ヒョウタンは、北アフリカ原産のウリ科のツル性一年草で、縄文時代に渡来し、長く親しまれてきました。食用には適さず、特徴のある実の形を利用した酒器、花器などの容器や、緑のカーテンなどに利用されてきました。
見た目も楽しいヒョウタン(瓢箪)
ヒョウタンの実
散歩道沿いの石垣に、ヒョウタン(瓢箪)がぶら下がっていました。
ヒョウタンと言えば豊臣秀吉が頭に浮かびますが、
戦の時に掲げる馬印に、瓢箪を描いていており、
戦に勝つたびに数を増やし、千成瓢箪とよばれたそうです。
写真のヒョウタンは、上部が膨らんでおらず、
典型的なものとは少し違っていますが、
種類によって形は違ってくるようです。
このヒョウタン、日本の在来種ではなく、
縄文時代に北アフリカから伝わったものだそうです。
古代人が種を大事に運んできたのでしょうか。
ヒョウタンの名前について調べてみました。
「瓢」は、ウリ科のユウガオ(夕顔)やトウガン(冬瓜)のことで、
「箪」は、竹で編んだ目の細かいカゴを意味するので、
ヒョウタンが容器として用いられてきたためこのようにつけられたようです。
ツルのあちこちから伸びた果柄の先に、
ヒョウタンの口がついてぶら下がっています。
このヒョウタン、ウリ科の植物で食用にされるユウガオの変種なのですが、
果肉にクルルビタシンと呼ばれる有毒成分を含んでおり、食べられません。
その代わり、熟した実の果肉を取りのぞいて、
酒や七味などを入れる容器にしたり、花器などに利用されてきました。
半分に割って、ヒシャク(柄杓)の変わりにもしたそうで、
ヒョウタンの別名ヒサゴは、このことに由来すると言われます。
こちらは、画像サイトから借用したものですが、
本来の形をしたヒョウタンです。
この独特の形が、人を引き付けるわけですが、
ツル性で長く伸びるので、
緑のカーテンにして楽しむ方もおられるようです。
ヒョウタンの花
ヒョウタンの花は、7~9月ごろ咲きますが、
夕方4時ごろから白く開き、翌朝に萎んでしまいます。
花は葉の付け根から出た長い花茎の先に咲き、
花びらは6枚で、直径は5~6cmになります。
花言葉は、「幸福」「平和」「繁栄」「利得」「手に負えない重さ」などで、
蔓が勢いよく伸びてたくさんの実をつけることから、
縁起のいいものとしてつけられたようです。
また、「手に負えない重さ」は、
大きく重くなることを少し誇張して表現したもののようです。
ヒョウタンの蔓、葉
ヒョウタンのツルは、5mほどになるといわれ、
たくさんの葉を互生でつけます。
写真のようにハートのような形で、
先が3裂しています。
5つぐらいに割れるものもあるようですが、
縁にギザギザは見られません。
愛嬌のある形をしたヒョウタン、食べられないけどいろんな形で愛されてきたようで、人の遊び心がしのばれます。
ヒョウタンの基本情報・花言葉
ヒョウタン(瓢箪)は、北アフリカ原産のウリ科ユウガオ属でツル性の一年草で、
日本へは一万年前の縄文時代に渡来したとされます。
「瓢」は、ウリ科のユウガオ(夕顔)やトウガン(冬瓜)を意味し、
「箪」は、竹で編んだ目の細かいカゴのことで、
ヒョウタンが容器として用いられることに由来します。
別名は、ひさご、ふくべ。
「ひさご」は、ヒョウタンを半分に割って水をくんだことからヒシャク(柄杓)を意味します。
学名は、Lagenaria siceraria var. siceraria
「Lagenaria」は、ラテン語の「lagenos(フラスコ、瓶(びん))」を意味し、 果実の形に由来します。
「siceraria」は、「酩酊する」の意味です。
酒を貯蔵する容器として使われてきたための命名でしょうか。
英名は、Gourd、Bottle gourd。
「Gourd」はウリ科の実の総称になります。
花期は7~9月で、夕方に白い花をさかせ翌朝に萎みます。
花は葉の付け根から出た長い花茎の先に咲き、花びらは6枚で、直径は5~6cmになります。
葉はツルに互生し、ハート型に近い円形状で、多くは切り込みの入ります。
蔓からは巻きひげを伸ばし、木などに絡みながら育ち、5~6mほどになります。
ヒョウタンには、千成兵丹、百成ひょうたん、鶴首ひょうたん、
などいろんな種類がありますが、多くは有害で食用はなりません。
このため、昔から完熟した実は、酒器、花器、薬物などの容器、楽器などに加工されてきましたが、
特徴のある実の鑑賞や緑カーテンを目的に栽培されています。
花言葉は、「幸福」「平和」「繁栄」「利得」「手に負えない重さ」などで
7月30日、7月/31日、8月15日、9月3日の誕生花です。
参照サイト・書籍
Wikipedia ヒョウタン
庭木図鑑 樹木ペディア ヒョウタン
みんなの趣味の園芸 ヒョウタン
Masayanの「感情」が動いたその「瞬間」を綴るブログ ここが秀吉の馬印・千成びょうたん発祥の地!それは信長との秘密の合図
笹川平和財団 ヒョウタンと古代の海洋移住
花形文化通信 ひょうたんは人類とともに1万年 — 湯浅浩史
Chills Laboratory ヒョウタン
湯浅浩史 岩波新書 ヒョウタン文化誌