6月に、ズイナ(端菜、髄菜)の白い花が咲いていました。花期は5~6月で、緑色をした枝の先に、小さな花を総状花序で咲かせます。ズイナは、希少糖の木とも呼ばれるユキノシタ科ズイナ属の落葉低木で、紀伊半島以南の山地に自生する日本固有種です。
<目次>
ズイナ(瑞菜、髄菜)は希少糖の木とも呼ばれ、春に白い花が咲きます
ズイナ(瑞菜、髄菜)の白い花

ズイナの花(5月29日)
数年前から、今の時期にこの花が咲くのを見ていましたが、名前は知りませんでした。
4月に記事に書いたウワズミザクラのような花ですが、ズイナは小さな花で樹も小さめです。
リョウブ(法令)やコバノズイナ(小葉端菜)にもにていますが、ズイナ(瑞菜、髄菜)のようです。
すなわち、リョウブは樹皮に独特の模様があり、コバノズイナの葉は細長い倒卵形~楕円形で、細かな鋸歯がつきます。これらの点を勘案すると、ズイナだと思われます。別名は、ヨメナノキ (娵菜木、嫁菜木)。
ズイナは、希少糖D-プシコースと呼ばれる糖を含んでいる唯一の樹と言われ、希少糖の木とも呼ばれています。
写真の花は残念ながらまだツボミのようですが、枝の先に総状花序で小さな花がたくさんついています。

ズイナのたくさんの花(5月29日)
樹高1.5mほどの小さな樹ですが、このように、たくさんの花序をつけています。
周辺で見られるのはこの樹だけですが、おそらく他にも、近くで生えているのではないかと思います。
先ほどの写真はまだツボミでしたが、6月に咲いた花はつぎのようでした。

ズイナの花(6月7日)
前回のツボミの状態から、9日後の写真ですが、花が開いています。
花には、花びらと雄しべと思われるものが、たくさんついています。
近くづいて見てみると、

近づいて見たズイナの花(6月7日)
写真から、花びらが5枚で、雄しべが5~6個、中心に雌しべらしいものがついています。
果実の写真は撮れませんでしたが、広卵形の蒴果で、熟すと縦の溝に沿って割れます。また、種子は黒色で小さく、網目模様がついています。
ズイナの緑色の枝と葉

ズイナの枝
ズイナの若い枝は、このように緑色をしているのが特徴です。
クロモジの枝もこのような色をしていますが、ズイナを識別するためには好都合な特徴だと思います。

ズイナの枝と葉
葉の形は、卵形で、先が尖っており、縁に鋸歯があります。
ズイナの幹

ズイナの幹
この樹は、幹の直径が10cm前後、いろは茶褐色のようです。
ズイナの基本情報・花言葉
ズイナ(瑞菜、髄菜)は、紀伊半島、四国、九州の山地に自生する、ユキノシタ科ズイナ属の落葉低木で、日本の固有種です。
名前は、枝の髄を灯火の芯に利用し、若い葉を食用にしたことに由来します。
別名は、ヨメナノキ (娵菜木、嫁菜木)。菜とついているように、食用になるとのことです。
また、希少糖D-プシコースを含んでおり、希少糖の木とも呼ばれます。
学名は、Itea japonica Oliv
英名は、Japanese sweetspire
花期は5~6月で、枝の先に総状花序で白い小さな花をつけます。
果実は広卵形の蒴果で、熟すと縦の溝に沿って割れます。また、種子は黒色で、小さく、網目模様がつきます。
葉は短い葉柄があって互生し、卵形で先が尖り、縁に鋸歯があります。
樹高は1~3mで、一年目の若い枝は緑色で、幹は茶褐色です。
ズイナの花言葉は、不明です。
近縁種のコバノズイナの花言葉は、「少し欲望」。
参照サイト・書籍
季節の木 ズイナ
花しらべ ズイナ
香川県 希少糖の木
EVERGREEN ズイナ
ガーデニング図鑑 コバナズイナの育て方
育て方.jp 何の樹(木)? リョウブorズイナ?
林将之著 山と渓谷社 「樹木の葉」
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