夏から秋に花が咲き、黒い実をつけるイヌホオズキ

2020年10月27日

イヌホウズキ

イヌホオズキは、8~10月に直径約10mmの白い花を咲かせ、秋に10mmほどの黒い実をつけます。史前帰化植物と考えられ、ナス科の一年草で有毒です。近縁種のオオイヌホウズキ、アメリカホウズキ、テリミノイヌホウズキとの違いについても調べました。

夏から秋に花が咲き、黒い実をつけるイヌホオズキ

イヌホオズキの黒い実

緑色のイヌホウズキ(9月中旬)

緑色のイヌホオズキ(9月中旬)

写真は、8個の実をつけたイヌホオズキです。

ホオズキやナスに似ています、役にたたないのでイヌホオズキと名付けられたとのことです。別名はバカナス(馬鹿茄子)。ヽ('ー`)ノ

ただ、イヌホオズキは、全草にソラニンという有毒物質を含むので、気をつける必要があります。

昔の人は、人にとって利用価値の低い植物には、名前に「イヌ」とか「カラス」を入れたりしているようです。

イヌマキ、イヌブナとかカラスザンショウとか・・ これでは「イヌ」や「カラス」も、怒るのではないでしょうか。

また、現代人より植物に身近で、生活の中でもよく利用してきたからでしょうか、利用価値を重視して名前をつけたように思います。

一方、現代人は、どちらかというと観賞とか装飾などに視点を置く傾向が強いように思われ、名前に対する考え方に差があるように感じます。どうでしょうか。

9月中ころに緑だった実は、10月中旬になって黒く変わりました

真っ黒というのも、きれいじゃないでしょうか。ただ、イヌホウズキは光沢のない黒です。

仲間のテリミノイヌホオズキ(照実犬酸漿)の実は光沢があるそうです。

光っているので、テルミ(照実)とはおもしろいですね。

イヌホウズキの茎と葉

イヌホウズキの全草

イヌホオズキの姿

イヌホオズキはこのような植物ですが、見かけたことはあるのではないでしょうか?

草丈は、60cmぐらいになっています。前の写真を見るとわかるように、茎には白い毛が生えています。

葉は、3~5cmほどの葉柄を介して茎に互生し、長さは3~10cmほどです。

ゆるい鋸歯があり、広い卵のような形をしていますが、先端はとがっています。

イヌホウズキの花

イヌホウズキの花(1)

イヌホオズキの花 その1

イヌホオズキの花期は8~10月で、茎についた枝から花柄を5~8個だし、

その先に可愛く咲きます。花の直径1cmくらいでしょうか。

花弁は5枚で、黄色い雄しべがつきだしているのが印象的です。

イヌホウズキの花(2)

イヌホオズキの花 その2

時間がたつと、花びらは反り返り、雄しべがより目立つようになります。

同じナス科なので、トマトの花にもにているように思います。

花言葉は、「嘘」「嘘つき」「真実」で、7月12日、7月17日の誕生花です。

「嘘」、「嘘つき」は、本来のホオズキがガクの中にある種を含んだ袋で遊ぶことができるのに対して、黒く有毒なためではないかと言われます。

また、「真実」は、民間薬として使われることに由来しているようです。

イヌホオズキと、オオイヌホオズキ、アメリカイヌホオズキ、テリミノイヌホオズキとの違い

イヌホオズキの近縁種は、オオイヌホオズキ、アメリカイヌホオズキ、テリミノイヌホオズキなど、たくさんあります。

この記事で取り上げたものは、イヌホオズキだと判断していますが、オオイヌホオズキの可能性もありますので、お断りします。

詳しくは、「三河の植物観察 イヌホオズキ類の比較」に掲載されています。興味のある方は、そちらをご覧ください。

以下に、イヌホウズキと近縁種の違いを調べた結果をまとめました。

イヌホウズキは、他にくらべて実に光沢がなく、種が大き目で、球状顆粒がありません。

テリミノイヌホウズキは、実に光沢があることが特徴です。

また、オオイヌホウズキとアメリカイヌホウズキは、花序の形がそれぞれ、総状花序と散形花序になる点で区別がつきます。

なお、総状花序は花序の軸に花柄を持った花が(フサ)総になってつき、

散形花序は、花序の先端に、ほぼ同じ長さの花柄をもつ多くの花が放射状につきます。

イヌホウズキと近縁種の違い
イヌホウズキ オオイヌホウズキ アメリカイヌホウズキ テリミノイヌホウズキ
実の光沢の有無 少し有 少し有
種の大きさ(mm) 2 1~1.3 1~1.3 1.5~1.8
種の数(個) 30~60 60~120 60~120
球状顆粒数(個) 0 4~10 4~10 0~2
花序の花数(個) 5~12 5~8 1~4 5~12

表において、球状顆粒とは、実の中に種とは別に入っている直径0.5mm位の白色球状の顆粒です。

イヌホオズキの基本情報・花言葉

イヌホウズキは世界の温帯から熱帯に分布する、ナス科ナス属の一年草です。

日本では史前帰化植物だと考えられており、日本全土の道端や畑などで良くみられます。全身にソラニンという有毒物質を含みます。

学名は、Solanum nigrum

英名は、black nightshade

ホオズキやナスに似ていますが、役にたたないのでイヌホオズキと名付けられたとのことです。

別名はバカナス(馬鹿茄子)。

なお、酸漿とかいてホウズキと読みますが、古くは「カガチ」、「ヌカズキ」と読まれていたようです。

花期は8~10月で、茎から花柄を5~8個をだし、その先に、直径1cmほどの花を咲かせます。

花弁は5枚で、黄色い雄しべがつきだして咲きます。

実の大きさは7~10mmくらいで、10月ごろ熟して黒くなりますが、光沢はなく中にたくさんの種が入っています。

葉は3~5cmの葉柄があって互生し、大きさは3~10cm。

ゆるい鋸歯があり、広い卵のような形をしていますが、先端はとがっています。

草丈は30~60cmほどで、茎には白い毛が生えます。

なお、実や開花期の全草を天日で乾燥したものは、生薬名で竜葵(りゅうき)と呼ばれ、解熱や利尿の薬効があるとされます。

花言葉は、「嘘」「嘘つき」「真実」で、7月12日、7月17日の誕生花です。

「嘘」「嘘つき」は、本来のホオズキがガクの中にある種を含んだ袋で遊ぶことができるのに対して、黒く有毒なためではないかされます。

また、「真実」は、民間薬として使われることに由来しているようです。

参照サイト

Wikipedia イヌホオズキ  葉柄  花柄  鋸歯  ソラニン

近畿中国森林管理局 カラスザンショウ

三河の植物観察 イヌホオズキ類の比較

わぴちゃんのメモ帳 イヌホウズキとオオイヌホウズキ

Chills Laboratory イヌホウズキ



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