょうか。
別名は、コマドメ(駒止、駒留)コマトドメ(駒留)。
馬が見つけると好んでたべ、動かないのでつけられた名前でしょうか。
こちらは素材サイトから借用した写真ですが、私が撮影したものより青が濃く写っています。
咲いた場所によって、いろも変化するのかもしれません。
少し離れてみると、シソの花が咲いた感じにていています。
草丈は80cmほどで、長くまっすぐ伸びた茎の先に、穂になってつぎつぎに花を咲かせています。
もう少したくさん咲いているときれいなのでしょうが、少な目だったのは残念です。
アキノタムラソウの茎、葉
生えていたのは、先日記事にしたウバユリの近くに生えていました。
道路沿いの直射日光がほとんど当たらない、スギ林の中で、10本前後かたまって咲いていました。
葉は茎の途中の高さまでついていますが、おもしろいことに、いろんな形の葉をつけています。
写真をよく見ると、3枚が1組になった3出複葉、1枚だけの単葉が見られます。
ここには写っていませんが、1~2回羽状複葉の葉もつけることがあるようです。
普段見かけることがない地味な野草ですが、林地の日陰で咲いている様子が健気だと思います。
アキノタムラソウの基本情報・花言葉
アキノタムラソウ(秋の田村草)は、中国、朝鮮半島、日本の山形県以西の本州、四国、九州、沖縄に分布するシソ科アキギリ属の多年草です。
名前は、秋に咲くタムラソウであるとしてつけられたと言われますが、詳細は不明です。
別名は、コマドメ(駒止)、コマトドメ(駒留)。馬が見つけると立ち止まって食べるので、つけられた名前でしょうか。
学名は、Salvia japonica
花期は7~11月で、茎の上部に10~20cmの花穂になって、長さ1cmほどの青紫の唇形花を数段輪生します。
葉は3出複葉や、1〜2回羽状複葉ですが、単葉をつけることもあります。羽片は長さ2〜5cmで、縁には鋸歯があります。
草丈は20~80cmで、茎がまっすぐのび、その先に花穂をつけます。
花言葉は、「善良」「自然のままのあなたが好き」で、9月16日の誕生花です。
参照サイト・書籍
松江の花図鑑 アキノタムラソウ
Chills Laboratory アキノタムラソウ
林弥栄監修 山と渓谷社 「山渓ハンディ図鑑1 野に咲く花」
高村忠彦監修 日本文芸社 「季節の野草・山草図鑑」
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