5月になり、ニセアカシアに、白い花が咲いています。花は蜜源として、材は強度を要する場所で使用されますが、繁殖力が強く侵略的外来種ワースト100に指定されています。ここでは、黄色い花が咲くギンヨウアカシアとの違いについても書きました。
白い花のニセアカシア、黄色い花のギンヨウ(ミモザ)アカシアとの違い
ニセアカシアの白い花
ニセアカシア(別名ハリエンジュ)の花が咲いていました。
ニセアカシアとはちょっと残念な名前ですが、
もともとのラテン語の名前が、アカシアににているという名前だったことから、ニセとつけられたようです。(Wikipediaより)
ご覧のように、枝の先に、総状花序でたくさんの白いツボミがついています。
花が開いたときの様子は、つぎの写真になります。
一つひとつの花は、マメ科植物特有の蝶形花で、きれいに咲いています。
この花の中に、たくさんの蜜がためられていて、ミツバチが集まってくるようです。
樹全体を見ると、たくさんの花が総状についていて、見栄えがします。そして、花が終わった後には、マメを収めた鞘がつきます。
ニセアカシアは、日本に1873年に渡来し、花がきれいなので街路樹や公園樹などに植えられてきましたが、
マメ科の樹木なので根粒菌を持つため、痩せ地に強く、工事後の土地固めなどに植えられてきました。
つぎの写真は、9月に、ニセアカシアがつけた実です。
ニセアカシアの葉と樹
ニセアカシアの葉は写真のように、楕円状の小葉が5~9対ついた、奇数羽状複葉で、葉の基にトゲがついています。
樹高25mほどになる高木です。
この樹の幹は直径40cmほどで、縦方向に筋が見られました。
ニセアカシアの材は、硬くて強いので、枕木や船材など、強度は必要なところや、木炭の材料などに使われてきたようです。
ところが、繁殖力が強いので、日本の侵略的外来種ワースト100にハリエンジュとして登録されています。
せっかくいい点があるのに、残念だと思います。
ニセアカシアとギンヨウ(ミモザ)アカシアの違い
アカシアと名の付く樹木に、ギンヨウアカシア(ミモザアカシア)があります。この写真は、道路沿いに植えられていたのを、撮らせてもらったものです。
ギンヨウアカシアは、マメ科ネムノキ亜科で、ミモザアカシアやハナアカシアとも呼ばれ、黄色く丸い花をたくさん咲かせます。
ギンヨウアカシアがヨーロッパに持ち込まれた時に、オジギソウ(ミモザ)ににているとして、ミモザアカシアとよばれるようになったとのことです。
したがって、日本でアカシアと呼ばれるのはニセアカシアのことで、ギンヨウ(ミモザ)アカシアは、マメ科で別の植物になります。
なお、ニセアカシアは、ハリエンジュ属ですが、エンジュ属のエンジュににているので混同されることがあるようです。
以上のように、ギンヨウアカシアは、同じアカシアの名前がついていますが、ニセアカシアとはまったく違う花を咲かせます。
ニセアカシアの基本情報・花言葉
ニセアカシア(別名ハリエンジュ)、北米原産のマメ科ハリエンジュ属の落葉高木です。
日本には1873年に渡来したと言われ、街路樹や公園に植えられてきたようです。
名前のニセアカシアは、Wikipediaによると
ラテン語名のpseudoacacia(「pseudo=よく似た acacia=アカシア」)を直訳したもの。
とのことです。
和名のハリエンジュ(針槐)は、エンジュの樹ににているが針があるためとされます。
学名は、Robinia pseudoacacia
英名は、Locust tree
花は天ぷら、新芽は和物などで食べられることがあるようですが、
花期は5~6月で、蜜源としてや、緑化資材としても利用されてきたとのことです。
また、材は硬く、耐久性が必要な場所で使われてきたようです。
葉、果実、樹皮には毒性があるので注意が必要です。
また、繁殖力が強いので、日本生態学会は、日本の侵略的外来種ワースト100に選定しています。
花言葉は、「友情」「親睦」「優雅」「死に勝る愛情」「頼られる人」で、5月11日の誕生花です。
「友情」、「親睦」は、蜜源になっていることから、「死に勝る愛情」は、葉や果実などに毒性があることから、
「頼られる人」は、材が耐久性に高い用途に利用されてきたため、つけられたようです。
参照サイト
Wikipedia ニセアカシア
庭木図鑑 樹木ペディア ニセアカシア
GreenSnap ニセアカシア