カヤツリグサは、花期が8〜10月で、線香花火のような花を咲かせます。茎の断面が三角形となっているのが特徴で、茎を裂くと四角い形をつくることができ、蚊帳ににていることが名前の由来します。中国、朝鮮半島、日本の本州から九州に分布する一年草です。
線香花火のようなカヤツリグサ(蚊帳吊草)の花
カヤツリグサ(蚊帳吊草)の花
畑や空き地によく生えるカヤツリグサに花がついています。
本州以南の、人里ちかくの湿り気の多い場所などでよく見かけますが、
畑にも生えてくるので、やっかいな雑草といわれています。
カヤツリグサの仲間は、チャガヤツリ、コゴメガヤツリ、などたくさんあり、
厳密な識別ができていませんが、ここではカヤツリグサと呼びます。
私はこの植物をみると線香花火を思い出すのですが、名前はカヤツリグサです。
茎を裂くと四角い形を作ることができ、その様子が蚊帳ににているため、この名前がつけられたとのことです。
茎の断面は三角形状なのですが、縦方向に筋が伸びているからでしょうか、うまく裂くことができます。
地面からまっすぐ伸びた茎は、先端に葉に見える苞が数枚と、花序をつけた枝がたくさんついています。
この枝は、5~10本ほどついており、その先に穂状の花序をつけています。
つぎの写真は、穂状に伸びた花序をちかくからみたものです。
鱗片状というのでしょうか、いくつも重なってブラシのようにのび、先端が尖っています。
この鱗片の中に花が入っているようなのですが、まだ咲いていないのでしょうか。
先はとがっていますが、触って痛いことはありません。
カヤツリグサの近縁種や蚊帳について
カミガヤツリは、カヤツリグサとはかなり違った形ですが、同じカヤツリグサ科です。
古代のエジプトでは、このカミガヤツリが、パピルス紙の原料にされていたそうです。
パピルス紙は人が文字で記録を残した初期の紙ですが、ナイル川近くで自生していたものを栽培し、
記録紙や履き物のような生活雑貨、や綱、舟の帆やなどの材料にされていたとされます。
つぎの写真もカヤツリグサ科の植物で、アメリカ南東部原産のシラサギカヤツリです。
草丈が30~60cmの常緑性多年草で、サギ(鷺)が飛んでいるような白い花で、
5月ころから10月ころまで、長く咲くきれいな花です。
同じカヤツリグサ科でも、いろんな種類があるものですね。(^⊆^)
最後に、今は使われなくなった蚊帳について。
風は通すが虫はブロックするのが蚊帳で、寝る時に使います。
私も、子供のころに使った記憶があります。
今は、網戸があったり、ク-ラーがあるので、使うこともなくなりましたね。
カヤツリグサの基本情報・花言葉
カヤツリグサは、中国、朝鮮半島、日本の本州から九州に分布する、カヤツリグサ科カヤツリグサ属の一年草です。
カヤツリグサの名前は、茎を裂くと四角い形をつくることができ、蚊帳ににていることに由来すると言われます。
カヤツリ(蚊帳)は、クレオパトラの時代から使用されていたと言われ、風は通し、虫を防ぐために網で作られ、寝室で使われたと言われます。
日本へは中国から伝わり、江戸時代に庶民に広がったようです。
別名はマスクサ(枡草)。
学名は、Cyperus microiria
カヤツリグサ科の植物は約70属3700種あり、日本のカヤツリグサ属は40種類あると言われます。
花期は8〜10月、根元から伸びた断面が三角形の茎の先に、葉の形の数枚の苞と5~10本の枝をつけます。
さらに、その先に、先が尖った鱗片がたくさん集まった穂をつけます。
草丈は30~50cmで、根元には2~3mmの細長い葉がつき、緑色でつやがあります。
カヤツリグサの花言葉は、「伝統」「歴史」、 8月30日の誕生花です。
参照サイト
自然観察ブログ カヤツリグサの蚊帳づくり
松江の花図鑑 カヤツリグサ
Chills Laboratory カヤツリグサ
みんなの趣味の園芸 シラサギカヤツリ
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