湿地で紫の花を咲かせるサワギキョウ(沢桔梗)

サワギキョウ

サワギキョウ(沢桔梗、Lobelia sessilifolia)は日本・朝鮮・中国原産のキキョウ科ミゾカクシ属の多年草で、湿原や沢沿いに生育します。 花期は 7〜8月で、濃紫色の唇形花を穂状にたくさんつけます。茎は直立し、50〜100cmになります。全草にアルカロイド ロベリンを含み有毒です。

湿地で紫の花を咲かせるサワギキョウ

サワギキョウの花

サワギキョウの花

こちらは、大阪公立大学附属植物園で撮影させていただいたサワギキョウ(沢桔梗)です。

池のほとりで、まっすぐ伸びた茎に、あざやかな紫青色(濃青紫色)で、長さ約2.5~3.5cmほどの花がいくつも咲いています。

形や大きさは違いますが、たしかにキキョウ(桔梗)を連想させる鮮やかな紫です。

朝鮮半島、中国、ロシア(シベリア、カムチャツカ等)など、東アジア一帯に分布し、日本全土に分布する、キキョウ科ミゾカクシ属(ロベリア属)の多年草で、ロベリンと呼ばれる有毒物を含んでいます。

別名は、チョウジナ(丁字菜)、アギ、山梗菜(サンコウサイ)、など。由来については、基本情報をご覧ください。

園芸分野においては、近縁種や交配種を含めて、宿根ロベリアなどと呼ばれ、親しまれているようです。

水辺で咲くサワギキョウ

花期は8~9月頃

花冠は深く5裂した2唇形(左右相称)で、上唇は深く2裂し、下唇は3裂して広がります。

深く切れ込んだ唇形の花

独特の形のサワギキョウの花は、毎年楽しませてくれるだろうと思います。

自生種は紫ですが、赤、ピンク、白など、いろんな栽培品種が開発されています。

花言葉は、「高貴」「特異な才能」「悪意」「敵意」「繊細」「卓抜」

紫の花や、枝分かれのない茎、毒性を含むこと、などに由来した花言葉がつけられています。

9月22日、9月30日、10月30日の誕生花になります。

サワギキョウの葉、茎

サワギキョウの葉、茎

葉は無柄で、茎に螺旋状に互生します。大きさは長さ4~7cm 幅0.5~1.5cm程で、笹の葉のような細長い披針形です。

葉の縁には細かく鋭い鋸歯が見られます。

茎は黄緑色で表面は無毛、内部は中空で直立し、枝分かれしません

地下には太い根茎があり、地中を横にはう太く短い性質を持っており、冬期に

地上部が枯れた後もこの根茎が残り越冬し、翌春に再び芽を出します。

草丈は、50~100cm程度。

夏の終わり近く、水辺で涼し気に咲くサワギキョウ、夏の疲れを癒してくれそうです。

サワギキョウの基本情報・花言葉

日本(北海道、本州、四国、九州)をはじめ、朝鮮半島、中国、ロシア(シベリア、カムチャツカ等)などの東アジア一帯に広く分布しています。山地や高原の湿原、沢沿いなどの湿った草地に自生し、しばしば大群生をつくります。

原産地、分類、特徴

被子植物門・双子葉植物綱・キキョウ目・キキョウ科ミゾカクシ属(ロベリア属)に分類される多年草(宿根草)です。

草丈は50~100cm、茎は分岐せずにまっすぐ直立します。晩夏から初秋にかけて鮮やかな青紫色の花を咲かせる美しい山野草ですが、全草にロベリンなどの強力なアルカロイドを含有する有毒植物としても有名です。
このため、誤食すると血圧降下や麻痺、呼吸困難などを引き起こす危険性があります。

名前について

和名は「サワギキョウ(沢桔梗)」で、山間の沢や湿地などの水辺に自生し、咲かせる深紫色の花が桔梗(キキョウ)の花色を思わせることに由来します。

以下に、別名と由来について書きます。

チョウジナ(丁字菜): 花の姿などが香辛料や薬用に用いられる丁字(チョウジ)を連想させることに由来します。

アギ:古くから伝わる異名・古名のひとつです。

山梗菜(サンコウサイ): 漢名(中国名)での名称です。

宿根ロベリア : 園芸分野において、本種やその近縁種・交配種を指す流通名として親しまれています。

お庄屋殺し : 横溝正史の長編推理小説『悪魔の手毬唄』などで劇中の殺人事件に使われた猛毒草として描かれたことから、俗称・通称として知られます。

学名は、Lobelia sessilifolia Lamb.

属名の Lobelia(ロベリア)は、16世紀ベルギーの植物学者マティアス・デ・ロベル(Mathias de L'Obel)への献名です。

種小名の sessilifolia(セシリフォリア)は、ラテン語の sessilis(柄がない、無柄の)とfolium(葉)を組み合わせた言葉で、「柄のない葉を持った」という意味があります。

英名は、Sessile lobelia(または 、Sessile-leaf lobeliaMarsh lobelia

特定の固有名詞的な英名は少なく、学名を直訳した名称や「湿生のロベリア」を意味する名で呼ばれるのが一般的です。

sessile(無柄の、茎に直接つく)とlobelia(ロベリア属)から成り、葉柄を持たずに茎に直接葉が着生する特徴に由来します。

8~9月頃、長さ約2.5~3.5cmほどで、色は鮮紫青色(濃青紫色)です。

花冠は深く5裂した2唇形(左右相称)で、上唇は鳥の翼のように2深裂し、下唇は3中裂して広がります。

雌しべの数は1本で、先端の柱頭は受粉期になると2裂して広がります。

雄しべの数は5本で、花糸と花粉袋が互いに合着して筒状となり、雌しべを包み込みます。

その他、キキョウと同様に雄性先熟の性質を持ちます。開花直後は雄しべから花粉を散布する「雄花期」となり、花粉が出尽くした後に雌しべが伸ばし出されて「雌花期」へと移行し、自家受粉を防ぎます。
萼(がく)は鐘状で先が5深裂し、花被片の縁には細かい毛が密生します。

茎の上部に多数の花が穂状をなす総状花序を形成して次々と咲き上がります。

自然変種として白花を咲かせるシロバナサワギキョウや、淡紫色のモモバナサワギキョウも存在します。

実は、長さ1~1.2cmの卵形をした蒴果(サクカ)で、熟すと乾燥して薄褐色~茶色に変化します。

種は長さ1.4~1.9mmと極めて微小で、扁平で歪んだ卵形をしており、表面には光沢が見られます。

片側が厚い翼状(片翼)になった独特の構造をしており、1つの蒴果の中にたくさんの種子が詰まっています。

葉、茎

葉は無柄で、茎に螺旋状に互生します。大きさは長さ4~7cm 幅0.5~1.5cm程。

笹の葉のような細長い披針形で、 葉の縁には細かく鋭い鋸歯が並んでいます。

草丈は、50~100cm程度。

茎は黄緑色で表面は無毛、内部は中空で直立し、枝分かれしません。

地下には太い根茎を有し、秋が深まると葉が鮮やかに色づいて美しく紅葉します。

栽培上の注意点

湿原に自生する山野草であるため、日当たりと風通しの良い環境を好みます。

高温多湿には強い反面、極度の乾燥や強い西日には非常に弱いため、夏場は半日陰で管理するのが適しています。

水切れは厳禁です。鉢植えの場合は鉢底を水につけておく「腰水栽培」を行うか、鉢土の表面が乾く前に毎日たっぷりと水を与えて常に湿り気を保ちます。

春の芽出し期から初夏にかけて、薄い液体肥料や緩効性化成肥料を少量施します。肥料分が多すぎると草丈が伸びすぎて倒れやすくなるため、与えすぎに注意します。

耐寒性は非常に強く、特別なわら囲いなどがなくても屋外で冬越し可能です。秋終わりに地上部が枯れると地下の太い根茎の状態で休眠します。休眠中も根茎が乾燥して死滅しないよう、適度な湿り気を維持してください。

花言葉、誕生花

花言葉は、「高貴」「特異な才能」「悪意」「敵意」「繊細」「卓抜」

「高貴」は、 まっすぐに伸びた気品あふれる花姿と、鮮やかな紫色の花色に由来します。紫色は古来より京都の雅や高位の者のみが着用を許された特別で気品ある色とされたためです。

「特異な才能」は、 草丈が高く風などで倒れやすい性質を持ちながらも、倒れた茎が自力で先を上に向かって力強く持ち上げて起き上がる独特の習性に由来すると言われます。

「悪意」「敵意」は、風情があり気品漂う美しい花の姿とは裏腹に、全草にロベリンという強い毒性を隠し持っているギャップや恐怖感からつけられました。

9月22日、9月30日、10月30日の誕生花です。

参照サイト

Wikipedia サワギキョウ

三河の植物観察 サワギキョウ

みんなの趣味の園芸 サワギキョウ

GKZ 植物図鑑 サワギキョウ(沢桔梗)

弥生おばさんのガーデニングノート「花と緑の365日」 サワギキョウ

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