長いツルに咲く松かさのようなホップの花

2025年9月27日

ホップ

ホップ(勿布、Humulus lupulus)は、コーカサス地方が原産のアサ科カラハナソウ属のツル性多年草で雌雄異株。雌花につく松かさのような毬花(マリハナ)に含まれるルプリンは、ビールの香味・苦味・保存性の効果があり、利用されます。

長いツルに咲く松かさのようなホップの花

ホップの花

ホップの花

ホップの花(大阪公立大学附属植物園)

訪問した大阪公立大学附属植物園の事務室の横で、

ふと見ると、ホップのグリーンカーテンが栽培されていました。

グリーンカーテンとして、いろんなつる性植物が使われているのを見かけますが、

ホップを見るのは初めてです。

ビールの味付けに使われることは知っていましたが、

このような利用も面白いなと思いました。

薬効があるといわれ、古代からハーブティーに利用されてきたといわれ、

ビールの製造に利用され出したのは14世紀ころからのようです。

松かさや、シデの実などににた特徴のある花が特徴で、

見ているだけでも楽しめそうです。

ホップは、英名で、ツルが跳ねるように伸びる様子から、

このように呼ばれるようになったといわれます。

コーカサス地方(黒海とカスピ海の間)が原産の、つる性多年草で雌雄異株です

和名は、あまり聞いたことがありませんが、

在来のカラハナソウ(唐花草)の近縁種であるため、

セイヨウカラハナソウ(西洋唐花草)と名付けられています。

ヨーロッパ東部からシベリア西部にかけて広く分布し、

明治10年(1877年)に北海道開拓使が外国から苗を導入したことが始まりのようです。

たくさん咲くホップの花

たくさん咲くホップの花

ホップは雌雄異株で、雌花は、毬花(キュウカ)と呼ばれる写真のような花になります。

長さ2〜5 cm   幅1〜2 cm ほどの、かわいい黄緑の花で、

苞の内側に黄色い粒状の「ルプリン腺」があり、

これが香りと苦味などの源になります。

雄花は黄緑色の小花が穂状に咲きますが、ビールには使用されず、

日本では栽培されることもないようです。

女性の一人勝ち、かかあ天下のようです。

近くで見たホップの花

近くで見たホップの花

こちらは、素材サイトから借用したホップの花です。

近くでみるとより可愛くて綺麗だと思いますが、

こちらが、ビールの香りや苦みのもとを作っているということになります。

花言葉は「希望」「信じる心」「軽快」「不安の払拭」などで、誕生花は、8月26日や9月1日など。

ホップがビールの香りや保存性を高めることから、

気分を明るくする象徴とされことに由来するようです。

また、ツルが伸びる様子が未来への希望を表すためとも言われます。

ホップの葉や茎

ホップの葉と茎

ホップの葉と茎

花は茶色くになっていますが、

茎が上に勢いよくのびています。

長く伸び、12mほどになると言われます。

この茎は、中空で六角形の断面を持ち、

全体に細かいトゲ状の剛毛が生えています。

茎には、葉が対生し、葉の腋から長い花柄をだして、花が咲いています。

花と葉と茎

花と葉と茎

葉は卵形で幅4〜8cmほどですが、

写真のように先端が3裂したり、5裂して掌状になることも多いようです。

葉の縁には、小さな鋸歯も見られます。

日除け用に栽培されたホップ

グリーンカーテンとして育てられたホップ

こちらが、グリーンカーテン

茎が長く伸びて、大きな葉をたくさん付け、

ちょっと変わった花を咲かせるホップは、グリーカーテンとしても楽しめそうです。

古代エジプト時代からハーブティーとして利用されてきたといわれるホップ、

酷暑の夏に、この木陰で冷たいビールを涼むのも、ちょっといいかもしれません。

ホップの基本情報・花言葉

ホップ(勿布)は、ユーラシア大陸の温帯地域、特にコーカサス地方(黒海とカスピ海の間)を原産とするツル性多年草です。

ヨーロッパ東部からシベリア西部にかけて広く分布し、日本では北海道の一部に自生しています。

明治10年(1877年)に北海道開拓使が外国から苗を導入したことが、

日本での栽培の始まりとされます。

<名前>

漢字表記の「勿布」は、英名のホップの音に由来するようです。

和名は「セイヨウカラハナソウ(西洋唐花草)」で、

唐花草はツルと果穂の形状を模した植物のモチーフに由来。

学名は、Humulus lupulus

Humulusは、ラテン語の「humus」(大地、地面)が語源でし、

支柱がないと地面を這うように伸びる性質に由来します。

lupulusはラテン語で「小さなオオカミ」を意味し、

他の植物に巻き付いて成長する様子がオオカミのように見えることから名付けられました。

英名は、hop

ツルが跳ねるように伸びる様子に由来。

<花>

開花時期は8〜9月。

雌雄異株で、雌株にのみビール醸造に使われる「毬花(キュウカ)」が形成されます。

雌花は多数の小花が集まり、松かさ状の形態で、直径2cmほどの緑色の膜質の苞に包まれます。

苞の内側には黄色い粒状の「ルプリン腺」があり、これが香りと苦味などの源になります。

雄花は黄緑色の小花が20〜100輪ほど集まり、穂状に咲きますが、ビールには使用されません。

日本では雄株の開花を見る機会は少なく、栽培は雌株に限定されます。

<実>

ホップの「実」は厳密には果実ではなく、苞が変化したものです。

熟すと淡緑色からやや黄褐色に変化し、ルプリン腺が成熟して香りが強くなります。

この部分が収穫対象となり、乾燥・粉砕してビール原料に加工されます。

<葉・ツル>

ホップはツル性植物で、ツルは最大12mほど伸びます。

中空で六角形の断面を持ち、全体に細かいトゲ状の剛毛が生えています。

人為的な栽培では高さ5mほどの棚を設け、そこから垂らした糸にツルを絡ませて育てます。

葉は卵形で幅4〜8cmほど、3〜5裂する掌状の形態が多く見られます。

葉は対生し、縁には鋸歯があり、裏面には黄色い腺点が存在します。

<花言葉・誕生花>

花言葉は「希望」「信じる心」「軽快」「不安の払拭」などで、誕生花は、8月26日や9月1日など。

これはホップがビールの香りや保存性を高めることから、

気分を明るくする象徴とされるためです。

また、蔓が伸びる様子が未来への希望を表すとも解釈されます。

参照サイト

Wikipedia ホップ

季節の花 300  ホップ

庭木図鑑 樹木ペディア  ホップ

花言葉事典 ホップ

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