公園のヤマモモの樹に、茶色っぽく小さな穂状の花序になって、たくさんの花が咲いています。雌雄異株なので、雌花と雄花は雌雄の樹によくにた花を咲かせます。花は、3~4月に咲き、つけた直径1.5~2cmの実は6月ごろ赤く熟し、生食やジャム、果実酒にされます。
3月に咲くヤマモモ(山桃)の花
ヤマモモの花序
3月初めの公園で、ヤマモモ(山桃)に花が咲いています。
ヤマモモは、万葉集にも読まれ、古くから親しまれた樹ですが
雌雄異株なので、雌の樹に雌花が、雄の樹の雄花が咲きます。
どちらも茶色味を帯びた穂状の花序になり、よくにています。
花序は、葉の付け根につきますが、上の写真のように、雌花の花序の一つひとつは、離れてつきますが、
つぎの雄花の写真では、くっついて密についています。
なので、よく見ると区別がつくかと思います。(^_^)
花と言っても、このように見栄えのするものではありませんが、
樹全体に咲いており、遠目からもよく目立ちます。
花言葉は、「ただひとりを愛する」「一途」「教訓」。
雌雄異株のヤマモモは、雄株の花が飛ばした花粉を、雌株の雌花が受粉して実をつけ、その様子が人の恋愛のようだとして「ただひとりを愛する」、
花粉は、数kmほどと遠くまで飛ぶことから、遠方の人を追い求めて旅することを連想して「一途」、とつけられたといわれます。
ヤマモモの実
花が終わると、雌花には写真のように青い実がつきます。
大きさは、1.5~2cmほどで、普通の桃よりはずいぶんと小さなものですが、
6月中には、赤から黒に熟し、生食もできます。
7月初めに見にいったときはすでに実が落下しいていたので、短期間で熟すようです。
こちらは、素材サイトから借用したものですが、表面にツブツブがあり、きれいないろで、かたまってたくさんついていて、いかにも美味しそうです。
この実は、野生の鳥が見逃すはずはありません。ムクドリ、ヒヨドリ、カラスなど、野生のとりが好んで食べるようです。
高知県や徳島県が主な生産地で、店頭販売もされるようですが、日持ちがしないため、ジャムや果実酒にされることが多いようです。
ヤマモモの葉や樹
ヤマモモの葉は互生し、写真のように、枝のさきに集まってつきます。
葉は細長く、先端近くが幅広になった倒披針形と呼ばれる形で、大きさは長さ5~10cm 幅1.5~3cmほど。
また、若い樹の葉には鋸歯がつきますが、成長した樹の葉は、全縁か小さな鋸歯になります。
こちらが、公園のヤマモモの樹です。
高さは10mほどでしょうか、たくさんの枝が出て、樹全体に茶色い花がついています。
3月に花を咲かせ、実が熟すのが6月ごろ、花より、赤い実が目立つ樹だと思いますが、
鳥や人に恩恵を与え、楽しませてくれます。
幹はまっすぐ上にのび、太さは25cmほどでしょうか、
樹皮は灰白色で、表面には少し凹凸がありますが、比較的なめらかできれいな肌をしています。
樹皮にはタンニンを含むため、下痢止めの効果や消炎作用があるため、生薬として利用されてきました。
また、防腐、防水、防虫の効果があるため、漁網を染めるのに用いられたといわれます。
毎年きれいで美味しい実をつけるヤマモモ、ことしも楽しませてもらえそうです。
ヤマモモの基本情報・花言葉
ヤマモモは中国や日本の関東以南が原産のヤマモモ科ヤマモモ属の常緑高木で、雌雄異株です。
庭木や公園樹としてもよく植えられますが、赤い実は生食することができ、ジャムや果実酒にもされます。
高知県や徳島県が産地で、高知県では県の花に、徳島県では県の木に指定されています。
名前は、山に生え、モモのように実がなる、あるいは葉がモモの葉ににているとして名づけられました。
なお、モモは、マミ(真実)が転じた、実が赤いことからモエミ(燃実)、実がたくさん生ることからモモ(百)、などたくさんの説があるようです。
学名は、 Morella rubra
英名は、red bayberry、 wax myrtle
花期は3~4月で、葉の付け根に穂状の花序になって、花びら4枚の花を咲かせます。
雌の樹に咲く雌花は黄緑色で直立し、長さは1cmほどになりますが、雄の樹に咲く雄花は赤っぽい褐色の穂状で長さは2~4cmほどになります。
6月になると、直径2cm前後の実が赤く熟し、食べることができます。
ただ、実は日持ちしないため、ジャムや果実酒にされることが多いようです。
ムクドリ、ヒヨドリ、キジバト、スズメなどの鳥によって食べられるようです。
葉は互生し、枝の先に多くつきます。葉は、幅が広い部分が葉先になる広倒披針形で、大きさは長さ5~10cm 幅1.5~3cm、若い樹の葉には鋸歯がつきますが、成長した樹の葉では、全縁か小さな鋸歯になります。
樹は直立し、普通6~10mで、まれに20mほどになり、太さは1mほどになります。
樹皮は灰白色で、チリメン状のシワができます。
なお、樹皮は薬用や染料として使われてきました。
樹皮は楊梅皮(ヨウバイヒ)と呼ばれる生薬で、タンニンを含むので下痢止めの作用があります。また、消炎作用もつため、筋肉痛や腰痛用の膏薬に配合されるがあります。さらに、タンニンには防腐、防水、防虫の効果があるため、漁網を染めるのに用いられたといわれます。
花言葉は、「ただひとりを愛する」「一途」「教訓」で、6月21日の誕生花です。
ヤマモモは、雌雄異株なので、離れて育った雄株から花粉を飛ばし、雌株の雌花が受粉して実をつけることから、人の恋愛のようだとして「一人ひとりを愛する」、
花粉は、数kmほどと遠くまで飛ぶことから、遠方の人を追い求めて旅することを連想して「一途」、とつけられたといわれます。
参照サイト・書籍
Wikipedia ヤマモモ
樹木図鑑 樹木ペディア ヤマモモ
語源由来辞典 モモ
Green Snap ヤマモモ
高橋秀男校閲 池田書店 「葉っぱ・花・樹皮でわかる樹木図鑑」