シロダモは、春に茶色く垂れ下がった新緑をつける雌雄異株の常緑樹で、10~11月に黄褐色の花を咲かせ、雌の樹には翌年の秋に赤い実をつけます。実に油を含むため、昔は蝋燭の原料にされました。日本では宮城県や山形県以南に分布するクスノキ科の常緑高木です。
春に茶色い葉をだし、秋に黄色い花と赤い実をつけるシロダモ
シロダモの黄色い花と赤い実
シロダモ(白だも)は、クスノキ科シロダモ属の常緑高木広葉樹で、雌雄異株です。
中国、台湾、朝鮮半島、台湾などに自生しますが、日本では本州(宮城県、山形県)以南に分布します。
10~11月ごろに、写真のように、葉腋(ようえき)に散形花序になってたくさんの黄色い小さな花を咲かせます。
雌雄異株なので、雄雌の樹によくにた花を咲かせますが、雌しべや雄しべが違っています。
すなわち、雌花は、花被片が4枚で、雌しべが1本、仮雄しべが6本あり、花が終わった後に実をつけますが、
雄の樹に咲く雄花は、花被片が4枚で雄しべが6本あり、花は咲きますが、実はつきません。
シロダモの実は、花とほぼ同じ時期の10~11月に、写真のように赤く熟します。
ただ、この実は1年前に咲いた花についた実で、大きさは12~15mmくらいの楕円形です。
シロダモの実からは、油がとることができ、昔はこの油からロウソクが作られたそうですが、
ムクドリ、ツグミ、ヒヨドリ、シロハラなどの野鳥が好んで食べるようです。
また、実は核果 で、果肉が薄く種子が大きいため、人が食べるのには向かないようです。
春に茶色い葉を出すシロダモ
シロダモの葉は、写真のように鋸歯がなく全縁で、葉脈は主脈の3本が目立つ3行脈(さんこうみゃく)と呼ばれる形になっており、
葉の表は、濃い緑ですが、裏は灰白色になります。
3行脈は、クスノキ科の樹の葉に見られる葉脈で、クスノキやヤブニッケイにも見られます。
クスノキやヤブニッケイについては記事にしていますので、詳しくは関連投稿をご覧ください。
また、4月にシロダモハコブシやシロダモタマバエの成虫が新芽に産卵し、孵化した幼虫が新葉に潜入して虫こぶをつくります。
シロダモは、新緑にも特徴があります。
写真のように、枝の先に新しく伸びた薄茶色の葉が、下向きにつきます。
葉が垂れ下がるのは、おもしろい姿だと思いますが、この時期にこの葉を見ると、一目でシロダモとわかります。(^_^)
この若葉は時間がたつと緑に変化しますが、表面には、つぎの写真のように絹毛が密生しています。
この絹毛も時間とともになくなります。
シロダモの樹
シロダモの樹高は10〜15m 直径は40cmほどで、樹皮は紫褐色〜暗褐色になります。
シロダモの基本情報・花言葉
シロダモは、朝鮮半島、中国や台湾でも自生しますが、日本では本州(宮城県、山形県)以南に分布します。
クスノキ科シロダモ属の常緑高木の広葉樹で、雌雄異株です。
別名は、シロタブ、タマガヤ。
学名は、Neolitsea sericea
シロダモの名前は、同じクスノキ科のタブノキににていて葉の裏が白いため、シロタブと呼ばれていたものが、訛ったものだとのことです。
花期は10~11月で、葉腋に散形花序で黄色い雄花と雌花をつけ、雌花が咲き終わったあとに、実をつけます。
実は翌年の同じ時期に、長さが12~15mmの楕円形の赤い実に熟します。
実には油が含まれており、昔はこの油から蝋燭が作られたとのことです。
また、赤い果実にはムクドリ、ツグミ、ヒヨドリ、シロハラなどの野鳥が好んで食べるようです。
ただ、核果 で、果肉が薄く種子が大きいため、人が食べるのには向かないようです。
シロダモの葉は革質で、卵状の長楕円形で先が尖っており、長さ8~18cm 幅4~8cmです。
鋸歯がなく全縁で、葉脈はクスノキ科特有の3行脈(さんこうみゃく)の形になります。
葉の表は、濃い緑ですが、裏は灰白色になっています。
葉には、シロダモハコブシやシロダモタマバエによる虫こぶが見られます。
4月に羽化した成虫が、その年の新芽に産卵し、孵化した幼虫が新葉に潜入し虫こぶをつくります。
シロダモの樹高は15mくらい、直径40cmほどになるといわれ、樹皮は紫褐色〜暗褐色で、若枝には黄褐色の絹毛があります。
実がに含まれる油が利用されてた他、建材、器材、薪炭に使われてきました。
また、剪定に強いため、庭木や防風林などにも植えられてきたようです。
シロダモの花言葉は、不明です。
参照サイト
Wikipedia シロダモ
庭木図鑑 樹木ペディア シロダモ
木のぬくもり・森のぬくもり シロダモ
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