瓊花(琼花、ケイカ)は、3mほどの高さの樹に、ガクアジサイのような白い花をたくさん咲かせ、いい香りを漂わせます。中国蘇州揚州市が原産で、隋の皇帝に愛されたといわれ、4月末ごろから5月にかけて開花し、唐招提寺で特別公開されます。
ガクアジサイのような花が咲く瓊花(琼花 、ケイカ)
瓊花の白い花
鑑真ゆかりの唐招提寺で、瓊花(ケイカ)という花が公開されていると聞いて見てきました。
ガクアジサイとそっくりな形の白い花ですが、いい香りがし、3mほどの大きな樹にたくさんの花が咲いていました。
この樹は、鑑真和上の出身地の中国蘇州揚州市が原産の半常緑低木で、鑑真1200年忌を記念して1963年(昭和38年)に中国から贈られたものだそうです。
いまは、御影堂供華園(クゲエン)に10本植えられており、毎年この時期に特別公開されています。(2023年は、5月3日まで)
ケイカのケイの字は、古代中国語で見たことがない漢字で「瓊」と書かれますが、「非常に美しい」という意味を持つそうです。現代の中国語では「琼
」と書かれるそうです。
かつて、隋の皇帝である煬帝が好み、門外不出にされていたといわれ、名花とされます。
花の直径は10~20cmぐらいでしょうか、中心部にたくさん咲く両性花と、その周辺についた装飾花からなりますが、
瓊花(ケイカ)の装飾花は、花びらが5枚で、花の周囲に8個ついています。
こちらが、両性花です。
小さな花びらが5枚で、長く伸びた蕊とその先の黄色い葯が目立ちます。
つよくていい香りは、こちらから出ているのでしょうか、この花の大きな特徴です。
なお、唐招提寺では、瓊花の香りがするといわれる「天平香 瓊花」という線香を販売されています。
この香りに誘われて、アオスジアゲハもとんでくるようですが、残念ながら今回はみることができませんでした。
花は、枝の先に、写真のように咲いています。
たくさんの枝がでて、その先に花をつけるので、つぎの写真のように、樹全体に花が咲いています。
瓊花の樹は3ほどと大きく育った樹全体の枝の先に咲く、たくさんの大きな花は、見栄えがあって見事です。
瓊花の葉や樹
葉は、ご覧のように枝に対生していますが、枝の先にかたまってついているようです。
形は長楕円形で、縁に鋸歯が見られます。
樹の根元はこんな感じでした。
何本かの幹が株立ちしていますが、その先で枝分かれしており、
真っすぐ上に伸びるわけではなく、斜上して枝垂れるように育っているようです。
日本に仏教をつたえるために渡航を繰り返し、6度目に成功したときには失明していた鑑真和上ゆかりの花は、
大きな樹にたくさんの花を咲かせ、いい香りがするきれいな花です。
5月3日まで特別公開されているとのことなので、お近くの方は出かけられてはいかがでしょうか。
瓊花の基本情報・花言葉
瓊花(琼花 、ケイカ)は、中国江蘇州揚州市が原産のスイカズラ科ガマズミ属の半常緑低木。
「瓊」は中国の古語で、「非常に美しい」の意味を持ち、現代中国語では「琼花」と表記されます。
別名は、ハッセンカ(八仙花)。
学名は、 Viburnummacrocephalum f. keteleeri
英名は、 Qiong-hua, Baxian-hua
花期は4~5月で、ガクアジサイと同じように、両性花と装飾花からなる花を咲かせますが、
ガクアジサイとはちがって、花につよい芳香があることと、装飾花の花弁が5枚で、花数が8個と一定しています。(ガクアジサイの花弁は3~6枚で、花数は不定)
葉は対生し、長さ5~11cm 幅2~5cmほどの長楕円形で、縁に鋸歯がつきます。
樹高は3~4mで、2mほどのガクアジサイより大きくなります。
唐招提寺の瓊花は、鑑真和上1200年忌の1963年(昭和38年)に、揚州市大明寺に植えられていたものが、中国仏教協会から贈られたものと言われます。
花言葉は、「魅力的」。
参照サイト
GKZ 植物事典 ケイカ
奈良まちあるき風景紀行 【御影堂供華園(唐招提寺)】鑑真和上の故郷ゆかりの白く美しい「瓊花(けいか)」が咲き誇る空間
鏡清澄の部屋 瓊花(けいか)と咲いているその場所(1) 瓊花(けいか)と咲いているその場所(2)
Wikipedia 鑑真