マツカサススキは、湿地で育つカヤツリクサ科の多年草で、高さ100~150cmに成長し、直径10~15cmほどの大きな穂状花序になってたくさんの花を咲かせます。日本固有種で、本州以南に分布しますが、多くの地域で絶滅が危惧されています。
湿地で育つマツカサススキ(松毬薄)
マツカサススキの花、実
マツカサススキ(松毬薄)は、ススキとついていますが、
日当たりのいい湿地に生えるカヤツリグサ科の多年草です。
日本固有種で、本州以南に分布しますが、
生育環境の悪化などのために、福島県、群馬県、東京都など
多くの府県で絶滅危惧種に分類されています。
この写真のように、花序になってたくさん咲いた花の形が松かさのようで、
葉がススキのようだとして、この名がつけられたと言われます。
学名は、Scirpus mitsukurianus Makino, 1903
Scirpusは、イグサ類の植物のラテン名に由来し、
朝ドラでおなじみの牧野富太郎博士が発見して
当時勤務していた東京帝国大学の学長だった箕作佳吉に献名してつけられたとのことです。
マツカサススキは、8~10月ごろに、茎の先端や上部の節のちかくに、直径10~15cmほどの球状の穂状花序をつけます。
雄花と雌花が別の小穂になってつき、花粉が風によって運ばれる風媒花です。
先の写真は9月中旬にとったものですが、コンペントウを思わせる形になって、
たくさん花がついています。
こちらは、素材サイトから借用した写真ですが、
まだツボミでしょうか、長くのびた葉に隠れるようについています。
花言葉は、「文武両道」。
由来は、残念ながらよくわかりません。
花と実の区別がつきにくいのですが、こちらの写真は茶色くなっており、
花が終わって実をつけているのだろうと思います。
茶色くなると、なるほどマツカサににた感じがします。
すこし離れて撮ったものですが、茎の先にたくさんの実がついて見栄えがします。
ススキは、茎の先に白いふわふわした花をつけますが、
まるまった実がたくさんついているのも、楽しいものだと思います。
マツカサススキの葉、茎
ここでは、写真のように大きな株になっており、たくさんの茎がでていました。
茎は直立し、断面は丸みのある3稜形で、
5~7個の節がついており、草丈は1~1.5mほどになります。
葉は、硬く線形で、長さ3~10cm 幅4~8mm、
葉の縁はざらつき、基部は長い筒状の鞘となって茎を包んでつきます。
よくにており、見極めが難しそうですが、
枝分かれの多寡、小穂の大小などの違いがあるようです。
見かけたことがなく、あまり目立たないマツカゼススキですが、
日本固有種で趣のある野草、絶えることのないよう願いたいと思います。
マツカサススキの基本情報・花言葉
マツカサススキ(松毬薄)は、本州以南の日当たりのいい湿地に分布するカヤツリグサ科アブラガヤ(ホタルイ)属の多年草で、日本固有種です。
名前は、葉がススキのようで、茎の先につける花穂(カスイ)がマツカサ(松毬)ににていることに由来します。
学名は、Scirpus mitsukurianus Makino, 1903
Scirpusは、イグサ類の植物のラテン名に由来し、
mitsukurianus Makinoは、牧野富太郎が箕作佳吉に献名したことを表します。
花期は8月から10月ごろで、茎の先端や上部の茎の節に、直径10~15cmほどの球状の穂状花序をつけますが、
雄花と雌花が別の小穂になってつきます。
実は皮が裂開しないそう果で倒卵形で、長さ1mmほど、10~11月ごろに熟します。
葉は、硬く線形で、幅4~8mm、葉縁はざらつき、基部は長い筒状の鞘となって茎を包みます。
茎は、直立して剛強で、丸みのある3稜形、通常5~7個の節があり、
草丈は1~1.5mほどになります。
マツカサススキは、つぎにような理由で各地で絶滅危惧種に指定されています。
・湿地や河川敷など生育地が容易に開発されがちであること
・美しい花をつけることもない目立たない植物であるために意識されず、犠牲になりやすいこと
・生育地の改修や埋め立て、遷移進行などによって絶滅する恐れがあること
それぞれの違いは、Wikipedia マツカサススキに記載があります。
花言葉は、「文武両道」。
参照サイト・書籍
Wikipedia マツカサススキ
西宮の湿性・水生植物 マツカサススキ
ビオ・荒川さいたま マツカサススキ
山梨百名山から見る風景 ヒメマツカサススキ
日本レッドデータ検索システム 維管束植物検索結果
林弥栄監修 山と渓谷社 「山渓ハンディ1 野に咲く花」
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