夏に白い花がさき、秋に黄褐色の実をつけるヘクソカズラ(サオトメバナ)

2022年10月28日

ヘクソカズラ

ヘクソカズラ(屁糞葛)は、夏に白い花を咲かせ秋に茶褐色の実をつける、日本全土で見られるアカネ科のツル性多年草す。名前は、葉や茎などをつぶすと悪臭がすることにちなみますが、花の形からサオトメバナ(早乙女花)やヤイトバナ(灸花)の別名があります。

夏に白い花がさき、秋に黄褐色の実をつけるヘクソカズラ(サオトメバナ)

ヘクソカズラ(屁糞葛)の花

ヘクソカズラの花

ヘクソカズラのツルと花(8月29日)

こちらは、夏に撮ったヘクソカズラ(屁糞葛)の花です。

可愛い花なのですが、気の毒な事に、葉や茎、実などをつぶすと、悪臭がするとしてこの名前がつけられています

強烈な名前なので、一度聞くと忘れない名前だと思います。

ただ、花の形にちなんで、サオトメバナ(早乙女花)やヤイトバナ(灸花)の別名がつけられています。

地方によっては、サオトメカズラ(早乙女葛)と呼ぶところもあるそうですが、

花のかたちが、田植えをする娘さん(早乙女)がかぶる笠を連想させるとしてサオトメバナ、

ヤイトはキュウ(灸)を意味することから、花を伏せた形がモグサを丸めた灸の形ににているとしてヤイトバナ。

近くで見るヘクソカズラの花

近くで見るヘクソカズラの花(8月30日)

花は7~9月ごろに、葉の付け根から花序をだして、花びらが白く、内側が紅い漏斗状の可愛い花を咲かせます。

花びらの先は浅く5裂しますが、花の色や形には個体差があり、花びらが広がったり、後方へ反り返るものがあるようです。

花言葉は、「人嫌い」「誤解を解きたい」「意外性のある」で、9月9日の誕生花です

「人嫌い」は、悪臭を放ち、人を寄せ付かせないとして、

「誤解を解きたい」「意外性のある」は、悪臭がする一方で、かわいい花を咲かせることに由来するようです。

葉をちぎると臭(クサ)いとして、クサギ(臭木)と名づけられた樹もあります。

こちらも、黒くちょっと面白い実をつけますが、匂いの方を優先して名づけられたようです。詳しくは、つぎの記事をお読みください。

クサギの花
葉をちぎると嫌な臭いのクサギ、白い花はいい香りで、黒いの実をつけます

クサギ(臭木)は、8~9月に白い花をさかせ、甘酸っぱいいい香りがしますが、葉や枝をちぎりると嫌なにおいがするので、クサギと不名誉な名前がつけられました。若葉は食べることができ、秋に黒く熟す黒い実は草木 ...

ヘクソカズラは、街中でも良くみかけ、前の写真のように、

ツルが左巻にしっかり巻き付いて良く伸ます、花や樹などに巻きつかれるとやっかいですね。

ヘクソカズラのツル

ヘクソカズラのツルとツボミ

こちらは、長くのびたツルですが、細長い筒状のつぼみや花が花序になって茎につき、10cmほどの間隔でついています。

花は、根元から咲き始めるようで、

先端のほうはまだツボですが、根元に近くでは花がついています。

ヘクソカズラの黄褐色の実

ヘクソカズラの実

ヘクソカズラの黄褐色の実(10月21日)

花が終わると緑の実をつけますが、10月半ばを過ぎて茶色くなってきました。

実は直径5~6mmほどで、つぶすといやな匂いをだします。

この匂いは、この植物を昆虫などの食害から防ぐ役割をはたしているとの説があるそうですが、

ヘクソカズラを草食とする、ホシホウジャク(スズメガ科)と呼ばれる蛾の幼虫もいるそうです。

熟した実をつぶした液は、シモヤケやヒビワレに効くといわれます。

私も子供のころ、塗った覚えがあります。

最近は、このいろがきれいでたくさんつくので、

ドライ化してインテリアに使うこともあるようですね。(^_^)

ヘクソカズラの葉と実

ヘクソカズラの葉と実の付き方(10月21日)

葉と実が茎についている様子を撮りました。

葉には葉柄があってツルに対生し、そのしたから花茎がでて先に実をつけています

葉で作った養分を、実に効率よく運ぶためでしょうか、葉と実が密接してついています。

ヘクソカズラの葉

ヘクソカズラの葉

ヘクソカズラの葉の形は、写真のように、ハート形を長く伸ばしたような形で、縁にギザギザはないようです。

このヘクソカズラは、左から松の上に登り、下に垂れさがって先のほうで花を咲かせています。

秋になってヘクソカズラの実が茶色くきれいになってきました、

もうすぐ葉も黄色く黄葉するのだろうと思います。

ヘクソカズラの基本情報・花言葉

ヘクソカズラ(屁糞葛)は、東アジアに分布し、日本全土に自生するアカネ科ヘクソカズラ属のツル性多年草です。

名前は、葉や茎などをつぶすと悪臭がするとしてつけられました。

別名は、サオトメバナ(早乙女花)、ヤイトバナ(灸花)。

サオトメバナ(早乙女花)は、花が田植えをする娘(早乙女)がかぶる笠ににているとしてつけられ、

ヤイトバナ(灸花)は、花を伏せて置いた姿が、ヤイトとも呼ばれるキュウ(灸)の形に見えることに由来します。

学名は、Paederia scandens

英名は、Skunk vine

花期は7~9月ごろで、葉腋から集散花序をだして、花冠が白く、内側が紅い花を咲かせます

花の形は漏斗状で、花冠は浅く5裂します

花の色や形には個体差があり、花びらが広がったり、後方へ反り返るものがあります。

実は直径5~6mmほで、秋に黄褐色に熟しますが、つぶすと臭気をだします。

この臭気が、この植物を昆虫などの食害から防ぐ役割をはたしているといわれます。

葉はツル性の茎に葉柄を介して対生、形は細長いハート形で、全縁になります。

茎はツル性で、古くなると木質化し、他のものに左巻きで巻き付きます。

乾燥させて水分をがなくなった実は臭いが消え、内服薬としても使用され、腎臓病や脚気、下痢や黄疸などに効果があるとされます。

また、生の実をつぶしてシモヤケ、アカギレなどにも使われます。

最近では、実が黄いろくきれいなため、ドライフラワーとして使われることもあるようです。

花言葉は、「人嫌い」「誤解を解きたい」「意外性のある」で、9月9日の誕生花です

「人嫌い」は、悪臭を放って人を寄せ付かないとしてつけられたとされ、

「誤解を解きたい」「意外性のある」は、悪臭がする一方で、かわいい花を咲かせることに由来するようです。

参照サイト

Wikipedia ヘクソカズラ

野田市 ヘクソカズラ(屁糞葛)

庭木図鑑 樹木ペディア ヘクソカズラ

花言葉-由来 ヘクソカズラ



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