ハギ(萩)は、秋の七種(ナナクサ)の一つで、7~9月ごろに、枝先に赤紫の蝶形花をたくさん咲かせます。万葉集で一番よく読まれている花で、昔から人々に親しまれてきました。マメ科ハギ属の落葉低木で、根粒菌で育つパイオニア植物です。
秋の七種(ナナクサ)、ハギ(萩)
ハギ(萩)は、マメ科ハギ属の落葉低木で、根粒で育つパイオニア(先駆)植物です。
漢字の「萩」は、日本でつくられた国字であり、日本の秋の代表的植物です。(^_^)
最近の花のような派手さはありませんが、ことし出た枝先に7月ごろから、1cmほどの赤紫の花を咲かせ、10月ころまで長く咲きます。
春の七草は、1月7日に食べられる植物ですが、それにたいして、
秋の七種は、ハギ(萩)、ススキ(尾花)、クズ(葛)、ナデシコ(撫子)、オミナエシ(女郎花)、フジバカマ(藤袴)、キキョウ(桔梗)で、見て楽しむ花としてとり上げられたものです。
これらの花は、山上憶良によって歌われ、万葉集に次のように掲載されています。
秋の野に咲きたる花を指折り(およびをり)かき数ふれば 七種(ななくさ)の花
萩の花 尾花葛花 撫子の花 女郎花また藤袴 朝貌(あさがお)の花
万葉集 1537-1538
七種と書くのは、ハギ(萩)が草ではなく樹であるためとのことです。また、「朝貌」はいまの「桔梗」になります。
現代の花のような派手さはない花ですが、万葉集で最も多く読まれている花だそうです。
万葉人が親しみを持ってみていたと思うと、興味がわきます。
ハギ(萩)は樹高1.5~2mで、大きくなることはなく、毎年、根元から新しく芽を出します。
このため、芽子(ハギ)、生芽(ハエギー>ハギ)と書かれ、萩の名前の語源になったと言われます。
そして、花は古い枝にはつかず、その年に伸びた枝につきます。そのため、花をたくさん咲かせるためには、冬に枝を切る必要があります。
また、枝や葉は家畜の飼料にされたり、枝を束ねて箒(ホオキ)などにして、身近につかっていたようです。
ハギ(萩)は、ススキ(尾花)とともに邪気を払う力があるとされ、お月見に団子とともに供えられてきました。 (^⊆^)
ハギ(萩)の基本情報・花言葉
ハギ(萩)は、東アジア、南アジア、北米東部、オーストラリアなどの、温帯や亜熱帯や、日本全土に分布するマメ科ハギ属の落葉低木です。
日本で咲くハギには、ヤマハギ、ミヤギノハギ、キハギなどの8種類がありますが、ヤマハギやキハギは山野に自生し、ミヤギノハギは栽培種になります。
ハギの名前は、古い株から新しい芽がつぎつぎに出ることから「生え芽(はえぎ)」と呼ばれたものが変化して「ハギ」になったとする説が有力と言われます。
学名は、Lespedeza
英名は、Bush clover、Japanese clover
英名でクローバーと呼ばれるのは、葉の形がクローバーににているためと言われます。
花期は7~9月で、枝の先にたくさんの花枝をだして1cmほどの、ピンクの蝶形花を咲かせます。
花は古い枝にはつかず、その年に伸びた枝につきます。そのため、花をたくさん咲かせるためには、冬に枝を切るのがいいようです。
葉は互生し、丸みを帯びた3枚の小葉で構成される、3出複葉をつけます。
樹高は1.5~2mでそれほど高くならず、株立ちになります。
マメ科であり、根粒根で成長するため痩せ地でもよく育つパイオニア(先駆)植物です。
奈良時代から平安時代にかけて編纂された万葉集では、141首に読まれており、最も多く読まれた花とのことです。
また、山上憶良によって歌われた秋の七種に含まれていることでもよく知られています。
ハギ(萩)の花言葉は、「思案」「内気」「柔軟な精神」で、9月24日、10月1日の誕生花です。
おわりに
秋の七種(ナナクサ)の一つであるハギ(萩)の花が、盛んに咲いています。
万葉集で一番多く詠まれている花であり、古くから人々に親しまれてきた花です。
派手さはありませんが、いい花だと思います。o(^∇^)o
参照サイト
Wikipedia ハギ
季節の花 300 ハギ
みんなの趣味の園芸 ハギ
花言葉-由来 ハギ