奈良市内の公園で大きなヒマラヤスギを見かけました。名はスギですがマツの仲間で、葉は針のように細長く、松ぼっくりをつけます。ヒマラヤ山脈西部の原産で、明治初期に渡来しました。薄緑色の葉や樹形が綺麗で、日本各地の公共地などに植えられています。
松の仲間のヒマラヤスギの葉や松ぼっくり
ヒマラヤスギの樹
奈良市内の公園で、ヒマラヤスギの大きな樹を見かけました。
樹高は15mくらいはあるでしょうか、幹の太さは1m近くありそうです。
以前は、近くの住宅地に、並木のように何本も植えられていて、
秋になると大きな松ぼっくりがついているのをよく見たのですが、
住宅が再造成されるに伴って伐採されてしまいました。
せっかく大きく育っていた、樹が切られてしまうのは残念なことだと思います。
ヒマラヤスギは、ヒマラヤ西部からアフガニスタンが原産で、明治時代に渡来して、全国の公共の土地などに植えられたと言われます。
スギと名前がついていますが、マツ科の樹です。
ヒンズー教では聖なる樹木として崇拝され、ヒマラヤスギの森は古代インドの賢者が好んで住んだと言われます。
材は耐久性が高く、良質で緻密ため、原産地では、古くから建築材として利用されてきたようです。
幹の表面はこのようにゴツゴツとしており、灰褐色で、鱗片状に剥がれ落ちます。
樹皮もスギより、マツに近いように思います。
ヒマラヤスギの葉
ヒマラヤスギの枝は、低いところにもついていて、長く伸びています。
この枝は、長く伸びた枝で地面につきそうです。
枝の葉は、4cmくらいの長さの針状で先が尖り、枝の周りにらせん状についています。
一方、短い枝の葉は、つき方が違っています。
このように、葉は、束生と呼ばれる形でついていますが、葉の数は20~50個とたくさんつきます。
ヒマラヤスギの松ぼっくり
ヒマラヤスギは、雌雄同株、雌雄異花で、花期は10~11月です。
雄花と雌花を別々の短枝の先に直立してつけます。
花言葉は、「たくましさ」「あなたのために生きる」「あなたを待つ」「報われぬ恋」「尊敬」で、「2/15」「9/30」「11/13」の誕生花です。
花が終わった後、雌花には写真のように、長さ6~13cmの長卵形の松ぼっくり(球果)がつき、翌年の秋から晩秋に熟します。
松ぼっくりの種鱗(シュリン)と呼ばれる鱗状の部分は扇形で、幅は5cmほどになります。
種鱗の間につく種は、長さ1~1.5cmで、膜質の翼があり、完熟すると、種は種鱗と一緒に軸から外れて落下します。
松ぼっくりの先端の部分は、種鱗が残ってそのままの形で落下し、シダーローズと呼ばれます。
こちらは、以前拾ったシダーローズですが、左は松かさの上から見たもの、右は下から見たものです。
下から見たものは、バラのような形をしており、シダーローズの名前の由来のようです。
きれいな形をしているので、装飾に使われるようです。
ヒマラヤスギの松かさは、このような形で落下するので、普通の松かさのような形にはならないんですね。
ヒマラヤスギの基本情報・花言葉
ヒマラヤスギは、ヒマラヤ山脈西部からアフガニスタン原産の、マツ科ヒマラヤスギ属の常緑高木針葉樹です。
日本へは明治時代初期に渡来し、各地の公園などの公共地に植えられています。
ヒマラヤ原産で、葉がスギの葉ににているとして、ヒマラヤスギと名づけられましたが、マツの仲間です。
別名は、ヒマラヤ シーダー。
学名は、Cedrus deodara
英名は、Deodar Cedar, Himalayan Cedar
雌雄同株、雌雄異花で、花期は10~11月です。雄花と雌花を別々の短枝の先に直立してつけます。
雄花は細長い円柱形で、雄しべが螺旋状につきます。雌花は小さく淡緑色です。
実は、球果で長さ6~13cmの長卵形です。翌年の秋から晩秋に熟します。
松ぼっくりの、種鱗(シュリン)と呼ばれる鱗状の部分は扇形で、幅は5cmほどになります。
種は長さ1~1.5cmで、膜質の翼があります。完熟すると、種は種鱗と一緒に軸から外れて落下します。
葉は針状で、長い枝には螺旋(ラセン)状につき、短枝には20~50本づつ束生します。
樹皮は灰褐色で鱗片状にはがれます。
材は、耐久性が高く、良質で緻密なため、古くから建築材として利用されてきたと言われます。
近縁種に、同じマツ科ヒマラヤスギ属で、原産地が地中海東部沿岸のレバノンスギがあり、古代から利用されてきたようです。
また、ヒマラヤスギは、ヒンズー教では聖なる樹木として崇拝され、ヒマラヤスギの森は古代インドの賢者が好んで住んだと言われます。
花言葉は、「たくましさ」「あなたのために生きる」「あなたを待つ」「報われぬ恋」「尊敬」で、「2/15」、「9/30」、「11/13」の誕生花です。
参照サイト・書籍
Wikipedia ヒマラヤスギ
水と森の郷あきた ヒマラヤスギ
木にぬくもり・森のぬくもり ヒマラヤスギ
Chills Laboratory ヒマラヤスギ
高橋秀樹校閲 池田書店 「葉っぱ・花・樹皮でわかる樹木図鑑」