シマトネリコは、5~7月に花序になって白い小さな花を咲かせ、8~9月ごろに樹全体に羽根のある実をたくさんつけて目を引きます。葉は光沢があるきれいな緑いろで、沖縄諸島に自生するモクセイ科の常緑高木広葉樹ですが、関東以南の公園や庭木などに植えられます。
シマトネリコは白い花が咲き、羽根のある実をたくさんつけます
シマトネリコの白い花
シマトネリコは、沖縄に自生する常緑広葉樹で、春から夏にかけて花序になって小さな白い花をたくさん咲かせます。
そして、夏の終わりごろには鈴なりになって実をつけ、よく目立ちます。
葉も光沢があってきれいな緑なので、関東以南の公園樹や庭木などによく植えられています。
北欧の神話に、イグドラシルと呼ばれる巨大な宇宙樹の話がありますが、このイグドラシルもトネリコとのことです。
知りませんでしたが、魔女がのって飛ぶホオキも、トネリコの木だそうです。このように、昔から人々に親しまれてきたようです。
シマトネリコの名前の由来は、以下の通りです。
最初の「シマ」は、沖縄諸島で生えるためにつけられました。そして、「トネリコ」はもとは「戸に塗る木」だったものが変化したものです。
これは、トネリコの樹の皮につくイボタロウムシが分泌する蝋物質を敷居の溝に塗って、戸のすべりを良くしたことからつけられたといわれます。
名前に、こんな由来があったとは知りませんでした。(^ ^;)
シマトネリコは、花期が5~7月で、雌の樹には、枝の先や葉腋から円錐花序をだし、小さな花をたくさん咲かせます。
樹に咲く花は、このように花序でたくさんの花を咲かせるものが多いようですが、白い花が花序になって樹全体に咲くためきれいで、よく目立ちます。
このようにたくさんの花がきれいに咲くことが、庭木にされる理由の一つなのだろうと思います。(^⊆^)
花言葉は、「偉大」「服従」「高潔」「思慮分別」で、8月20日の誕生花です。
北欧の神話に書かれている、全宇宙を覆うといわれるトネリコの樹に由来するといわれます。
実
8月ごろになると写真のように、シマトネリコの樹にたくさんの実がつきます。
シマトネリコの実は白く、このように樹全体に鈴なりになってついていて、こちらも遠くからもよく目立ちます。
実は、ご覧のように、長さ2 ~ 3 cmの倒被針形で、果皮の一部が羽根のようになった翼果で、翅果(シカ)とも呼ばれます。
このように羽根のような長細い実が、枝に鈴なりになってついており、風によって散布されます。
近くの道を歩いていると、実生が生えているのを時々見かけるので、発芽はしやすいようです。
このように見事にたくさんの実がついており、目を引きます。
きれいということはありませんが、何故か周囲を賑やかにしてくれているように思います。
葉
こちらは近くのマンションに植えられているシマトネリコを撮らせてもらったものです。
シマトネリコの葉は、常緑樹としては珍しいといわれる奇数羽状複葉で、枝に対生してます。
小葉は2~4対つき、長さ3 ~10cm 幅2~4cmの大きさで、革質で表面は無毛で光沢があり、きれいな緑いろです。
常緑樹なので、一年をとおしてきれいな葉をつけるのも、好んで庭木にされる理由のようです。
樹
樹は高くなると15mほどになるようです。この樹は5mくらいですが、数本の樹が伸びて株立ちになっています。
樹皮は灰褐色で若木の樹皮は滑らかで、円形の皮目が目立ちます。
成長が早いため、庭木などに植える場合は、こまめに剪定した方が良さそうです。
詳しい育て方については、LOVEGREEN シマトネリコになに詳しく書かれています。
また、樹液が甘いのでしょうか、昆虫が集まる樹としても知られています。
シマトネリコの基本情報・花言葉
シマトネリコは、中国、台湾やフィリピンからインドに分布し、日本では沖縄に自生するモクセイ科トネリコ属の常緑(半常緑)高木広葉樹で雌雄異株です。
亜熱帯の植物であるため寒さには弱く、日本では関東以南で公園や庭木などで栽培されています。
シマトネリコの名前は、沖縄諸島のシマ(島)に生えるトネリコ(「戸に塗る木」から変化)としたことに由来します。
なぜ、戸に塗ったかと言うと、トネリコの樹の皮につくイボタロウムシが分泌する蝋物質が潤滑性が良いためとされます。
漢字では、「島秦皮」 、「島梣」、「縞秦皮」、「島十練子」などいろんな書き方があるようですが、あまり使われていないようです。
別名は、タイワンシオジ、タイワントネリコなど。
学名は、Fraxinus griffithii
英名は、Griffith's ash
花は雌株にだけ咲きますが、花期は5~7月で、枝の先や葉腋から円錐花序をだし、白い小さな花をたくさん咲かせます。
実は、長さ2 ~ 3 cmの倒被針形で、果皮の一部が羽根のように発達した翼果で、枝に鈴なりになってつき、風によって散布されます。
花や実は、樹全体にたくさんつくので、遠くからでもよく目立ちます。
葉は常緑樹としては珍しいといわれる奇数羽状複葉で、対生します。小葉は2~4対で、長さ3 ~10cm 幅2~4cm、革質で表面は無毛で光沢があります。
余談ですが、西洋の魔女がのって空を飛ぶ箒は、トネリコでできていたと言われます。
樹高は10~18mになると言われます。樹皮は灰褐色で若木の樹皮は滑らかで、円形の皮目が目立ちます。
なお、シマトネリコは、カブトムシなどの昆虫が集まる樹としても知られています。
花言葉は、「偉大」「服従」「高潔」「思慮分別」で、8月20日の誕生花です。
北欧の神話では、イグドラシルと呼ばれる全宇宙を覆うトネリコの樹があるとされ、この神話に由来するようです。
参照サイト・書籍
Wikipedia シマトネリコ
みんなの趣味の園芸 シマトネリコ
唐草図鑑 シマトネリコ
LOVEGREEN シマトネリコ
Green Snap シマトネリコ
城川四郎 他著 山と渓谷社 「山渓ハンディ図鑑5 樹に咲く花」