ヒマラヤザクラは、ヒマラヤ近辺が原産のサクラで、バラ科の落葉高木です。二酸化炭素や二酸化窒素などの吸収に優れる特徴があり、10~2月ごろの寒い時期にピンクの5弁の花を咲かせます。1968年にネパールの皇太子から種子が贈られ、栽培されるようになりました。
冬に咲くヒマラヤザクラ(喜馬拉桜)
ヒマラヤザクラの花
こちらは1月12日に、大阪公立大学附属植物園で撮影させていただいた、ヒマラヤザクラ(喜馬拉桜)です。
この寒い時期に、元気に葉が出て、きれいな花を咲かせています。
秋から冬に咲く桜としては、フユザクラやジュウガツザクラなどが知られていますが、
ヒマラヤザクラは、1968年にネパールの皇太子から寄贈された種子を、
熱海市の市営農場で播種して育て、全国に広がったとされます。
名前のように、ヒマラヤ近辺の標高1500~2500mの高地が原産地であり、
高温多湿な日本での栽培は難しさがあるとされます。
あまり見かけないのは、このためかもしれません。
花は、10月ごろから咲き出し、2月ごろまで咲きます。
花の直径は3cmほど、薄いピンクの5弁の花で、
中心部から伸びた蕊(シベ)が目立つきれいな花です。
枝の先に、複数の花が集まって咲いていますが、
花と同じ時期に葉も出てくるのも特徴です。
花が少ない時期なので、野鳥たちも蜜を吸いに集まるようです。
寒い時期に咲く花は、それだけでも楽しませてくれます。
花のいろは、環境条件なや個体差によって違いがあり、
つぎの写真ように、濃いピンクのものもあるようです。
こちらは、素材サイトから借用したものですが、
全体に濃い目のピンクで、先の写真とは少し違った印象です。
花の後には、直径1cm前後の実が生り、
3~5月ごろに紫黒に熟して、食べることもできるようです。
ヒマラヤザクラの葉、幹
葉は、光沢があって表面に毛は見られません。
大きさは長さ8~12cm 幅3~4.5cmほどで、楕円状で先が尖り、
縁に鋸歯が見られます。
落葉樹なのですが、1月にはこのようにたくさんの葉をつけており、
常緑樹と間違いそうに元気です。
葉や実は、染料として使われ、緑の色として使われるとのことです。
もう一つの特徴として、二酸化炭素や窒素酸化物の吸収率が高く、
ソメイヨシノの5倍とされ、温暖化対応としても注目されています。
こちらは、幹です。
こちらは直径10cmほどですが、表面に凹凸があり、ゴツゴツした感じです。
また、材は緻密でかたくて芳香があり、建材やアクセサリーの材料などに利用されます。
ヒマラヤ原産のヒマラヤザクラ、高地が原産なだけに寒さに強く、真冬に花も葉も出して元気そのもののようです。
ヒマラヤザクラの基本情報・花言葉
ヒマラヤザクラ(喜馬拉桜)は、ヒマラヤ近辺の高山地帯やミャンマーが原産のバラ科サクラ属の落葉高木で、
原産地では、1200~2500mの高地に自生しています。
名前は、1968年にネパール王室のビレンドラ皇太子から熱海に種子が送られたことから、
ヒマラヤ産の桜として名づけられました。
学名は、Prunus cerasoides
Prunusはスモモのことで、cerasoidesはラテン語で「サクラに似た」を意味します。
英名は、Wild Himalayan Cherry
花期は10~2月で、枝先に白~ピンクで直径3cmほどの5弁の花を咲かせます。
花の中心から蕊が長く伸びるのが特徴。
花の後には、直径1~1.5cmほどの実をつけ、
翌年の3~5月ごろにサクランボとして紫黒に熟し、
食べることができます。
葉は光沢があり無毛で枝に互生し、長さ8~12cm 幅3~4.5cmほど、楕円状で先が尖り、
縁に鋸歯が見られます。
樹高は3~30m、樹皮はゴツゴツとして凹凸が目立ちます。
二酸化炭素や窒素酸化物の吸収率がソメイヨシノの5倍とされ、
温暖化対策として注目されています。
また、葉や実は緑の染料になり、
材は緻密で丈夫で芳香があり、建材やアクセサリーなどの材料にされます。
なお、日本の気候にはなじみにくいため栽培はむつかしいとされます。
花言葉は、「心の美」。
参照サイト
Wikipedia ヒマラヤザクラ
EVERGREEN ヒマラヤザクラ
四季の山野草 ヒマラヤザクラ
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