ルスクス・ヒポフィルムはカナリア諸島〜コーカサス原産のキジカクシ科常緑低木で、葉のように見える柔らかい葉状枝の上面や下面に、直径8mmほどの小さな6弁の花を1個つけるのが特徴です。耐陰性が強く、切り花材としても重用されます。
葉のような枝に小さな花が咲くルスクス・ヒポフィルム
ルスクス・ヒポフィルムの花

ルスカス・ヒポフィルムの雄花(大阪公立大学附属植物園)
1月末に大阪公立大学附属植物園に伺いました。
園内では、よく知られた、ロウバイ、サザンカ、ツバキなど、冬の花々が咲いていましたが、
いままで聞いたことがない、ルスカス・ヒポフィルムの花が咲いていました。
この植物の花期については、通常3~5月とされていますが、
こちらでは、説明文に、園内開花期として1~3月とされていて、たしかに1月に咲いていました。
名前のルスカスは、葉の先端が尖っていることから、ラテン語の「棘」を意味する"ruscum" (ルス クム) などに因み、
ヒポフィルムは、ギリシャ語の hypo(〜の下に) と phyllon(葉) に由来し、
葉状枝の下面や上面に花をつける性質によるとされます。
花は、葉のように見える「葉状枝」と呼ばれる枝の中央に、
直径8mmほどの小さな6枚の花びらで、咲いています。
花びらの色は、赤っぽいものと、淡い黄色のものが見られ、中央部には3個の雄しべが合生(癒着)した紫色の「雄ずい筒」がついています。
ルスカス・ヒポフィルムは、雄花と雌花がつき、雌花の「雄ずい筒」の先からは雌しべが覗くとのことですが、この花には見られないようです。
なので、雄花かと思われます。
この花を見たとき、ハナイカダを思い出しました。
ハナイカダは、雌雄異株で、葉の上の葉脈の上に花を咲かせますが、ルスカス・ヒポフィルムは、葉のように見える枝に花が咲きます。

虫のようなルスクス・ヒポフィルムの花
まるで葉の上に、虫がのっかったように見える花で、特徴のある姿がおもしろいと思います。
花は、葉の表だけではなく、裏側にもつくのがこの花の特徴です。

葉状枝(葉状茎)の裏にも咲く花
こちらは、素材サイトから借用した写真ですが、このように、葉状枝の下側にも咲いています。
葉ではなく、枝なのでその表裏に花が咲くということでしょうか。
花言葉は、「陽気」です。
花言葉の由来は、ルスカスが原産地の一つであるイラン北部などの地域において、
無病息災や長寿の象徴として扱われてきた歴史や、
葉の上に愛らしい赤い実(栽培環境では実をつけることは稀とされます。)をつける明るい見た目にちなんでいるとされています。
ルスクス・ヒポフィルムの樹

ルスクス・ヒポフィルムの枝
ルスカス・ヒポフィルムは、地下に根茎を持ち、そこから茎を出します。
そして、地面から伸びた茎に、長さ5~9cmの楕円形の葉状枝が互生します。
この写真ではよくわかりませんが、本来の葉は小さな鱗片状に退化しており、葉状枝の付け根などにつきます。

ルスクス・ヒポフィルムの樹形
地下茎が伸びて、つぎつぎに茎を伸ばし、その茎が分枝して葉状枝となり、
写真のような、こんもりと茂った樹形になります。
樹高は、40~70cmほどになる常緑の亜低木または低木です。
葉のような枝の表裏に小さな花が咲くユニークな低木、切り花にするのも楽しそうですね。
ルスクス・ヒポフィルムの基本情報・花言葉
原産地、分類、特徴
ルスカスの主な原産地は、地中海沿岸地域です。
具体的には、北アフリカ、スペイン、フランス南西部のほか、イラン北部から小アジア、カナリア諸島からコーカサス地方にまで及びます。
被子植物の単子葉類で、キジカクシ目(クサスギカズラ目)キジカクシ科(クサスギカズラ科)で、
ナギイカダ属(ルスクス属)の常緑亜低木(または低木)です。
特徴は、一見すると「葉」に見える部分が、茎が変形した「葉状枝(葉状茎)」であるという点です。
この葉状枝は光合成を行い、その中央部(脈上)から花を咲かせ、実を結ぶ(実際には実を結ぶことは稀とされます。)という非常に珍しい性質を持っています。
鮮やかな緑色が美しく日持ちが良いため、花束やアレンジメントの「葉物」として重宝されています。
切り花としての花持ちが長く、マルバルスカスで1週間以上、種類によっては1ヶ月ほど持つこともあります。
名前
和名は「ナギイカダ(梛筏)」とされることがありますが、
厳密には日本の植物図鑑などでは近縁種の Ruscus aculeatus をナギイカダと呼び、
本記事で扱う Ruscus hypophyllum は、「ルスクス・ヒポフィルム」や「マルバルスカス(丸葉ルスカス)」と呼ばれることが多いようです。
別名としては、そのまま「ルスカス」や「ルスクス」と呼ばれるほか、葉の裏にも花をつけることから「ウラハナナギイカダ(裏花梛筏)」と呼ばれることもあります。
また、葉の形によって「ササバルスカス(笹葉ルスカス)」や「ホソバルスカス(細葉ルスカス)」と呼ばれる品種(イタリアンルスカスなど)もあります。
学名は 、Ruscus hypophyllum L.
Ruscusは、葉の先端が尖っていることから、ラテン語の「棘」を意味する"ruscum" (ルス クム) または "ruscus" (ルースクス)に由来します。
また、「hypophyllum」は、ギリシャ語の hypo(〜の下に) と phyllon(葉) に由来し、葉状枝の裏面や両面に花をつける性質によると考えられます。
英名は、Butcher's broom(ブッチャーズ・ブルーム)
特にトゲのない R. hypophyllum は「Spineless butcher's broom(トゲなしブッチャーズ・ブルーム)」や「Dutch butcher's broom」などと呼ばれます。
名前の由来は、「butcher(肉屋)」が「broom(ほうき)」として使っていたことにちなみます。
かつて肉屋が肉を扱う台を掃除する際、この植物を束ねてほうきとして利用していたことに由来すると言われます。
花
花期は主に春で、3月から5月頃とされますが、
大阪公立大学附属植物園では、1~3月(案内板による)とのことです。
花は、葉のように見える「葉状枝」の中央に咲きますが、葉状枝の表面だけでなく裏面に出ることもあり、両面に花をつけるのが R. hypophyllum の特徴です。
花は非常に小さく、遠目には葉の上にバッタなどの小さな虫や、ゴミが止まっているようにも見えます。
花の直径は7~8mm程度で、花弁(花被片)は6枚で淡い緑色や白色で、中心部は紫色をしています。
雌雄同株で、同じ株に雄花と雌花がつきます。
そして、雄しべは3個あり、それらが合生(癒着)して紫色の「雄ずい筒」を形成しており、開花するとこの紫色の部分がよく目立ちます。
雌花では、紫色の雄ずい筒の間から、雌しべの柱頭が1mmほど顔をのぞかせます。
実
ルスカス・ヒポフィルムは、栽培環境ではほとんど実をつけないとされます。
葉、幹、樹など
「葉」のように見えるのは、植物学的には枝が変化した「葉状枝(ヨウジョウシ)」、または「葉状茎」と呼ばれる器官です。 本来の葉は小さな鱗片状に退化しており、葉状枝の付け根などにわずかに見られます。葉状枝は、長さ5~9cmの楕円形で先端が尖っておらず、触っても痛くありません。
葉の付き方 葉(葉状枝)は、茎に対して互生します。
地下に根茎を持ち、そこから茎を出します。そして、茎が分枝して葉状枝となり、こんもりと茂った樹形になります。
茎は固くて丈夫であり、緑色が鮮やかです。
樹高は、40~70cmほどになる常緑の亜低木または低木です。
花言葉、誕生花
花言葉は、「陽気」。
花言葉の由来は、ルスカスが原産地の一つであるイラン北部などの地域において、
無病息災や長寿の象徴として扱われてきた歴史や、葉の上に咲く愛らしい花にちなんでいるとされます。
1月17日の誕生花。
参照サイト
Wikipedia Ruscus hypophyllum
山科植物資料館 ルスクス・ヒポフィルム
hanameku ルスカス
ユキのブログ ルスクス・ヒポフィルム
EVERGREEN 植物図鑑 ルスクス ヒポフィルム
花言葉・誕生花 ルスカス
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