シラビソにたくさんの松ぼっくり(球果)がついていました。マツ科モミ属の常緑針葉樹で、日本固有種です。本州の蔵王付近から紀伊半島までと、四国の海抜1,500~2,500mの亜高山帯に分布します。名前は葉の裏が白っぽく檜のようなことに由来します。
日本固有種のシラビソ(白檜曽)の松ぼっくり(球果)
シラビソの松ぼっくり
同じマツ科モミ属のウラジロモミとよくにているので、なかなか判断がつかなかったのですが、シラビソではないかと判断して記事をかくことにしました。間違っていたら、ご容赦ください。
9月でしたが、林道を車で走っているとたくさんの松ぼっくりをつけた樹を見かけました。
最初はウラジロモミかと思ったのですが、ウラジロモミの枝には縦方向の皺があるとのことですが、この樹には皺が見られず、シラビソと考えました。
ただ、シラビソの松ぼっくりは紫色になるとのことなのですが、この松ぼっくりは紫とは思えないので、この点、不安が残ります。
ご存じの方がおられましたら、教えていただければありがたく存じます。
11月に見たときは、つぎの写真のように、茶色くなっていました。古くなると、黒褐色になるとのことなのですが・・・
シラビソの分布は、山形・宮城県境の蔵王から中部山岳地帯・紀伊半島の大峰山系、四国の剣山・石鎚山の海抜1500~2500mと言われ、限られているようです。
日本固有種で、高木常緑針葉樹です。以前記事にしたツガの樹にもにていますが、葉の形や球果が違います。
シラビソはマツの仲間なので、写真のような松ぼっくりをつけますが、この樹にはたくさんついていました。前年の枝の葉腋に直立してつき、大きさは、長さ4~6cm 幅1.5~2cmの円柱形です。
いろは暗青紫と言われますが、この樹では白っぽく見えます。
シラビソの枝・葉
シラビソの葉を上から見たものですが、きれいな緑いろで、枝の上にたくさんついています。葉の大きさは、長さ1.5~2.5cm 幅2mmほどです。
裏返して見たのがつぎの写真です。
葉には、このように2条の白い気孔帯がついており、枝全体でも白く見えます。シラビソの名前は、葉の裏が白く、材が檜のようだとしてつけられたとの説がありますが、この葉の様子に由来しているようです。
もう少し近づいて見ます。
葉が枝についている根元の葉痕は、丸っぽい形になっています。これも特徴の一つです。また、枝にはくぼみなどは見られません。よくにたウラジロモミには、縦方向の皺がつくので、ウラジロモミではないようです。
シラビソの葉の先端を拡大してみました。
写真のように、先端は丸味をおび、少しくぼんでいます。肉眼ではわからなかったのですが、マクロで撮ることによって確認できました。このような形なので、手で触っても痛いことはありません。(^_^)
シラビソの樹
シラビソは、樹高が25~80m、幹の直径は80cmほどになると言われますが、樹齢は100年程度と短いようです。樹皮は灰白色で平滑、皮目は横長で、縞模様になります。
シラビソの基本情報・花言葉
シラビソ(白檜曽)は、山形・宮城県境の蔵王から中部山岳地帯・紀伊半島の大峰山系、四国の剣山・石鎚山まで海抜1,500メートルから2,500メートルの亜高山帯に分布するマツ科モミ属の高木の常緑針葉樹で、日本固有種です。
葉の裏が白いので、白い檜の意味でシラビソ(白檜曽)と名づけられたと言われますが、ヒノキの細材を意味する古語のヒソ(檜楚)に由来する、葉の裏が白いので白檜に由来する、などの説があるとのことです。
別名は、シラベ、リュウセン。
学名は、Abies veitchii
英名は、Veitch's silver fir
雌雄同株で、雌雄異花で、6月ごろに枝の先に咲きます。雄花は小枝の先に群生し、雌花は暗赤色で直立します。
球果は4~6cmで、濃青紫になりますが、古くなると黒褐色になると言われます。
葉は、線形で、表面は濃い緑色で光沢があり、裏面には白色の2本の気孔帯が見られます。また、葉の付け根の葉痕は、丸くなります。若枝には、灰白色あるいは灰褐色の短毛があり。葉は密にらせん状に付きます。
なお、よくにたウラジロモミとの違いは、当年枝の先端部分の「縦しわ」の有無にあります。ウラジロモミには「縦しわ」がありますが、シラビソには「縦しわ」はありません。両者はよくにていますが、この点は、見分ける手がかりになります。
樹高は25~80m、幹の直径は80cmほどになりますが、樹齢は数十年と短いと言われます。樹皮は灰白色で平滑、皮目は横長で、縞模様になります。
シラビソの花言葉は、「高尚」「時」「昇進」。
参照サイト・書籍
里山雑記帳 この木何の木?? 第一回
木のぬくもり・森のぬくもり シラビソ
GKZ 植物事典 シラビソ
高橋秀男校閲 池田書店 「葉っぱ・花・樹皮でわかる樹木図鑑」
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