ヤツデは、10~12月に白い花が咲き、1月ごろにつける実は4~5月に黒く熟します。日陰に強く育てやすいため、庭木や公園樹に植えられます。日本原産のウコギ科ヤツデ属の常緑低木で、樹高は1~3mになります。茨城県以南の太平洋側から沖縄に自生します。
<目次>
ヤツデ(八手)は、秋に白い花を咲かせ、実は春に黒く熟します
ヤツデ(八手)の白い花


ヤツデの白い花
ヤツデ(八手)の花は、茎の先端の1点からたくさんの花柄を出して球形の花序になった、散形花序で咲きます。さらに、この散形花序が茎全体にたくさん(円錐花序で)ついています。
一つひとつの花は直径が5mmほどで、白い花びらは5枚で少し反り返っています。中心には、雌しべと雄しべは、5本づつついています。
また、花は雄しべが伸びる雄性期があり、そのあとに雌しべが伸びる雌性期があります。すなわち、同じ花が時期によって性を変える仕組みになっており、最後に咲く花は雄花のままで終わります。
ヤツデは、花が少ない11~12月に咲くため、蜂やハエなどの昆虫がよく蜜を吸いにくるといわれます。(^O^)
ヤツデ(八手)の黒い実


ヤツデの若い実(2月)
2月になると、公園のヤツデ(八手)にも実がついています。
12月ころに咲いた散形花序が、実に変化してたくさんついています。実は、中に果肉が入っている液果で、直径は7mm前後でしょうか。


熟した実
この実は4~5月になると、黒っぽく熟しますが、一つの実には、5個の種がはいっています。
以前この種を少しもらってまいたことがありますが、よく発芽しました。ヤツデの種は、よく発芽すると言えそうです。(^_^)
ヤツデ(八手)の葉


ヤツデの葉の付き方
ヤツデの葉は、この樹を象徴する形をしています。
葉の形はほぼ円形ですが、掌状で、葉の先が7~9つに割れ、8つに分かれることはないようなのです。それでも、なぜヤツデと呼ばれるかというと、8が末広がりでめでたいことと、8によってたくさんあるという意味を込めたため、とのことです。
実際には7つや9つに分かれるのですが、少し違っても8にしたということのようです。ちょっと面白いですね。 *(^o^)*
別名はテングハウチワ(天狗の羽団扇)、たしかに天狗が持っている団扇を連想しますね。
写真のように、ヤツデの葉は、長い葉柄をもち、茎に輪生または互生して付いており、この葉を見れば、ヤツデであることはすぐわかるだろうと思います。


ヤツデの大きな葉
葉の直径は20~40cmくらいで、厚みがあり、全体にゆるい鋸歯がついています。
葉が大きくて厚く、手のように分かれてごつごつしているので、近くでみると存在感がありますが、若い葉は最初は卵形ですが、その後3裂し、次第に裂数を増やして7~9個の奇数に分かれます。
ヤツデの基本情報・花言葉
ヤツデ(八手)は、日本原産のウコギ科ヤツデ属の常緑低木で、茨城県以南の太平洋側から沖縄に分布します。
樹高は1~3mになり、日陰に強いため日当たりのよくない林の中でも見られるようですが、庭木や公園などにも良く植えられています。
ヤツデ(八手)の名前は、葉の先は掌状に7か9の奇数に分かれますが、縁起のいい八を用いて、名づけられた7といわれます。
別名は、テングノハウチワ(天狗の羽団扇)。
ヤツデの花期は11~12月で、茎の先端に散形花序で咲きますが、この散形花序が茎全体に円錐花序でつきます。
花は白く、直径が5mmほどで、花弁が5枚、雌しべと雄しべが5本ついています。
実は直径7〜10mmの扁球形の液果で、翌年の4〜5月に赤褐色から黒紫色に熟します。
葉は厚く、直径20~40cmの掌状で、7~9枚に分かれていて緩い鋸歯があります。長い葉柄で茎に互生、あるいは輪生します。
若い葉は最初は卵形ですが、その後3裂し、次第に裂数を増やして7~9個の奇数に分かれます。
樹高は1~3mで、株立ちします。樹皮は灰褐色で、茎の上部には葉痕や皮目(ヒモク)が見られます。
葉を乾燥させたものは、生薬として使われますが、葉にはサポニンが含まれているため、過剰に摂取すると下痢や嘔吐を起こす場合があるようです。
また、ヤツデにはたくさんの栽培品種や変種があります(Wikipedia ヤツデ)。
ヤツデの花言葉は、「分別」、「健康」、「親しみ」で、12月13日、12月27日の誕生花です。
おわりに
庭木や公園樹によく植えられているヤツデは、
特徴のある大きな葉で、一目でそれとわかり、親しみのある樹だと思います。
1年中、きれいで大きな緑色の葉をつけ、冬に白い花をたくさん咲かせる低木なので、
庭木などにされてきたのも頷けますね。 (^_^)
参照サイト・書籍
Wikipedia ヤツデ
季節の花 300 ヤツデ
みんなの趣味の園芸 ヤツデ
Green Snap ヤツデ
高橋秀男校閲 池田書店 「葉っぱ・花・樹皮でわかる樹木図鑑」