マルミノヤマゴボウ(丸実の山牛蒡)は、茎から上に向かって伸びた総状花序になって赤い花をたくさん咲かせ、黒い実をつけます。名前は、丸い実をつけることに由来します。中国、台湾や日本の関東以西に分布するヤマゴボウ科ヤマゴボウ属の多年草で、有毒植物です。
マルミノヤマゴボウ(丸実の山牛蒡)の赤い花と黒い実
マルミノヤマゴボウの赤い花
マルミノヤマゴボウの赤い花が咲き、実をつけています。
直径3cmくらいの棒のような、総状花序になって、たくさんの赤い花をつけています。
個々の花は8mmくらいで、5枚の花びらがついているように見えますが、花びらではなく萼なのだそうです。
咲きはじめは淡紅色のようですが、その後、写真のように真赤になります。
バッタが好むのでしょうか、動かずにとまっていました。
花の隙間から見える、花柄も赤くなっているので、全体が真赤に見えます。
近くではヨウシュヤマゴボウも、よく見かけるのですが、花が真赤で直立していたので、おかしいなと思って調べると、マルミヤマゴボウでした。
ヨウシャヤマゴボウはアメリカ原産の帰化植物ですが、マルミヤマゴボウは中国、朝鮮半島や日本に分布しており、出身は少し違うようです。
つぼみの頃は、白いので、ヨウシュヤマゴボウと思っていたのですが、花が咲き始めて赤くなったので、気がついたということのようです。
ヨウシュヤマゴボウについては、昨年記事にしていますが、花や実が垂れ下がり、白い花になる点が違います。(゜▽゜;)
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マルミノヤマゴボウの黒い実
こちらの写真は、マルミノヤマゴボウが花から実をつけ始めたところです。
花は赤いのですが、花序を支えている柄や茎も少し赤みを帯びているように見えます。
写真を見ると、たくさん咲いた花の上の方から緑色の実をつけているようですが、
大きさは8mmほどで、くっつきあってついています。
最初は、このように緑いろの実ですが、時間がたつと黒く変わります。
乾燥したからでしょうか、シワだらけになっているものもありますが、黒い実に変化しています。
実と実の間隔があいているのは、実が小さくなったのでしょうか。
この実はご覧のように、分果せず、まるくなっているためマルミヤマゴボウと名づけられたようです。
ヤマゴボウは、実が8個に分かれるとのことです。(^⊆^)
つぎの写真は、マルミノヤマゴボウに実が着いている様子ですが、こちらの花序では、上の方に花が咲き、下に実が着いています。
葉と茎
マルミノヤマゴボウの全体の姿です。
草丈は1mくらいで、太い茎がのび、いくつもの枝がでて、その先に花序をつけています。
葉は葉柄が1~3cmで互生し、長さ15〜30cm 幅5〜10cmの長楕円形で先がとがっていて、全縁、無毛です。
マルミノヤマゴボウの基本情報
マルミノヤマゴボウ(丸実の山牛蒡)は、中国、台湾や日本の関東以西に分布するヤマゴボウ科ヤマゴボウ属の多年草です。
名前は、実が分果するヤマゴボウに対して、分果せず丸い実になることに由来します。
学名は、Phytolacca japonica
花期は6~9月で、茎から伸びた棒状の総状花序で、直径8mmほどの赤い花をたくさん咲かせます。
花びらに見える、萼片が5枚つき、最初は淡紅色ですが、時間がたつと花柄とともに赤くなります。
花序は直立し、ヨウシャヤマゴボウのように垂れ下がることはありません。
実は8mmほどの球形で、熟すと黒くなります。また、実が8個に分かれるヤマゴボウとは違い、分果することはありません。
葉は互生し、長さ15〜30cm 幅5〜10cmの長楕円形~卵状長楕円形で先がとがり、全縁で無毛です。
茎は太く、緑色で、果期には赤味を帯びます。
マルミノヤマゴボウの毒性の有無は、不明ですが、ヨウシュヤマゴボウと同じように鹿に食べられずに生育していることから、
有毒成分を保有しているのではないかと想像されます。
マルミノヤマゴボウの花言葉は不明です。
参照サイト
三河の植物観察 マルミノヤマゴボウ
松江の花図鑑 マルミノヤマゴボウ
EVERGREEN マルミノヤマゴボウ
Tam's 素人植物図鑑 ヤマゴボウ
Wikipedia ヤマゴボウ属
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