ゼニアオイ(銭葵)に、たくさんの花が咲いています。直径は3.5cmほどで、花弁は凹型で5枚、ピンク地に縦方向の濃い紫色の筋が見られます。花は初夏から夏にかけて、茎が伸びながら咲き上がります。ヨーロッパ原産の多年草で、江戸時代に渡来した帰化植物です。
初夏に咲くゼニアオイ(銭葵)のピンクの花
ゼニアオイの花
通りかかった道路沿いで育ったゼニアオイ(銭葵)に、たくさんのピンクの花が咲いていました。
花の直径は3.5cmほどで、先端が凹んだ5枚の花びらがつき、縦方向に濃い紫の筋がついています。
ユーロッパ原産のアオイ科の多年草で、江戸時代に鑑賞用に移入され、いまは帰化していると言われます。
花期は6~8月で、夏に咲く花として知られ、正岡子規の「鴨の子と 盥(タライ)に飼うや 銭葵」に登場しています。
名前は、花の大きさが江戸時代の一文銭ぐらいの大きさで、葉がタチアオイ(立葵)ににていることや、向日性であることから日を「仰ぐ」が変じて「葵(アオイ)」にになったためとも言われます。
大きな株になって、たくさんの茎がのびており、1.5mほどの丈になっています。
花は、葉の葉腋から花茎をだして複数(5~15個)の花をつけ、茎がのびるのにつれ、下から上に咲き上がります。写真のように、茎全体に花がさいていて、みごとです。
ゼニアオイの花言葉は、「母の愛」「古風な美人」などで、3月20日、3月22日、7月12日、10月28日の誕生花です。
花言葉は、野生化して逞しくはえ、大きめな葉の間できれいに咲く花の様子にちなんでつけられたと言われるようです。
ゼニアオイの葉
ゼニアオイの葉は、写真のように丸い形ですが、浅く5~7裂して縁に鋸歯があり、表面はくしゃくしゃと波打っています。
この写真からはわかりずらいのですが、葉の近くからたくさんの花茎をのばして、花をつけます。
近縁種のウスベニアオイとの違い
ゼニアオイは、ウスベニアオイの変種なので、両者はよくにた花を咲かせ見分けるのがむつかしいと言われます。調べたところ、違いは葉の形にあることがわかりました。
つぎの写真は、ウスベニアオイの花と葉です。
ご覧のように、ウスベニアオイの葉には深い切れ込みがあって3裂しており、ゼニアオイとは大きく違っています。
また、ゼニアオイは茎が無毛で、葉腋につく花数が5~15個なのに対して、ウスベニアオイは、茎に毛が生え、花数は1~4個と少ないどの違いがあります。
ただ、交雑した中間的なものもあり、明確でないこともあると言われます。
ゼニアオイの基本情報・花言葉
ゼニアオイ(銭葵)は、ヨーロッパ原産で江戸時代に鑑賞用に移入されたアオイ科ゼニアオイ属の多年草で、いまは野生化している言われます。ウスベニアオイの変種とされます。
名前は、花の大きさが江戸時代の一文銭ぐらいの大きさで、葉が立葵ににていることや、向日性であることから日を仰ぐから葵(アオイ)に由来すると言われます。
学名は、Malva mauritiana
英名は、common mallow
花期は6~8月で、直径は3.5cmほどで、花弁は凹型で5枚つき、ピンク地に縦方向の濃い紫色の筋が見られ、葉の付け根に5~15個つきます。茎がのびるにしたがって花を下から上につけていきます。
葉は互生し、円形で波打って5~7つに浅く裂け、縁に鋸歯がつきます。
茎は無毛で、60~150cmになります。
近縁種のウスベニアオイとよくにていますが、ゼニアオイは葉が浅く5~7裂し、茎が無毛なのに対して、ウスベニアオイは、葉が深く切れ込んでおり、茎に毛が生えるなどの違いがあります。
正岡子規が読んだ、「鴨の子と 盥(タライ)に飼うや 銭葵」に歌われていている夏の花です。
花は乾燥してハーブティーとして楽しむことができます。きれいなブルーになり、レモンを加えるとピンクに染まるのが特徴で、喉の痛みに効能があると言われます。
ゼニアオイの花言葉は、「母の愛」「古風な美人」などで、3月20日、3月22日、7月12日、10月28日の誕生花です。
参照サイト・書籍
岡山理科大学 生物地球学部 ゼニアオイ
ガーデニングの図鑑 ウスベニアオイとゼニアオイの違い
弥生おばさんのガーデニングノート「花と緑の365日」 ゼニアオイ
林 弥栄 監修 山と渓谷社 「山渓ハンディ図鑑1 野に咲く花」