可愛い実(球果)をつけるツガ(栂)、コメツガとの違い

2020年10月14日

ツガ

ツガは、樹高30m、直径1mになるマツ科の常緑針葉樹で、直径2~3cmの松ぼっくりににた可愛い実(球果)をつけます。葉は、長さ約1cmと、長さ約2cmの葉が交互につき、先端は丸みを帯びます。よくにた近縁種のコメツガとの違いについても書きました。

可愛い実(球果)をつけるツガ(栂)、コメツガとの違い

ツガの樹

ツガの樹

ツガの樹

住んでいるところから、少し山を登ったところに、大きく育ったツガの木があります。

いまは、枝にたくさんの実(球果)がついています。松笠に較べて小さめ(長さが3cm程)ですが、枝にたくさんつく様子は鈴を吊るしたように見えます。 (^.^) 

ツガ(別名:トガ)は、マツ科ツガ属の常緑高木針葉樹で、本州中部以南に分布しています。

近縁種にコメツガがありますが、この記事で扱う樹は、葉の大きさからツガと判断しました。

すなわち、ツガの葉は長さ10~20mm 幅1.5~2mmで、コメツガはさ約4mm 幅約1.5mmになりますが、

本記事で対象にした樹の葉の長さは10mm以上あるため、ツガだと思われます。

ツガの幹

ツガの幹

ツガの樹は写真のように直立し、高さ30m、胸高直径1mと大きく成長します。

樹皮は赤褐色~灰褐色で、古くなると深く縦に裂けて亀甲状にはがれます。

材は、硬めで色調が上品なため、床柱、長押、敷居、鴨居などの見た目を重視する建材に使われてきたようです。

また、秋篠宮文人親王のお印になっています。

ツガの葉

ツガの葉

ツガの葉

ツガに似た葉の針葉樹は多く、例えば、モミ(樅)カヤ(榧)などがありますが、ツガは葉の先端が丸みを帯びているのが特徴です。

ちなみに、若いモミの葉は先端が2つに分かれており、カヤは先端が鋭く尖っていて触ると痛く感じます。

モミやカヤについては、本ブログの記事に書いていますので、こちらもご覧ください。

ツガの実(球果)

たくさんついたツガの実

たくさんついたツガの実

このように、枝にたくさんの実をつけています。枝ごと飾ると、ちょっと変わっていて、楽しいと思います。

ツガの実(球果)は、この写真のように、下を向いてたくさんついています。

そして、球果は鱗片に覆われていますが、この中に、種をつけていて、やがて、笠が開いて実を落とします。

球果が熟すと、湿ると鱗片が閉じ、乾くと開く、面白い動きをします。

乾いたツガ・松かさと濡れたツガ・松かさ

乾いた状態と湿った状態のツガの球果と松かさ

写真は、乾いた状態と湿った状態の、ツガの球果と松笠です。両者とも、乾くと開き、湿ると閉じることがわかります。

どのような機構で、どのような意味があるかわかりませんが、おもしろいですね。 (^v^)

ただ、球果が乾くと中の種が落下するように仕組まれていることは確かだろうと思います。

乾いたツガの実

乾いたツガの実

こちらは、去年だったかに拾ったものです。

小さいのですが、形がととのっていて綺麗なので、インテリアなどにいいのではないかと思います。どうでしょうか。

ツガとコメツガの違い

ツガ属は、世界で10種類ありますが、日本ではツガとコメツガの2種類になります。

両者の葉は、同じように細長い形をしており、先端が丸いかややくぼんでいますが、葉の長さが違います。

また、ツガは、若い枝は光沢があり無毛ですが、コメツガは短毛が密生します。

以下に、違いをまとめました。

ツガとコメツガの違い
  ツガ コメツガ

葉の寸法(mm)

長さ10~20

幅1.5~2

長さ約4

幅約1.5

若い枝の毛 無毛 有毛

ツガの基本情報・木言葉

ツガ(栂)は、本州中部から屋久島にかけて自生するマツ科ツガ属の高木常緑針葉樹です。

ツガの名前は、細かな葉がつぎつぎと展開していく様子から「継ぐ」とされ、変化してツガとなったとのことです。

また、栂と書くのは、建物の母屋に使った木であるためと言われます。

別名はトガ

学名は、suga sieboldii

英名は、Southern Japanese Hemlock

ツガ属は、世界で10種類ありますが、日本には、ツガとコメツガの2種類あります。

花期は4~6月で、雄花は前年枝に普通1個つき、直径4mmほどの卵形になります。

雌球花は前年枝の先端につき、卵形で紫褐色です。

実は松かさのような球果で、直径2~3cmの楕円形~卵形で、熟すと果柄が曲がります。

種子は長さ約4mmで種子と同じくらいの翼がつきます。

ツガの葉は枝にらせん状に互生し、長さ10~20mm 幅1.5~2mmと線形で、表面は緑いろで光沢があり、裏面は粉白色の気孔帯が2条あります。

モミやカヤの葉に似ていますが、先端が丸みを帯びているのが特徴です。

樹高30m、胸高直径1mの大木になります。樹皮は赤褐色~灰褐色で、古くなると深く縦に裂けて亀甲状にはがれます。

材は、やや硬く色調が上品なため、床柱、長押、敷居、鴨居などの見た目を重視する建材に使われてきました。

また、ツガは、秋篠宮文人親王のお印になっています。

なお、近縁種のコメツガは日本固有種で、日本の本州から九州の海抜1500mほどの高山で見られます。

葉は長さ約4mm 幅約1.5mmであり、ツガの長さ10~20mm 幅1.5~2mmにくらべて小さいため、コメツガと命名されました。

ツガの木言葉は、「堅固」

ツガの木は、粘りがあって強い材であるためつけられた木言葉だと言われます。

いままで知りませんでしたが、木のなかには木言葉がつけられているものがあるようです。

参照サイト・書籍

Wikipedia ツガ

森のかけら ツガ

庭木図鑑 樹木ペディア ツガ

高橋秀男校閲 池田書店 「葉っぱ・花・樹皮でわかる樹木図鑑

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