サイコクヒメコウホネ(西国姫河骨、Nuphar saikokuensis)はスイレン科コウホネ属の多年生水草で、日本固有種です。本州西部~四国・九州の湖沼や水路に分布し、6~10月に直径3~4cmのカップ状の黄色い花を上向きに咲かせます。
池で黄色く咲くサイコクヒメコウホネ(西国姫河骨)
サイコクヒメコウホネの花
10月初めに、大阪公立大学附属植物園に伺い、
サイコクヒメコウホネ(西国姫河骨)の写真を撮らせていただきました。
知らなかった花ですが、スイレン科の多年草水草で日本固有種、
池で育てられ、直径2~4cmほどのきれいな黄色い花を咲かせていました。
花期は5〜10月と長いのですが、そろそろ終わりが近づいているようでした。
水面のたくさんの葉のあちこちに、
小さく黄色い、黄金のように輝く花が咲いています。
花びらのように見えるのは萼片で5枚、これに包まれて、
中心部に雌しべの柱頭盤、それと一体のようにたくさんの雄しべがついています。
その根元にそり反り返るようになってたくさんついているのが花弁のようです。
仲間のコウホネ(河骨)と呼ばれる草花より小さいので、
ヒメコウホネ(姫河骨)と呼ばれていましたが、
この種は西日本に分布するため、
サイコクヒメコウホネと名づけられたとのことです。
東日本に分布する種は、そのままでコウホネ(河骨)。
コウホネ(河骨)の名前は、
根茎が白く太く動物の骨のように見えることに由来します。
ぎょっとするような名前ですが、
この植物の特徴をとらえてつかられたのでしょうね。

サイコクヒメコウホネの花と葉
花は、根茎から伸びた長い花柄の先に、
上向きに一つだけ咲きます。
ヒメコウホネの花言葉は、「秘められた思い」「愛情」「崇高」など、
静かに水面に咲く姿に由来してつけられたのでしょうか。
花の後につける実は、
長さ3〜5cmほどの楕円形で緑色、
熟すとやや黄緑がかることがあるようです。
サイコクヒメコウホネの葉

サイコクヒメコウホネの葉
あまり深くない池の一面に、
このようにたくさんの楕円状の葉が見られます。
葉は、ほとんどが水面の上にでているようです。
葉は、長さ10〜30cm、幅5〜20cmで、基部が心形になり、
根茎から長く伸びた、葉柄の先端に、葉柄を包みこむようについています。
縁は滑らかで鋸歯はありません。

池で育つサイコクヒメコウホネ
ちょっと変わった名前の日本固有種ですが、池一面に葉をつけ、
あちこちに綺麗な花を長く咲かせる魅力的な水性植物だと思います。
サイコクヒメコウホネの基本情報・花言葉
サイコクヒメコウホネ(西国姫河骨)は、スイレン科コウホネ属の多年生水草で、
日本の*中部以西(四国、九州、沖縄など)*の川や池のやや深い場所に分布する日本固有種です。
水底に根茎を張り、浮葉を水面に広げる「浮葉性水草」で、草丈は約10〜40cmになります。
西日本に分布し、同じスイレン科のコウホネ(河骨)より小さいことから、
サイコクヒメコウホネ(西国姫河骨)と名づけられました。
なお、コウホネ(河骨)は、根茎が白く太く動物の骨のように見えることに由来します。
当初、ヒメコウホネ と呼ばれていた種の中に、
東海型と西日本型の違いがあることがわかり、
前者にヒメコウホネの名づけられ、
後者はサイコクヒメコウホネとされました。
サイコクヒメコウホネはコウホネとヒメコウホネ、オグラコウホネが交雑したものと考えられています。
学名は、Nuphar saikokuensis
Nupharはアラビア語「neufar(スイレン)」に由来し、
種小名「saikokuensis」は「西国産」を意味します。
<花>
花期は、5〜10月で、初夏から秋にかけて長く咲きます。
長い花柄を伸ばし、その先に直径2〜4cm程度の小さな花を咲かせます。
鮮やかな黄色で、中央に黄色い柱頭盤が目立ちます。
花弁は退化しており、5枚の萼片が花弁のように見えます。
また、中央に大きな雌しべ(柱頭盤)があり、その周囲に多数の雄しべが螺旋状に並びます。
個体差がありますが、雌しべ1、雄しべ多数が基本構造です。
<実>
実は、長さ3〜5cmほどの楕円形で緑色、
熟すとやや黄緑がかることもあります。
種子は、長さ3.5〜5mmの細長い形で、実の中にたくさん含まれます。
<葉、茎>
水底の根茎から花柄とは異なる葉柄を伸ばし、沈水葉や水上葉をつけます。
葉の大きさは、長さ10〜30cm、幅5〜20cmの円心形で、基部が心形にくぼみます。
縁は滑らかで鋸歯はありません。
<花言葉>
「秘められた思い」「愛情」「崇高」などがあり、
静かに水面に咲く姿に由来します。
参照サイト
Wikipedia サイコクヒメコウホネ
熊本大学薬学部薬用植物園 植物データベース サイコクヒメコウホネ
花 かぎけん花図鑑 ヒメコウホネ
西宮の湿生・水生植物 サイコクヒメコウホネ
HiroKen 花さんぽ ナガレコウホネ











