オケラは、中国、朝鮮半島や日本の本州、四国、九州に自生するキク科の多年草で、雌雄異株です。茎の先端に、アザミににた白やピンクの花をさかせ、花を包むカゴのような苞葉が特徴で、山菜、薬草や、「おけら火」の行事などに利用されてきました。
山菜になり、厄除けに利用されるオケラ(朮)
オケラの花
オケラ(朮)は、9~10月ごろに茎の先に、
筒状花だけの頭状花を咲かせる雌雄異株のキク科の多年草です。
直径1.5~2cmの大きさで、アザミににており、いろは白または薄いピンクで、
写真のように、羽状になった魚の骨のような針状の苞葉が、
頭状花の総苞をつつんでいるのが特徴です。
こちらは雌株のようで、
いくつもの花が咲いて花びらが反り返り、
雌しべと思われるシベが長く飛び出しています。
10月初めに撮ったものですが、
咲き終わって茶褐色になったものもあり、
このように、まだツボミのものも見られます。
つぎの写真は12月初旬のものですが、
花も葉も褐色になって、形を保ってドライ化しています。
ドライフラワーとして楽しまれることもあるようです。
オケラ(朮)は、若葉を山菜として食べることができ、
乾燥した根茎は薬用としても利用されますが、
京都八坂神社において、大晦日から新年行われる「おけらまいり」にも使われることで知られています。
これは、乾燥した根茎を焼くと強い匂いがすることから、
厄除けの効果かあるとされ、このオケラを燃やし、
その火を竹で作った縄に移して火を家に持ち帰り、
お雑煮などを煮るのに使う行事です。
花言葉は、「金欠病」「親しみやすい」で、9月24日の誕生花です。
昆虫のケラが万歳をしているように見えることから、
一文無しで「お手上げ」の状態をオケラと言うため「金欠病」、
「親しみやすい」は、花が独特の形をしており、万葉集に詠まれ、
山菜としても利用されるなど、人々に親しまれてきたことに由来すると言われます。
オケラの葉、茎
写真のように、葉には葉柄があり、茎に互生しますが、
先端に咲く花の近くでは、花を囲んで輪生するようについています。
また、葉の縁には、先が尖った鋸歯がたくさん見られ、
茎は細くて硬く、草丈は30~100cmほどになります。
万葉の時代から利用され、親しまれてきたオケラ、いろいろ楽しめる奥深い植物だと思います。
オケラの基本情報・花言葉
オケラ(朮)は、中国、朝鮮半島や日本の本州以南、九州、四国に自生するキク科オケラ属の多年草で、雌雄異株です。
名前は、古代の呼び名ウケラが変化したとする説があります。
学名は、Atractylodes lancea
Atractylodeは、ギリシャ語の「atrakton(紡錘)」が語源で、花が紡錘形であることに由来し、
lanceaは、ラテン語で「ヤリを投げる」の意味があります。
花期は9~10月で、茎の先端に直径1.5~2cmの白またはピンクで、アザミににた筒状花だけの頭状花をつけます。
花は、雄しべと雌しべをつける両性株と、雌しべだけが機能する雌株があります。
また、羽状になった針状の苞葉が、頭状花の総苞をつつむのが特徴です。
実は暗褐色な痩果で、果皮に長い伏毛が上向きに密生し、
痩果よりも長い冠毛がたくさんつきます。
葉は互生し、長い葉柄があって3~5裂し、
縁にトゲ状の鋸歯がつきます。
茎は細くて硬く直立し、草丈は0.3~1mになります。
春の若芽は山菜にされ、秋の根茎は利尿・健胃・整腸剤の効果があるとして薬用にされます。
乾燥した根茎などを刻んで焚くと厄除けになるといわれ、
京都八坂神社では除夜から正月にオケラの根茎を焚き、
その火を火縄で持ち帰って雑煮を煮て新年を迎える
「おけら火」の行事があります。
花言葉は、「金欠病」「親しみやすい」で、9月24日の誕生花です。
昆虫のケラが万歳をしているように見えるため、
一文無しで「お手上げ」の状態をオケラと言うことから「金欠病」、
「親しみやすい」は、花が独特の形で、万葉集に詠まれ、
山菜としても利用されてきたことなど、親しまれてきたことに由来するのではないかと言われます。
参照サイト・書籍
三河の植物観察 オケラ
熊本大学薬学部 植物データベース オケラ
弥生おばさんのガーデニングノート 「花と緑の263日」 オケラ
花の名前・木の名前・名前の由来 オケラ
高村忠彦監修 日本文芸社 「季節の野草・山草図鑑」