キチジョウソウは、8~11月ごろに、花序になって小さな薄紫の花を咲かせます。中国や日本の関東以西に自生するキジカクシ科の常緑多年草で、名前は、「めったに花が咲かず、吉事があると咲く」という古い言い伝えに由来し、縁起がいい花とされます。
キチジョウソウ(吉祥草)の薄紫の花
キチジョウソウの花
道路沿いの花壇にキチジョウソウ(吉祥草)の花が咲いていたので、撮らせていただきました。
キチジョウソウは、中国や日本の関東以西に自生するキジカクシ科の常緑多年草で、
地面から伸びた10cmほどの長さの赤紫の花茎に、穂状の花序になって直径1cmほどの薄紫の花が咲いています。
草丈が低く、目立たない花ですが、よく見ると可憐できれいな花だと思います。
名前は、「めったに花が咲かず、吉事があると咲く」という古い言い伝えから、
「めでたい」の意味を持つ、キチジョウ(吉祥)とつけられ、縁起がいい花とされます。
実際には毎年同じように咲くので、事実とは違っているようです。(^_^)
お釈迦さんが菩提樹のもとで瞑想にふけったときに、
この花が一面に生えていたなどの逸話もあり、仏教とのつながりも伺わせます。
写真で見るように、6枚の白い花びらが反り返り、雄しべや雌しべが飛び出しています。
花序の上部でさいている矢印で示した花は雄花で、
6本の雄しべだけがついており、雌しべはありません。
その下の両性花と書いた花には、雄しべとともに、
赤紫いろの花柱らしいものが見られ、両性花だと思われます。
花が終わった後の両性花には、直径6~10mmほどの実がつき、赤く熟します。
うえにむかって伸びた赤紫の茎に、白い花が穂状に連なって咲いており、いろの対比がきれいだと思います。
花言葉は、「吉事」「よろこび」「祝福」「祝意」で、10月5日、11月28日の誕生花です。
めでたいことがあると咲くといわれるように、いいことやお祝いを表す花言葉になっています。
葉は地面から出た根性葉で、長さ10~30㎝ 幅0.5~3.5㎝ほどの細長い形で、一つの株に3~8枚つきます。
葉の間から、花茎が元気にのび、花を咲かせている様子が見られます。
同じキジカクシ科のヤブランやジャノヒゲはたくさんの葉が茂っているのに対して、こちらは葉の数が少いようです。
キチジョウソウは、地下茎を長く伸ばして増えるため、
写真のように、あちこちから根性葉を出し、花を咲かせています。
草丈が10cm前後の小さな花ですが、晩夏から晩秋に咲く縁起のいい魅力的な花、いいですね。
キチジョウソウの基本情報・花言葉
キチジョウソウ(吉祥草)は、中国や日本の関東地方以西に分布する、キジカクシ科キチジョウソウ属の常緑多年草です。
名前は、家に植えて花が咲くと縁起がいいとしてつけられたとする説や、
「めったに花が咲かず、吉事があると咲く」という古い言い伝えによるとする説があります。
また、お釈迦さんが菩提樹にもとで瞑想にふけるときに、この花を敷いて座ったという逸話もつたわっており、
仏教とのつながりもあったとされます。
別名は、カンノンソウ(観音草)、キチジョウラン(吉祥蘭)。
学名は、Reineckea carnea
英名は、Chinese lucky grass
花期は8~11月で、地面から5~15cmほどに花茎をのばし、2~6.5cmほどの穂状花序になって小さな花を咲かせます。
花は淡い紫色で、花皮は下半分で筒状に合着し、先端は深く6裂して反り返ります。
また、花序の上部には雄しべだけの雄花が、下部には雌しべもついた両性花が咲きます。
実は、直径6~10mmで丸く、熟すと紅紫いろになります。
葉は根生し、長さ10~30㎝ 幅0.5~3.5㎝ほどの線形から披針形で、一つの株に3~8枚つきます。
草丈は10~35㎝ほどになり、地下茎を長く伸ばして増えます。
花言葉は、「吉事」「よろこび」「祝福」「祝意」で、10月5日、11月28日の誕生花です。
参照サイト・書籍
Wikipedia キチジョウソウ
ガーデニングの図鑑 キチジョウソウ
web Bosco 心に咲く花35回 キチジョウソウ
Souvenirs de la saison キチジョウソウ
Chills Laboratory 吉祥草の花言葉・誕生花
林弥栄監修 山と渓谷社 「山渓ハンディ図鑑1 野に咲く花」