ミツバツツジはツツジ科ツツジ属の落葉低木で、関東〜近畿地方東部の大平洋側の山地に分布する日本固有種です。
葉が3枚輪生し、雄しべが5本であるのが特徴で、早春に葉より先に紅紫色の花を咲かせます。
日当たりの良い尾根、岩場、雑木林に多く、春を彩る代表的な花木です。
ピンクの花が綺麗なミツバツツジ(三葉躑躅)
ミツバツツジの花

ミツバツツジの花
城川四郎他 山と渓谷社 「樹に咲く花 山渓ハンディ図鑑5」によると、ミツバツツジの仲間は、ツツジ科の中でも最も分類が難しいとされます。
前回は、コバノミツバツツジと思われる種類について記事にしました。
ミツバツツジは、葉が3枚輪生してつくことから、こう呼ばれますが、その中で雄しべが5個のものはミツバツツジと呼ばれます。
そして、「○○○ミツバツツジ」と命名された近縁種もミツバツツジと呼ばれることが多いのですが、これらと区別するため、ホンミツバツツジという呼称への変更が提案されているようです。
この、「○○○ミツバツツジ」は、コバノミツバツツジ、トサノミツバツツジ、アワノミツバツツジ、キヨスミミツバツツジ、ハヤトミツバツツジ、ユキクニミツバツツジなど、たくさんの種類があり、外見がよくにていて、見分けるのが難しいといわれます。
ただ、ミツバツツジ以外の「○○○ミツバツツジ」の雄しべがは、10本であることから、ミツバツツジとは見分けられます。
雄しべが10本の、「○○○ミツバツツジ」の分類は、分布、腺点、毛の有無などによって見分けられるとされますが、条件によってかなり難しいとされます。
普通に楽しむ分には、こだわる必要もないと思いますが、気になると調べたくなります。
つぎの写真は、近くの野原に咲いていた、枝の先に3枚の葉が輪生したツツジで、雄しべが5本ついており、ミツバツツジかと思われます。
ミツバツツジの分布は、関東地方~近畿地方東部の太平洋側とされているので、当地はギリギリ含まれるかどうかというところかと思います。
ご覧のように、花は枝の先に2~4個ついており、花びらは5枚に見えますが根元で合着した合弁花で、上部の花びらの内側に斑点がみられます。
写真は、4月24日に撮影したもので、花も葉もたくさんつけています。
コバノミツバツツジに較べて、標高の低い場所で育っており、咲く時期も少し遅いようです。

樹々に囲まれて咲くミツバツツジ
周囲には樹々が生えていますが、その中で鮮やかに咲くたくさんのピンクの花は、目を引きます。
花言葉は、「節制」「抑制のきいた生活」。
ミツバツツジがやせた尾根や岩場といった、厳しく過酷な自然環境を好んで生育することに由来すると言われています。
ミツバツツジの葉、樹
ミツバツツジの葉

ミツバツツジの葉
葉はこのように、枝の先に3枚輪生します。
長さ3~7cm 幅2.5~5cmほどの菱状広卵形で、葉の中央より少し根元寄りの部分で最も幅が広くなります。
葉柄は5~12mmで、葉の縁に鋸歯(ギザギザ)はなく、全縁です。
また、葉は腺毛があって粘りますが、成葉では無毛になります。
ミツバツツジの樹

ミツバツツジの樹
根元からヒコバエが出て、何本もの幹が出ているようです。
樹高は2mほど、樹皮は暗灰色・灰黒色で平滑です。
春の野で咲くピンクのミツバツツジ、近縁種のいろんなミツバツツジと見た目は同じようですが、明らかな違いがあります。
ミツバツツジの基本情報・花言葉
原産地、属性、特徴
関東地方、東海地方、近畿地方東部の太平洋側の山地や丘陵地に分布する日本固有種です。
ツツジ科ツツジ属に分類される落葉広葉樹の低木です。
特徴として、やせた尾根や岩肌、里山の雑木林といった厳しい環境に好んで生育します。
秋にはくすんだ橙色や濃い赤色に美しく紅葉します。古くから庭木としても親しまれていますが、挿し木や接ぎ木による繁殖が難しく実生(種)から育てるのが一般的であるため、園芸化はあまり進んでいません。
また、盗掘の影響などもあり、野生の個体数は決して多くないようです。
名前について
名前は、花が咲いた後や開花と同時に、枝先に3枚のひし形の葉が輪生状に(車輪のように)つくことによります。
別名として「イチバンツツジ」があるほか、近縁種との混同を避けるために、種を厳密に指す和名として「ホンミツバツツジ」への改称が提案されています。
学名は、 Rhododendron dilatatum
属名 Rhododendron はギリシャ語の「rhodon(バラ)」と「dendron(樹木)」の合成語で、
種小名の dilatatum はラテン語で「広がった、拡大した」を意味します。
英名については、特定の名前はないとされていますが、英語圏では直訳的に「Three-leaved azalea」と呼ばれることがあるようです。
花
花期は4~5月。ツツジ類の中では開花が早く、葉が展開するより先、または同時に開花するため、枝の先に花だけが浮かんでいるような幻想的な姿を楽しめます。
花の大きさは直径3~4cm、漏斗型で合弁花です。
基本色は紅紫色(薄紫色やピンク色)ですが、白、赤、絞り咲きなど個体差も見られます。 花冠(花びら)は深く5つに裂けています。最大の識別ポイントとして、雌しべが1個に対し、雄しべは5本しかありません(トサノミツバツツジなど近縁種の多くは雄しべが10本あります)。各花芽からは2~3輪の花を咲かせます。
実
果実(子房)の特徴として、表面には短い鱗片状の腺点が密生していることが確認できます。 実は長さは、1cm程度の細長い円筒形のさく果(乾果)で、夏から秋にかけて緑色から褐色に熟し、熟すと縦に裂けて細かな種子を飛ばします。
葉や樹
葉は長さ3~7cm 幅2.5~5cmの菱状広卵形で、中央より少し根元寄りの部分で最も幅が広くなります。枝の先に3枚が輪生して付きます。
若い葉には微細な腺毛があって粘り気を持ちますが、成長した成葉になると無毛になります。葉柄の長さは5~12mmです。また、葉の縁に鋸歯(ギザギザ)はなく、なめらかな全縁です。
枝分かれの特徴として、褐色の小枝が輪生状に2~4本ずつ出ます。側芽は発達せず、枝先の冬芽に発達した花芽をつけます。樹の大きさは樹高1~3mです。幹や樹皮は暗灰色・灰黒色で平滑です。
育てるうえでの注意点
日当たりの良い場所から明るい半日陰を好みますが、夏の厳しい西日や冬の寒風が当たる場所は避けます。根が浅く張るため、水はけと保水性の良い土壌が適しています。
ツツジ類は乾燥に弱いため、真夏は水切れに特に注意が必要です。極端な乾燥を防ぐために、株元をピートモスなどでマルチングのが良いと言われます。
鉢植えは表面が乾いたらたっぷり水を与えます。特別な剪定をしなくても自然樹形で整いますが、乱れた枝を切る場合は、花が終わった初夏の時期に行います。
ミツバツツジ類は、挿し木が難しため、10~11月ごろ種を蒔いて増やすのが適しているとされます。
花言葉、誕生花
花言葉は、「節制」「抑制のきいた生活」。
ミツバツツジがやせた尾根や岩場といった、厳しく過酷な自然環境を好んで生育することに由来すると言われています。
誕生花は、5月1日、5月22日。
参照サイト・書籍
Wikipedia ミツバツツジ
みんなの趣味の園芸 ミツバツツジ
LOVEGREEN ミツバツツジの育て方・栽培方法
花言葉ー由来 ミツバツツジの花言葉
城川四郎他 山と渓谷社 「樹に咲く花 山渓ハンディ図鑑5」
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