ガガイモは、8月ごろに淡紫いろの星のような形の花を咲かせ、秋に舟の形の実をつけます。名前は、葉がスッポン(ガガ)ににており、地下にイモがつくことに由来します。中国、朝鮮半島などの東アジア一帯や、日本全土に分布するキョウチクトウ科のツル性多年草です。
8月ごろに淡紫の花が咲き、秋に舟形の実をつけるガガイモ(蘿藦、鏡芋)
ガガイモの淡紫の花
近くの山で、ガガイモ(蘿藦、鏡芋)の花が咲いていました。
ガガイモは、古事記の神話にも出てくる植物で、古くから親しまれてきたようです。
葉がスッポン(ガガ)のようで、地下にイモをつけるのでガガイモと名づけられたといわれます。
直径が1cmくらいの、淡紫の小さな花なのであまり目立たないのですが、花序になってたくさん咲いています。
上の方には、これから咲くたくさんのツボミがついており、そのしたに花が咲いています。
近ずいてみるのと、遠くから見るのでは、少し違った印象になります。
グロテスクというんでしょうか、個性を持っていて、
花冠は5枚に分かれて星型に反り返っており、表面についた白い毛がめだっています。
また、中心から伸びた雌しべは、くねくねと曲がりながら伸びているのも目立ちます。
ガガイモは、このような花を咲かせますが、花言葉は、「清らかな祈り」「味わい深い」で、
見かけによらず、いい感じにつけられています。詳しくは、基本情報をご覧ください。
こちらは、別の場所で咲いていたガガイモの花ですが、
丸い花序が茎に、間隔をおいてついて咲いており、前の写真とは違った感じがします。
ガガイモのツルと葉
ガガイモは、ツルが2mくらい伸びますが、写真ではウツギでしょうか、他の樹などに巻きついて伸びます。
巻きひげはなく、ツルが右まきで巻きついています。
また、ツルには、間隔を置いて、2枚の葉が対になってつき、その間から花柄がでています。
このように、元気よく伸びて他の草木に巻きつくので、周辺の植物は迷惑でしょうね。 (゜▽゜;)
ガガイモの葉は、心臓形で、先端が伸びて尖っていていますが、光沢があり葉脈がよく目立っています。
すでに述べましたが、この葉の様子が、スッポン(ガガ)ににており、地下にイモがつくため、ガガイモの名前になったいわれます。
ガガイモの実
花が終わったあとにつく実は、袋果(タイカ)で長さ 8 ~10cm 幅2cmで披針形になります。
最初は、緑色をしていますが、秋に熟すと茶色に変色し、割れて写真のように白い毛が現れますが、毛には種がついていて、風散布されます。
この割れた殻は、舟のように見えるとされ、「羅藦船(かがみぶね)」と呼ばれて神話にも登場します。
すなわち、国造りをしていた大国主命(おおくにぬしのみこと)を助けるために、
小さい姿をした神様(少名毘古那、スクナビコナ)が、このガガイモの舟(「羅藦船(かがみぶね)」)に乗って沖合いから登場したとされます。
(LOVEGREEN ガガイモより)
神話ですが、ガガイモが太古から親しまれてきたことがわかります。(#^.^#)
ヘクソカズラ(屁糞葛)との違い
写真は、ガガイモと同じころに咲く、ヘクソカズラの花と葉です。
同じつる性なので、混同する場合があるようですが、花は全く違っています。
また、葉の形は少しにていますが、葉脈の見え方が違っており、間違うことはなさそうです。
ガガイモの基本情報・花言葉
ガガイモ(蘿藦、鏡芋)は、中国、朝鮮半島などの東アジア一帯や日本全土に分布する、キョウチクトウ科イケマ属のツル性多年草です。
名前は、葉がガガ(スッポン)ににており、地下にイモをつけるためとする説や、
割れた実の内側が鏡のように光るのでカガミイモ(鏡芋、輝美芋)の名がつき、訛まってガガイモとなったとする説、などがあります。
古名は、カガミまたはカガミグサ。別名は、ゴンガラ、ガンガラ、カガミグサなど。
学名は、Cynanchum rostellatum
花期は8月で、葉の脇から花柄を出して集散花序になって、1cmほどの淡紫色の花をたくさん咲かせます。
花冠は5枚に分かれて星型に反り返り、内側に毛が密生します。
実は、袋果で長さ 8 ~10cm、熟すと割れて船のような形になり、中から白い毛の生えた種が出てきます。
葉は対生し、長さ5〜10cm 幅3〜6cmのスッポンににた形で先が尖り、全縁です。
葉脈が目立ち、表面は濃い緑色で、葉や茎を切ると白い乳液が出てきます。
地下茎を伸ばし、その先に茎を出します。つるは右巻きで、2mくらい伸びますが、根の部分には毒をもっているといわれます。
乾燥させた種は蘿摩子(ラマシ)と呼ばれる生薬で、強精、止血に効果があり、また、葉は解毒、腫れ物に薬効があるとされます。
ガガイモの花言葉は、「清らかな祈り」「味わい深い」で、7月18日、8月26日の誕生花です。
「清らかな祈り」は、古事記において、大国主命と一緒に国造りをしたスクナビコナの神が、
ガガイモの実を割って作った天之蘿摩船(アマノカガミノフネ)に乗って現れたとされることに由来するようです。
参照サイト
松江の花図鑑 ガガイモ
Chills Laboratory ガガイモ
LOVEGREEN ガガイモ