紫の花がきれいなツリガネニンジン、ソバナとの違い

2023年9月20日

ツリガネニンジン

ツリガネニンジン(釣鐘人参)は、夏から秋にキキョウやホタルブクロににた、釣鐘状できれいな紫いろの花をうつむきに咲かせるキキョウ科の多年草です。日本全土に自生し、よく群生します。ここでは、近縁種のソバナ(岨菜、蕎麦菜、杣菜)との違いについても見てみました。

ツリガネニンジン(釣鐘人参)、ソバナ(岨菜、蕎麦菜、杣菜)との違い

ツリガネニンジンの花

ツリガネニンジンの花

うつむいて咲くツリガネニンジンの花

9月に見た、ツリガネニンジン(釣鐘人参)の花です。

キキョウ科の多年草で、キキョウによくにた花を咲かせますが、

茎から伸びた複数の枝の先に、ホタルブクロによりよくにた形で、薄紫の花をした向きにつけています。

花びらの長さは、ホタルブクロ(長さ4~5cm)に較べて、1.~1.5cmと小さく、

花冠の先に柱頭が出ている、などの点が違います。

名前は、釣鐘状の花が咲き、根がチョウセンニンジンににていることに由来し、

日本全土の山野、林縁や河川堤防などに自生しています。

春の若い芽は、山菜として食べることができ、根や茎には咳止めなど薬効があると言われます。

別名は、トトキ、アマナ、ツリガネソウ、チョウセンバナ、ムケカシ(アイヌ語)などがあります。

ツリガネニンジンの花

多段につくツリガネニンジンの花

花は、写真のように茎の途中についた複数の枝の先に咲きますが、

この複数の枝は、茎に多段についており、たくさんの花を咲かせています。

花は8月ごろから咲いているので、咲き終わった花びらは茶色く変化したり、

実をつけているものも見られます。

花びらの先は5裂し、花びらから飛び出した花柱の先は3つに分かれています。

花言葉は、「優しい愛情」「詩的な愛」「誠実」で、10月4日の誕生花です

よくにた花に、同じキキョウ科のソバナがあります。

よくにたソバナの花

よくにたソバナの花

こちらが、ソバナの花です。

ツリガネニンジンにそっくりですが、微妙に違っています。

花びらの先が広がっていること、柱頭が花びらより短く飛び出していないこと

などがツリガネニンジンとの違いになります。

うっかりすると、間違いそうですね。

ソバナは、岨菜、蕎麦菜、杣菜などといろんな形式で書かれますが、

そのいわれなどについては、Wikipediaや、関東森林管理局 ソバナ などをご覧ください。

花が終わった後には、実をつけます。

ツリガネニンジンの実

ツリガネニンジンの実

花と花の間に、子房が膨らみ、先が茶色くなった花びらと、

細長い萼片をつけた緑の実がついています。

この実は蒴果(サクカ)で、熟すと茶色くなり中からたくさんの種が放出されます。

群生するツリガネニンジン

群生するツリガネニンジン

こちらでは、他の植物の中で、ツリガネニンジンが元気よく群生していました。

小さな花ですが、たくさんの花をつけ健気にさいています。

ツリガネニンジンの茎・葉

ツリガネニンジンの茎と葉

ツリガネニンジンの茎と葉

ツリガネニンジンの茎は枝分かれすることなく、まっすぐ上にのび、

草丈は0.4~1mほどになります。

葉は根生葉と茎につく葉があります。

根生葉は円心形ですが、花期には枯れてなくなり、

茎につく葉は長さ4~8cmで、写真のように縁に鋸歯があり、先が尖った卵形や楕円形で3~4枚が輪生します

ただ、輪生せず、対生や互生するものもあると言われます。

野原のたくさんの野草に混じって、たくさんの薄紫の花を咲かせるツリガネニンジン、健気ですが逞しくみえました。

ツリガネニンジンの基本情報・花言葉

ツリガネニンジン(釣鐘人参)は、樺太、千島列島や日本全土に分布するキキョウ科ツリガネニンジン属の多年草です。

排水がよく、日当たりのいい場所を好み、草原などで群生します。

名前は、釣鐘のような花をさかせ、根がチョウセンニンジンのような形であることに由来します。

別名は、トトキ、アマナ、ツリガネソウ、チョウセンバナ、ムケカシ(アイヌ語)などがあります。

学名は、Adenophora triphylla var. japonica

英名は、Ladybells、Garland flower

花期は8~10月ごろで、枝分かれした茎の先に、

円錐状の花序になって薄紫の鐘状の花をしたを向いて咲かせます。

花の直径は1cmほど、花弁は1.5~2cmの鐘形で、先端は5つに分かれ少し反り返ります。

また、柱頭が長く花冠から飛び出る特徴があります。

実は蒴果(サクカ)で、広楕円形になって下向きにつき、先端に細い萼片が残ってつきます。

円心状の根生葉が出ますが、花期には枯れてなくなり、

茎葉の長さ4~8cmで縁に鋸歯があり、先が尖った卵形や楕円形で3~4枚が輪生しますが、対生、互生するものもあります。

茎には毛が有り、ほとんど分岐せず真っすぐに伸び、草丈は0.4~1mになります。

若芽は山菜として食べることができ、根や茎には薬効があり、咳止めなどに利用されます。

同じキキョウ科ツリガネニンジン属に、よくにたソバナがありますが、

ソバナ(岨菜、蕎麦菜、杣菜)は花の先が広がり、柱頭が花冠から飛び出ない点が異なります。

花言葉は、「優しい愛情」「詩的な愛」「誠実」で、10月4日の誕生花です

参照サイト・書籍

Wikipedia ツリガネニンジン ソバナ

松江の花図鑑 ツリガネニンジン

日本薬学会 ツリガネニンジン

野の花散歩 ツリガネニンジンとソバナ

関東森林管理局 ソバナ

Flowet Library ツリガネニンジン

高村忠彦監修 日本文芸社 「季節の野草・山草図鑑

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