ビロードモウズイカ(天鵞絨毛蕊花)は、6~9月ごろに、茎の上部に花序で2.5cmほどの黄色い花をたくさん咲かせます。名前は、葉や茎全体に、ビロードのように白い毛が付き、毛(モウ)で覆われた雄しべ(ズイ)がついた花(カ)が咲くことに由来します。
ビロードモウズイカに咲く黄色い花
ビロードモウズイカの花
国道沿いのコンクリートに、ビロードモウズイカ(天鵞絨毛蕊花)の花が咲いていました。
1mほどの草丈の先端に、直径2.5cmほどの花を数個咲かせています。花期は6~9月ごろとのことなので、本格的にはこれから咲くにだろうと思います。
地中海沿岸が原産で、1870年頃に渡来したとされ、いまは北海道や東北地方に多いようですが、全国で野生化していると言われます。
この名前を最初に聞いたときは、イカとつくので、植物なのにどういうことだろうと思ったのですが、調べてみてわかりました。
ビロードモウズイカは、漢字で書くと、「天鵞絨毛蕊花」になりますが、葉や茎がビロード(天鵞絨)のような白い毛で覆われ、
毛(モウ)で覆われた蕊(ズイ)がついた花(カ)であることを表しています。
上の花の写真からわかりますが、花びらが5枚で、その中に5個の雄しべと雌しべが写っています。
雄しべは、上についた3個と、下についた2個になりますが、上の2個は短めで毛に覆われています。一方、下の2個は長めで、いずれも先端に黄色い葯がついています。
どうしてこのような形になっているのか、知るべくもありませんが、この特徴をとらえて名前がつけられているということですね。
茎の先は、葉が小さくなっていて、その先に花やツボミが花序になってたくさんついており、花が咲き始めたところのようです。
もう少し花が咲いたところが撮れたら、写真を追加したいと思います。(⌒ ⌒;)
茎は大きくなると2mほどになると言われますが、茎が伸びながら、つぎつぎに花を咲かせ続けるようです。
こちらが、全体の様子です。
このビロードモウズイカも、コンクリートの割れ目に根を下ろして、がんばって大きくなろうとしているようです。
花はこれからですが、茎についた葉も薄緑できれいで、下が大きく、上にいくにしたがって小さくなっている様子がみられます。
ビロードモウズイカの葉や茎
近ずいて見てみました。
このように、葉や茎に、白い毛が一面に生えており、この毛が、葉の柔らかい感じをだしていることがわかります。
また、葉は、茎を取り巻き、よりそうようについているようについています。
ビロードモウズイカは、2年草なので、寒い間は地面近くの根性葉だけが生え、花が咲くころには枯れるようです。
根元を見ると、枯れた根性葉が見られます。
葉も時期によって役割が変わり、大きく育ち花をさかせているようです。
ビロードモウズイカの花言葉・誕生花
ビロードモウズイカ(天鵞絨毛蕊花)は、地中海沿岸が原産で、日本全国に分布するゴマノハグザ科モウズイカ属の二年草です。
1870年頃に渡来したとされ、いまは北海道や東北地方を中心に、全国で野生化していると言われます。
名前は、葉や茎にビロード(天鵞絨)のような白い毛で覆われ、モウ(毛)で覆われたズイ(蕊)がついた花であることに由来します。
別名はニワタバコ(庭煙草)、アイヌタバコ。
学名は、Verbascum thapsus
英名は、Common mullein、Great mullein、aaron's-rod、Flannel mullein
花期は6~9月ごろで、茎の先に長さ20~50cmの総状花序で黄いろい花をたくさん咲かせます。
花の直径2.5cmほどで、5裂しており、外側に星状の毛が付きます。
花は、2mmほどの短い花柄を持ち、5本の雄しべが付きますが、上側の3本の雄しべは短く、花糸は黄色または白っぽい毛で覆われ、小さい葯をつけます。
下側につく2本の雄しべは長く、大き目な葯になります。
葉は根性葉と茎につく葉があり、冬につく根性葉は花が咲くころまでのこり、長さは30cmほどになります。
茎につく葉は、上部ほど小さく、基部は茎に流れるように付きます。
草丈は1~2mになり、全体に、ビロードのような灰白色の毛で覆われます。
ビロードモウズイカは、古代から皮膚や喉や呼吸器の病気などの治療に使われてきたと言われます。
ビロードモウズイカの花言葉は、「臨機応変な態度」で、7月22日の誕生花です。
参照サイト・書籍
Wikipedia ビロードモウズイカ
四季の山野草 ビロードモウズイカ
BONTANICA ビロードモウズイカとは?
国立環境研究所 侵入生物データベース
Chills Laboratory ビロードウズイカ
林弥栄監修 山と渓谷社 「山渓ハンディ図鑑1 野に咲く花」