10月になって、山の動物の貴重な食料になるブナ(橅、山毛欅)の実が落ち始めました。材が人の役に立たないとして、「木」で「無い」と書いてブナと名づけられた森の恵みです。秋に実ったブナの変化の様子と、春の新緑について書きました。
山の動物の貴重な食料、ブナ(橅、山毛欅)の実
ブナの実
近くの林道の側で育ったブナの樹です。今年はたくさんの実をつけています。
ブナはブナ科ブナ属の落葉高木で、北海道南部から九州に分布します。
樹木としての寿命は200~300年と長く、種子をつけるまでには40年ほどかかるとされます。
橅と書くのは、木として役に立たないとされたためといわれます。
また、この樹は木材として変形が激しいので建築材に向かないことや、重いので搬出が困難だったなどのため役に立たないと見なされ、この名がつけられたようです。
漢字で「山毛欅」とかかれるのは、葉に毛が生えた山の欅(ケヤキ)という意味とされます。
たしかにケヤキと良くにており、私も家の庭のブナを、最初は欅だと思っていました。(^ ^;)
ブナもケヤキも、製材した木材の状態で大きく変形する点でもにているようです。
私が住む近辺では、ブナはあまり見かけない(私が知らないだけかもしれません)のですが、以下の2か所でみることが出来ました。
- 少し標高が高い(標高850m位)林道の側で育ち、実をつける年齢になっている樹
- 我が家の庭に植えた樹(標高400m位)。実はまだつきません。
写真のブナの樹は、前者で、今年はたくさんの実をつけており、実を落とし始めました。
そろそろ、落ちるころかなと思って9月27日に見に行った時には、すこし早かったようで、まだ落ちる様子はありませんでした。
ブナの実(ドングリ)の皮は変わった形をしていて、チューリップパンツとたとえられることがありますが、写真のように、まだ閉じたままでした。
ただ、ご覧のようにたくさんの実をつけており、ことしは、豊作のようです。
ブナは、ご存じのように、よく実のなる年と不作の年があり、クマなどの人家への出没との関係が話題になったりします。
その後も気になって、10月2日にも行ってみました。
写真のように、皮(殻斗と呼ばれます)が開いて中の実が落ちているのが見られました。
ブナの実の殻斗は、ミズナラのドングリなとは違って実を覆うような形になっています。
この実は、皮の中に2個入っていて、そのままでも食べられます。 (⌒ー⌒)
もう少し遅かったら、皆落ちてしまっていたかもしれません。ブナの実の変化は案外早いようです。
まだ皮で覆われた実があるなかで、皮が4つに分裂して実を落下させたものも見られます。
この他にも、いろんな状態の実がありました。
皮が開いた状態ですが、実がまだ残っていました。
でも、すぐにもおちそうですね。ラッキーでした。
ブナの実と皮(殻斗)です。実は小さく、形もちょっと変わっていますが、2個入っています。
これが、森の動物の好物です。
東北地方では、戦前はブナ林が多かったようですが、戦後大規模に伐採されたようです。
樹木の成長には、長い年月を要することを考えると、安易に大量の伐採をすることは控えるべきだろうと思います。
人間は育てることは出来ても、簡単につくりだすことはできないんですから大切にしたいものです。 ヽ('ー`)ノ
ブナの新緑
ついでに、新緑の写真を見ていただきましょう。
このように芽が出始めた頃の葉は、全体に透き通るようで光っています。
この姿は、春のこの短い時期にだけ見られる貴重な姿で、きれいです。
自然の変化は目まぐるしく、油断すると見逃しますが、
気を付けているとこのようにきれいな姿をみせてくれます。 (^◎^)
参照サイト
Wikipedia ブナ
森と水の郷あきた 樹木シリーズ⑰ ブナ
自然保護協会 ドングリ検索表
森の言葉、ことばの森 ブナの実のこと
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