ムラサキケマン(紫華鬘)は、3月ごろにまっすぐ伸びた茎の先に、赤紫色で筒状の花を総状につけます。名前は、花が仏殿の内陣を飾る仏具の華鬘(けまん)にていることに由来します。近縁種で、花が黄色いキケマン(黄華鬘)についても書きました。
赤紫の花の花が咲くムラサキケマン(紫華鬘)と、キケマン(黄華鬘)
ムラサキケマンの赤紫の花

ムラサキケマンの花と葉
こちらの花は、家の近くの畑の周辺で撮ったものです。人を引き付けるほどのきれいな花はないと思いますが、3月中ごろから、他の野草たちと競って咲き出しました。
花期は4~6月とされているので、少し早く咲いたようです。草丈は20~30cmほどで、赤紫の花なので、よく目につきます。
まっすぐ上に伸びた茎の先に、長さ2cmほどの筒状の花を総状にたくさんつけています。
花の色は、筒の根元から胴体部分は白っぽく、先端がきれいな赤紫になっています。
中には、この写真のような青紫のものも見られます。日の当たり具合や、土地の栄養状態によって変わるんでしょうか。
花の付き方は、整然と並んでいるのではなく、乱雑というんでしょうか、あちこちを向いているように見えます。
そして、花が咲いた後は、下を向いて萎(しぼ)んでいます。

コンポストの前のムラサキケマン
私は、野菜の切りくずは、畑の隅に置いたコンポストにいれて堆肥にしていますが、その前で咲いていました。
日当たりがよく、栄養状態もいいので成長が早いようで、この花は、他の花に先駆けて実をつけていました。
莢になってつく実

ムラサキケマンの実
こちらが、ムラサキケマンの実です。
枝の先端に、下を向いた面白い格好でついています。インゲンマメのような感じですね。(^⊆^)
長さは1.5cmくらいで、実が熟すと、二つに裂けて皮がめくれ上がり、黒い種を弾き飛ばすといわれます。
葉

ムラサキケマンの葉
ムラサキケマンの葉の形は2-3回3出複葉で、茎に複数個ついていおり(2番目の写真を参照ください。)、葉を傷つけると、悪臭がし、有毒なので気を付ける必要があります。写真のように、小葉にたくさんの切れ込みが入っているのが特徴です。
近縁種で黄色い花のキケマン(黄華鬘)

キケマンの黄色い花
ムラサキケマンの近縁種のキケマン(黄華鬘)は山で見かけました。
キケマンの仲間には、フロウケマン、ミヤマキケマンなど各種あるようですが、ここではキケマンと呼ぶことにします。
花の数は、ムラサキケマンにくらべて少ないのですが、いろが黄色くなっていますが、よく似た花と葉をつけています。

前から見たキケマン
花を前からみると大きな口をあけ、舌を伸ばしたように見えます。茎が赤みを帯びているのも特徴です。
キケマンは、関東以西に自生するケシ科キケマン属の越年草です。
学名は、Corydalis heterocarpa var. japonica
キケマンの花言葉は、「祈りある生活」で、3月4日の誕生花です。
キケマンの詳しいことは、別の記事に書いていますので、詳しくはそちらもご覧ください。
ムラサキケマンの基本情報・花言葉
ムラサキケマンは、中国、台湾や日本全国に分布し、ケシ科キケマン属の越年草です。
名前の由来は、ムラサキケマンの花が、仏殿の内陣を飾る仏具の華鬘(けまん)にているためとされます。
別名は、ヤブケマン(藪華鬘)。
学名は、Corydalis incisa
花期は4~6月で、まっすぐ伸びた茎に総状に、赤紫色の長さ2cmほどのキケマン属独特の筒状の花を咲かせます。
実は、果柄の先に長さ1.5cmほどで狭長楕円形の蒴果を、下向きにつけます。熟すと2つに裂け、果皮が巻き上がって、黒い種をはじきとばします。
葉は、2〜3回3出複葉で、細かく裂けます。
草丈は20~50cmで、傷つけると嫌なにおいがします。
全草にプロトピンと呼ばれる有毒物質を含んでいて、食べると嘔吐、呼吸麻痺、心臓麻痺などを引き起こすとされます。
ムラサキケマンの花言葉は、「喜び」、 「あなたの助けになる」で、3月4日の誕生花です。
参照サイト・書籍
松江の花図鑑 ムラサキケマン(紫華鬘) キケマン(黄華鬘)
花言葉-由来 ムラサキケマン
花散歩道 キケマン