アメリカスズカケノキ(亜米利加鈴懸の木)は、北アメリカ東部原産でスズカケノキ科の落葉高木の広葉樹です。公園に植えられたアメリスズカケノキと、近縁種のスズカケノキ、モミジバスズカケノキとの違いについて調べました。
アメリカスズカケノキ(亜米利加鈴懸の木)の実
アメリカスズカケノキの実
奈良市内の公園に植えられているアメリカスズカケノキについた実です。
スズカケの仲間には、スズカケノキ、モミジバスズカケノキがあり、よくにているので見分けるのは困難な場合が多いと言われます。
ただ、この樹はついている実が一個だけであり、幹に縦方向の割れ目が見られることから、アメリカスズカケノキだろうと判断しました。(間違っていたらご容赦ください。)(^ ^;)
この樹は、たまに通りかかる公園に、道路に面して植えられているのでよく見かけ、気になっていたのですが、今回初めて撮らせていただきました。
紅葉した葉は、褐色に近いようですが、かなり落ちています。葉が少なくなったので、樹についた実を見ることができました。写真のように丸い形の実で、直径3cmほどの球形の集合果です。
ご覧のようにたくさんの実がついていますが、みんな果柄に1個づつついて垂れ下がっているようです。
ちなみに、アメリカスズカケノキは果軸に1個、スズカケノキは1個の果軸に3~6個、モミジバスズカケノキは1~3個の実がつくとされます。
ただ、実際には、複数とされていても1個だけのこともあり、実の数だけでは識別は困難とのことです。
この樹には、複数個の実が一緒にでているものはないようなので、スズカケノキやモミジバスズカケノキである証拠はないと思われます。
アメリカスズカケの葉・幹
こちちらは、溝におちたアメリカスズカケノキの落ち葉です。wikipediaによると、「長さ7〜20cm 幅8〜22cmの広卵形で、掌状に3〜5浅裂し、ふちには不ぞろいの歯牙があります。」とあります。
たしかに、葉が掌状に3~5裂しており、縁に歯牙がありますが、葉によって歯牙の付き方は違っているようです。
最後に樹皮を撮りました。
この樹の樹高は20mくらいでしょうか、大きな樹で、幹の直径も40cmくらいはあるようです。
樹皮は暗褐色で、縦方向の割れ目がついています。この点が、スズカケノキやモミジスズカケノキと違う特徴と合致しています。
ちなみに、スズカケノキは薄片状にはがれて灰白色と緑褐色のまだら模様斑になり、モミジバスズカケノキは淡い緑色と白の斑模様(鹿の子状)があり剝がれやすいとされます。
アメリカスズカケノキの基本情報・花言葉
アメリカスズカケノキ(亜米利加鈴懸の木)は、北アメリカ東部原産で、スズカケノキ科スズカケノキ属の落葉高木の広葉樹です。日本へは、明治時代に渡来したとされます。
名前は、アメリカから渡来したスズカケノキとしてつけられていますが、「スズカケノキ」は、アメリカスズカケノキの実が、山伏の装束である「結袈裟」につけられる球形の房(通称「鈴懸」、正式名称「鈴梵天」)に似ていることに由来します。
学名は、Platanus occidentalis
英名は、American sycamore 、buttonwood
花期は4~5月で、雌雄同株なので、黄緑色の雄花と、赤色の雌花をつけます。
葉は互生し、長さ7〜20cm 幅8〜22cmの広卵形で、掌状に3〜5浅裂し、ふちには不ぞろいの歯牙があります。
樹高は通常は20m(大きいものは40m以上)ほどで、直径は約40cmになります。
樹皮は暗褐色で縦に割れ目が生じ、小さくはがれて淡黄色の木肌が現れます。
日本では街路樹や公園樹として植えられています。プラタナス(モミジバスズカケノキ)は、アメリカスズカケノキとスズカケノキの雑種と言われます。
アメリカスズカケノキ、モミジバスズカケノキ、スズカケなどの、スズカケノキ属はプラタナスと総称され、花言葉や誕生花はプラタナス(Platanus:古代ギリシャ語のplatys:幅が広いに由来)に対してつけられています。
プラタナスの花言葉は、「天稟(テンピン:生まれつきの才能)」「天才」「非凡」、12月21日、12月23日の誕生花です。
参照サイト
Wikipedia アメリカスズカケノキ モミジバスズカケノキ スズカケノキ
好奇心の植物観察 スズカケの見分け方
松江の花図鑑 アメリカスズカケノキ
弥生おばさんのガーデニングノート 「花と緑の365日」 プラタナス