7月になり、オオルリソウに小さく青い花が咲いています。寒い時期から葉が生えているのを、よく見かけますが、有毒植物なので動物にも食べられずに育ち、ワスレナグサににた可愛い花を咲かせます。栃木県以西に自生するムラサキ科の一年草または越年草です。
オオルリソウ(大瑠璃草)は、小さく青い花を咲かせる有毒植物です
オオルリソウ(大瑠璃草)について
オオルリソウ(大瑠璃草)と言ってもあまりなじみのない花ですね。
いつも行っている山で、青い小さな花を毎年咲かせるので、私にはなじみのある花です。
ムラサキ科オオルリソウ属の一年草あるいは二年草です。
中国、朝鮮半島からベトナム、インドネシアなどの東アジアに分布し、
日本では栃木県以西を中心に自生し、高さは60~90cm程に成長します。
可憐な花ですが、毒を持ってたくましく生きぬいている植物のようです。
ただ、オオルリソウの仲間は、世界では200種類ありますが、日本では3種類だけ見られます。
すなわち、オオルリソウ意外に、オニルリソウ(鬼瑠璃草)、タイワンルリソウがあります。
オニルリソウは日本全土に、タイワンルリソウは九州、沖縄、台湾に分布すると言われます。
オオルリソウとオニルリソウは、よくにているので、識別がむつかしいと言われますが、この記事の植物は、
- 最頂部の花序枝が三つ又に分かれる
- 茎につく毛が少ない
という特徴が見られ、オオルリソウと判断しました。
オオルリソウの毒性
「シカと植物の戦い」と題した長崎大学薬学部の資料によると、
オオルリソウは、キノリチジンアルカロイドと呼ばれる有毒成分を持っているため、鹿に食べられないとのことです。
写真のオオルリソウも鹿がつねに闊歩している場所なので、毒を持っていたり、強烈なにおいがする、など鹿が敬遠する要因がなかったら、食べられているはずです。
鹿に食べられないということは、鹿がオオルリソウの競合植物を食べてもらっているため生育環境が整えられ、群落を形成するほど繁殖できたと考えられるのではないでしょうか。
というのも、近くに設置してある柵の中ではオオルリソウはあまり見られず、アザミ、ドクダミ、ヨモギ、などの多くの野草が繁殖していることからそう考えました。
オオルリソウの小さく青い花
7月になると、写真のように、オオルリソウの花が咲いています。
ここは、群落を形成しているので、一面に花が咲いていて、きれいです。
オオルリソウの茎の先は、写真のように3方向に分かれて、その先に花が咲いています。
オニルリソウは2方向に分かれるとされます。
また、茎を写したこの写真では、短い毛は見られますが、あまり目立たないようです。
オニルリソウには、茎に多くの毛がつくとされるので、この点からも、オオルリソウと考えられます。
オオルリソウは小さな青い花ですが、ワスレナグサによくにていて、きれいな花だと思います。
花言葉は、「真実の愛」で、2月24日、4月6日の誕生花です。
オオルリソウの葉
この写真は、5月に撮影したもので、葉を伸ばし始めたころのものです。
実は、このときは名前がわかりませんでした。最初はバイケイソウかと思ったのですが、調べてみると違うようなので、わからないままになっていました。
それが、花がさいたので解決しました。
オオルリソウの基本情報・花言葉
オオルリソウ(大瑠璃草)は、中国、朝鮮半島からベトナム、インドネシアなどの東アジアや、日本の栃木県以西に分布するムラサキ科オオルリソウ属の多年草です。
草丈が10~40cmのルリソウ(瑠璃草)にくらべて、60~90cmと大きいことからオオルリソウと名づけられたといわれます。
別名は、シノグロッサム。
学名は、Cynoglossum zeylanicum
花期は7~8月で、枝の先に長さ10~20cmの花序をつけ、直径4mmほどの白~淡青紫色の花を密につけます。
果実は長さ3~4㎜の卵形で、表面に0.5mmほどの剛毛があり、剛毛の先に短いトゲが丸くつきます。
このトゲによって獣や人の服などにくっついて運ばれます。(ひっつき虫)。
葉は互生し、長さ10~15㎝になりますが、11月下旬ころには根出葉がでて冬をすごします。
茎は高さ60~90㎝になり、長さ1㎜以下の伏毛がつきます。
近縁種に、オニルリソウがあります。違いは、オニルリソウは茎の毛が開出していますが、オオルリソウは、圧毛状態になっている点です。
花言葉は、「真実の愛」で、2月24日、4月6日の誕生花です。
参照サイト
三河の植物観察 オオルリソウ
跡見群芳譜 オオルリソウ
野の花賛花 オオルリソウ
花言葉 花の持つ言葉 シノグロッサム