サワギクは日本全土に分布するキク科の多年草で日本固有種です。山地の湿った林縁や沢沿いに生育し、初夏から夏に細い黄色の頭花を多数つけ、茎は細く直立し群生します。葉は深裂し柔らかく、湿潤環境に適応した軽やかな姿が特徴です。
初夏の山影で黄色く咲くサワギク(沢菊)
サワギクの花
サワギクの花
林道沿いの湿っぽい木陰で、黄色い花が咲いていました。
周囲には杉やヒノキなどが生えていて、日が当たらない環境です。
茎の先端に、直径1cmほどの黄色い頭状花やツボミをいくつもをつけています。
花は、周囲を縁取る7~13個の舌状花(ゼツジョウカ)と、中央に密集する多数の筒状花(トウジョウカ)で構成されています。
サワギクは、日本固有種で、日本全土に分布するキク科サワギク属の多年草で、花期は5月中旬から9月です。
どこにでもあるような花なのですが、鹿にも食べられることなく、人が来ることもほとんどないところに咲いていて健気だと思います。
毒性があるのかと思って調べてみましたが、確認できませんでした。ハーブのような匂いがするとのことなので、このためなのでしょうか。
沢沿いなどの湿気の多い環境に生息することから、サワギク(沢菊)と名づけられたといわれますが、まさにそのような場所に生えています。
別名は、ボロギク(襤褸菊)で、花が終わったあとに綿毛がつき、それがぼろくず(襤褸)のように見えるとしてつけられました。
以前記事にした、ナルトサワギクや、ダンドボロギク、ベニバナボロギクは、いずれも外来種なのですが、サワギクとにているため、この植物の名前が使われたようです。
昔は、日本にはサワギクしかなかったはずなのですが、よくにた外来種がいろいろ渡来していることを感じます。
ただ、サワギクは、湿っぽい日陰が好みなのに対して、これらの外来種は、日当たりを好むようようです。
茎の先に複数で咲くサワギク
日本固有種なのですが、残念ながら、このはなの花言葉や誕生花は決められていないようです。
あまり馴染みのない花だからでしょうか。
花が終わると実をつけますが、実には純白色の冠毛(綿毛)がつきますが、花が残っている時期からこの白い冠毛が目立つようになります。
サワギクの葉、茎
サワギクの葉
サワギクの葉は、長さ4~15cm 幅2~7cmで、薄く、羽状に深く裂けます(深裂)。裂片(分かれた部分)は細めで3~6対あり、先端は鋭く尖っています。
特徴のある葉なので、見分ける手がかりになるかと思います。
サワギクの葉と茎
また、写真のように、茎に互生し、葉柄は1~5cm程で、裂片には目立った鋸歯が見られません。
木陰で育つサワギク
草丈は、30~100cm。
茎は円筒形で、中空になっており、柔らかく折れやすいのが特徴です。
初夏から夏にかけて、山間地の涼し気な木陰で黄色い花を咲かせるサワギク。清楚に生き続けているようです。
サワギクの基本情報
原産地、属性、特徴など
日本固有種(在来種)で、北海道から本州、四国、九州にかけて広く分布するキク目キク科サワギク属の多年草です。
従来はキオン属(Senecio)のサワギク節に分類されていましたが、1984年の分類見直し(Jeffrey & Chen)により、サワギク属(Nemosenecio)されました
山地の沢沿いや湖沼沿いなど、湿り気の多い林床や林縁に生育します。根生葉(根元の葉)はロゼット状を展開して冬を越します。
全体的に軟らかく、茎は中空(空洞)で折れやすいため、自立しきれずばったり倒れてしまうこともあります。
名前について
沢沿いなどの湿気の多い環境に生育することが「サワギク(沢菊)」という和名の由来です。
別名は、ボロギク(襤褸菊)、花が終わったあとに綿毛がつき、それがぼろくず(襤褸)のように見えることに由来します。
学名は、 Nemosenecio nikoensis (Miq.) B.Nord
属名のNemosenecioは、ラテン語で「森」を意味する「nemo」と、「キオン属」を表す「Senecio」を組み合わせた造語で、林の中や山間など、日陰の湿地帯に生育することを表しています。
種小名のnikoensisは、本種の基準標本が採集された「日光(Niko)」のnikoと、ラテン語で「〜産の」や「〜に由来する」を意味する「-ensis」から構成されています。
Miq.は、この植物の最初の記載者であるオランダの植物学者フリードリヒ・アントン・ヴィルヘルム・ミケル(Friedrich Anton Wilhelm Miquel)のことで、
B.Nordは、学名へ組み替えを行ったスウェーデンの植物学者、バーテル・ノールデンスタン(Bertil Nordenstam)を意味します。
花
花期は、5月中旬から9月。
花は、直径約12mmの頭状花で、茎の先に複数個咲かせる。花の下にある総苞(ソウホウ)は長さ約5~6mmで、横から見ると徳利(とっくり)のような形をしています。
ひとつの頭状花は、周囲を縁取る7~13個の舌状花(ぜつじょうか)と、中央に密集する多数の筒状花(トウジョウカ)で構成されています。
実
実は痩果(ソウカ)で、約1.5mm。結実期は6~7月。
果実には細毛があり、上部には長さ6~7mmの純白色の冠毛(綿毛)がつきますが、花が残っている時期からこの白い冠毛が目立つようになります。
葉、茎
葉は、茎に互生し、葉柄は1~5cm程で長さ4~15cm 幅2~7cm、薄く、羽状に深く裂けます(深裂)。
裂片(分かれた部分)は細めで3~6対あり、先端は鋭く尖っています。
冬は、根生葉はロゼットを形成して冬を越しますが、やがてなくなります。
草丈は30~100cm。
茎の下部は角張っており、まばらに白毛が生えますが、中部以上では毛が少なくなります。
茎の最上部で盛んに枝分かれし、多数の頭花を上向きに咲かせますが、より下方から枝分かれした茎ほど、より高い位置で花を咲かせるという特徴があります。
参照サイト
Wikipedia サワギク
三河の植物観察 サワギク
岡山理科大学 生物地球学部 生物地球学科 サワギク
mirusiru.jp サワギク
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