ナンキンハゼの実は、白く美しいので装飾などに使われ、秋の紅葉もきれいなので街路樹などに植えられており、鳥も好んで食べます。中国原産のトウダイグサ科の落葉高木ですが、日本在来のハゼの樹の代わりにロウを採ったので、ナンキンハゼの名がつけられました。
ナンキンハゼ(南京櫨)の白い実を食べる鳥たち
ナンキンハゼ(南京櫨)と鳥
写真では、よくわからないのですが、キジバトかムクドリのようです。
しばらく食べたあと、実はまだ残っているのですが、
一斉に、飛んで行ってしまいました。 (>_<)
「続・樹の散歩道」によると、キジバト、ムクドリ、ヒヨドリ、スズメ、シジュウガラ、ハシボソカラス、ハシブトカラスなどがナンキンハゼを食べるとのことです。
見た様子からは、キジバトかムクドリだったようですが、よくわかりませんでした。
ナンキンハゼ(南京櫨)の実
実(ミ)は固い殻(果皮)で覆われていますが、
時間がたつと、殻が割れて中から白い種が現れます。種は3個入っており、120度の角度でピッタリとくっついています。
表面の白いものは、仮種皮と呼ばれ、ロウで覆われており、中に茶褐色の種が一つ入っています。
鳥は、この白いロウや中の実を食べるようです。
「続・樹の散歩道」によると、鳥によって、かみ砕いて食べるキジバト、飲み込むムクドリやヒヨドリ、ロウだけを齧るスズメなど、鳥によって食べ方が違うようです。
ナンキンハゼ(南京櫨)の殻
樹の下をみると、たくさんの殻が落ちていました。
こんなに殻が落ちるとは、知りませんでした。
この殻が落ちたあと、白い蝋状物質で覆われた実が現れるのでそれを食べるのでしょうか。
殻がこれだけ落ちているんですから、白い実もたくさんついていたんでしょうね。
鳥に食べられた(飲み込まれた)種は、表面の蝋状物質が消化吸収され、種子が排泄されることによって散布されるようです。
ただ、キジバトのようにかみ砕いて飲み込まれると、種として排出されないので、発芽することはないでしょうね。
11月に投稿したように、奈良市の春日山原始林では、外来種で有毒なナンキンハゼが鹿にも食べられずに繁殖するので、
対応に苦慮しているとのことですが、このような形で、種が散布されているんですね。
街路樹によっては、実が熟すころには、枝や実を落しているところもあるようです。
人の生活と環境の維持は、一筋縄にはいかないんだと、改めて思いました。ヽ(ー_ー )ノ
ナンキンハゼの基本情報・花言葉
ナンキンハゼは、中国・台湾原産のトウダイグサ科ナンキンハゼ属に落葉高木です。
かつて蝋を取っていたハゼノキの代わりに蝋をとるようになり、中国原産の樹であるため、
ナンキンハゼと名づけられたそうです。別名は、トウハゼ、カンテラギ。
学名は、Triadica sebifera
英名は、Chinese tallow tree
花期は5~6月で、雄花は総状花序で咲き、その葉腋に雌花が咲きます。
実は、三角形状の蒴果で、なかに白いロウ(仮種皮)で覆われた3個の種が収まっています。秋になると、蒴果が割れ、白い種が現れます。
葉は、三角状の広卵形で先端が尖っており、秋にきれいに紅葉します。
ナンキンハゼの花言葉は、「真心」「心が通じる」。
おわりに
葉が落ち、実が残ったナンキンハゼの樹に、鳥が集団できて、盛んに実を食べていました。
この鳥たちにとっては、美味しいようで、一心不乱でした。
奈良市の春日原始林では、外来種であるナンキンハゼの繁殖に困っているとのことですが、
環境を守るのか、紅葉を楽しむのか、原始林の維持か、など議論のあるところのようです。(・_・、
参照サイト
Wikipedia ナンキンハゼ
続・樹の散歩道 ロウで覆われたナンキンハゼ
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