ミカエリソウ(見返草)の名前は、人が振り返って見るほど花がきれいだとしてつけられました。長く伸びた茎の先に、長い紅紫の蕊を出した唇形花を、穂状花序で咲かせます。長野県・愛知県から岡山県に分布するシソ科の落葉半低木で、日本固有種です。
人が振り返ってみるほどきれいなミカエリソウ(見返草)
ミカエリソウ(見返草)の花
10月でしたが、山でカエリソウ(見返草)の花が咲いていました。
普通には、あまり見かけない花ではないかと思いますが、花がきれいなので振り返って見らるとして、この名前が付けられたと言われます。
残念ながら、全部に花が咲き切っていませんが、全部咲くともっときれいなのだろうと思います。
長く伸びた茎(50cmくらい)の先に、穂状花序で咲く花から雄しべと雌しべが長く飛び出していることから、イトカケソウ(糸掛け草)の別名があります。
花は唇形花で、長さ8~10mmの筒状の先が2唇形になり、先が淡い紅色になっていて、雄しべや雌しべも紅色をしています。
同じシソ科のテンニンソウ(天人草)とそっくりですが、テンニンソウは花やべが白いので区別ができます。(^⊆^)
花言葉は、「詩的な愛」で、9月28日の誕生花です。
また、「ソウ(草)」とつきますが、草本ではなく木本(樹木)になります。
こちらは花が咲く前の様子です。
長く伸びた茎の先に、穂状花序で、紫(?)色をしたたくさんのツボミがついています。
この色がついた部分が、花びらか萼の外側になるんだろうと思います。
花序の長さは15cm程ですが、縞模様になってちょっと面白い形をしています。
つぎの写真は11月に撮ったものですが、花が終わっていました。
花は散っていますが、萼はそのままついています。
実はどうなったのかと思ったのですが、この中に納まっているようです。
実は分果で、3mmほどの大きさとのことです。
詳しくは、「関西の花」に詳しく書かれています。
葉は、長さ10~20cm 幅6~12cmの楕円形で先が尖っていますが、写真のように、縁には鋸歯があります。
また、長さ1~5cmの葉柄があり、対生しています。
つぎの写真は、虫に食べられた葉を撮ったものです。
この植物は、虫に好かれるのでしょうか、このようにぼろぼろになった葉をよく見かけます。
一般的に、植物によってつく虫が決まっていることも多いようですが、ミカエリソウにも馴染みの虫がいるのかもしれませんね。(^_^)
ミカエリソウの基本情報・花言葉
ミカエリソウ(見返草)は、長野県・愛知県から岡山県に分布するシソ科テンニンソウ属の落葉半低木で、日本固有種です。
名前は、花が美しいので人が振り返って見るほどだ、とされたことに由来します。
別名は、イトカケソウ(糸掛草)。雄しべと雌しべが長く伸びる様子からつけられたようです。
学名は、Comanthosphace stellipila var. stellipila
英名は、Japanese shrub mint
花期は9~10月で、茎先に長さ10~18cmの穂状花序(スイジョウカジョ)を出し、若い花序には扁円形の苞が鱗状につきます。
花は唇形花で、長さ8~10mmの筒状で、先が2唇形となり、先が淡い紅色になります。
雄しべは4本、雌しべは1本で紅色で、花の外に長く突き出します。
葉は対生し、長さ10~20cm 幅6~12cmの楕円形で先が尖り、縁には鋸歯があります。葉の裏面には密に星状毛がつきます。
樹高は40~100cmで、枝には密に星状毛が生えます。
ミカエリソウの花言葉は、「詩的な愛」で、9月28日の誕生花です。
参照サイト
三河の植物観察 ミカエリソウ
EVERGREEN ミカエリソウ
関西の花 ミカエリソウ
植物記 テンニンソウとミカエリソウ