アマチャは、葉を乾燥して発酵させることによって飲物の「甘茶」がつくられ、4月8日の「花まつり」などで使われます。ヤマアジサイの変種で、5~6月にガクアジサイによくにた花を咲かせます。主に、本州以南で園芸品種として栽培されています。
ガクアジサイのようなアマチャ(甘茶)の花
アマチャの花
こちらは、6月中旬に撮ったアマチャ(甘茶)の花です。
写真のように、ガクアジサイ(額紫陽花)とよくにた花ですが、ヤマアジサイの変種と言われ、本州以南で栽培されています。
この甘茶は、以前通信販売で購入し、畑の隅に植えたものです。
花は、中央部に小さくたくさんついた両性花’(本来の花)と、その周辺につく装飾花で構成されています。
装飾花は、3~4枚で1組になって、2~7組ほどついています。
最初は白ですが、その後、赤紫に変化しているのが見られます。
関東や中部地方の一部で自生種がみられるとも言われますが、はっきりしないようです。
アマチャの名前は、葉を乾燥させて発酵させ、さらに乾燥したものを煮だすと甘い味がすることに由来します。
以下少し、余談になります。
「甘茶」はご存じのように、お釈迦様の誕生日の4月8日に行われる「花まつり」で使われます。
子供のころにお寺で、甘茶を入れた器の中に置かれたお釈迦様の像に、甘茶をかけてお参りし、
その後で飲ませてもらったことを思い出しますが、この甘茶は、アマチャの葉から作られます。
「花まつり」にお釈迦様の像にアマチャをかけるのは、お釈迦様が生まれたとき、
九頭の竜が芳しい甘露を吐いて産湯を満たしたという言う伝えがもとになっているとのことです。
ただし、甘茶が使われ出したのは、江戸時代からで、それまでは五色水と呼ばれる香水が使われていたと考えられているようです。
こちらは、中心部に咲く両性花です。
花は花軸が分岐して花をつける散房花序で、たくさんのツボミや花をつけています。
赤く丸いものがツボミで、所々から伸びて先端が膨らんだ薄紫いろのものが雄しべのようですね。
この樹は1.5mほどで、枝別れしてたくさんの葉がつき、花が咲いています。
花には、装飾花の数が多いものや少ないものなど不揃いで、普通のガクアジサイより見栄えは良くないようです。
一部の葉には、赤褐色のいろの部分が見られますが、これはアマチャの特徴のようです。
アマチャの葉と茎
アマチャの茎は写真のように、まっすぐ上にのび、葉は赤みを帯びた葉柄を介して対生して茎についています。
葉の大きさは、長さ10cm 幅5cm程の楕円形状で先が尖っていますが、表面に光沢がなく、縁に粗い鋸歯がみられます。
どのうにしてこの植物から「甘茶」がつくられるようになったのか、興味深いですね。
アマチャの基本情報
アマチャ(甘茶)は、ヤマアジサイの変種で、葉から甘みがとれるアジサイ科アジサイ属の落葉低木広葉樹です。
自生種は少なく、本州、四国、九州で栽培されているとされます。特に、長野県、富山県、岩手県で多く栽培されているとのことです。
名前は、葉を乾燥させて発酵させ、さらに乾燥したものを煮だすと甘い味がすることに由来します。
別名は、コアマチャ、ヒメアマチャ。
学名は、Hydrangea macrophylla var. thunbergii
英名は、Sweet Hydrangea
花期は5~6月で、花の構造はガクアジサイと同じで、中心部に咲く両性花と、周辺に咲く装飾花(萼片)からなります。
両性花は花軸が分岐して花をつける散房花序で、たくさんの小さな花がつきます。
装飾花は、3~4枚つき、最初の淡い紫から、紅色の変化します。
葉は、赤みを帯びた葉柄がついて対生し、長さ10cm 幅5cm程の楕円形状で先が尖ります。また、表面に光沢がなく、縁に粗い鋸歯が付きます。
樹高は、0.7~2m。
葉を乾燥させて発酵させ、さらに乾燥させると、フイロズルチンとイソフイロズルチンと呼ばれる成分によって甘みが出ます。
この乾燥させた葉を煎じるたものが飲料の甘茶になり、釈迦の誕生日の4月8日に行われる「花まつり」(灌仏会)で使われます。
アマチャは、抗アレルギー作用、歯周病改善、口臭予防によいとされていますが、濃度の濃いものを飲むと中毒を起こすと言われ、注意が必要のようです。
アマチャの花言葉・誕生花
アマチャの花言葉は、「祝杯」「至福」で、4月8日の誕生花です。
お釈迦様の誕生をお祝いする「花まつり」に由来しているようです。
参照サイト
庭木図鑑 庭木ペディア アマチャ
Green Snap アマチャ
yomeishu アマチャ
自然毒のリスクプロファイル アマチャ
弥生おばさんのガーデニングノート「花と緑の365日」 アマチャ