トキワツユクサは南米原産のツユクサ科の多年草で、帰化植物として日本各地に自生します。
5~8月ごろに白い3弁花を咲かせ、葉は光沢ある卵形で匍匐茎を伸ばして群生します。
湿った半日陰を好み、生育が非常に旺盛で、地表を覆うように広がるのが特徴です。
初夏から夏に白く咲くトキワツユクサ(常磐露草、Tradescantia fluminensis)
トキワツユクサの花
トキワツユクサの花
国道を走っていて、白い花が咲いているのが目に入ったので、降りて確かめました。
茎の先端に複数咲いていて、卵状の先が尖った3枚の花弁の花で、名前はトキワツユクサでした。
ツユクサの仲間で、常緑性なことからの命名のようです。
別名は、「ノハカタカラクサ(野博多唐草)」「ミドリハカタカラクサ(緑博多唐草)」など。
もともとは葉に斑が入っていたので博多織のようだったものが、野生化して斑がなくなったので「野博多」や「緑博多」とされ、ツルが絡み合うように茎が伸びる様子が唐草模様を連想させるとしての命名になります。
以前記事にしたムラサキツユクサと同じような3弁の花ですが、花のいろや葉の形は違い、原産地も違っています。
ムラサキツユクサは北アメリカ原産ですが、トキワツユクサは、南アメリカが原産のツユクサ科の多年草で、昭和初期に渡来し、いまは日本全土に分布しています。
日陰や湿り気の多い場所を好み、茎の節などから根を出して栄養繁殖し、横に広がるように群生して繁茂します。
繁殖力が旺盛で増えすぎて他の植物を圧倒する危険があるため、栽培する場合は、野生化しないよう注意が必要とされます。
近づいて見たトキワツユクサ
ご覧のように、茎の先端に花が2個さいています。
花は、卵形の花びらが3枚で、雄しべが6本飛び出し、先端に黄色い葯がついています。
その周囲には、たくさんの細い長毛が密生しています。
雌しべは短いので隠れていますが、1本ついています。
日本のツユクサは花びらが2枚で、青いろをしており、同じツユクサの仲間でも、ずいぶん違っています。
群生するトキワツユクサ
5×5mくらいの広さでしょうか、あちこちにこの花が咲いています。
大きな樹の下で、直射日光がほとんど当たらないだろう場所に群生しています。
トキワツユクサの葉
トキワツユクサの葉
葉は茎に互生し、披針状楕円形、卵状披針形、卵形などで、先端は鋭く尖っており、全縁です。
また、柄がなく無柄で、基部は茎を包むようについています。
大きさは、長さ1.5~13cm 幅1~3.5cmほど。
ただ、タイプや生育環境によって異なるとされます。
トキワツユクサの茎
草丈は10~60cmほどですが、茎が横に這って伸びる時は、1m程度になることもあるようです。
また、節がやや膨らんでおり、茎が這うと、この部分から根を出して栄養繁殖します。
3枚の白い花びらで咲く常緑性のトキワツユクサ、特徴のある花に出会い、ツユクサのイメージが少し変わりました。
トキワツユクサの基本情報・花言葉
原産地、属性、特徴
トキワツユクサの原産地は南アメリカ(アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイなど)です。
被子植物、単子葉類、ツユクサ目、ツユクサ科、ムラサキツユクサ属の多年草に分類されます。 やや湿っている日陰や水辺を好み、群落を形成する特徴があります。
繁殖力が非常に強く、茎の節などから根を出して増え、横に広がるように繁茂します。
日本では昭和初期に観賞用として持ち込まれましたが、その強い生命力から各地で野生化しました。
在来の植物を駆逐して絶滅の危機に追いやるほど繁殖するため、外来生物法により「要注意外来生物」に指定されていました(現在は発展的に解消されていますが、みだりに野外へ放つ行為が条例で規制されている地域もあります)。
現在では日本だけでなく、北アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリア、ニュージーランドなど世界中で定着し野生化しています。
名前について
ツユクサの仲間ですが、冬でも常緑性があることから「トキワ(常盤)ツユクサ」と名付けられました。
別名として、「ノハカタカラクサ(野博多唐草)」「ミドリハカタカラクサ(緑博多唐草)」などがあります。
全体が緑色のものをミドリハカタカラクサ、茎や葉裏などが紫色を帯びるものを狭義のノハカタカラクサと区別することもあります。
学名は、Tradescantia fluminensis(または Tradescantia albiflora)
属名の「Tradescantia」は、イギリスの植物学者ジョン・トラデスカント(John Tradescant)の名前にちなんでいます。
種小名の「fluminensis」は「リオデジャネイロ(ブラジル)の」という意味のラテン語に由来します。
英名は、 Wandering jew、white-flowered spiderwort、small-leaf spiderwort、inch plant、green wandering Jew など
「Wandering jew(さまよえるユダヤ人)」は中世の伝説に由来し、この植物がどこまでも這い広がって定着する強靭な性質を例えたものです。
花
花期は5~8月で、 花の直径は1.5~2cmほど。 花は白色で、 三角状卵形をした花弁が3枚あります。
雌しべは1個で、長さ3~4mmほどの白色の花柱を持ちます。
雄しべは6個で、白色の花糸には多数の細い長毛が密生しています。先端には黄色の葯(やく)がつきます。
実
オーストラリアやニュージーランドで野生化しているものや、日本における緑色のタイプ(ミドリハカタカラクサ)はほとんど結実しませんが、茎などが赤紫色を帯びるタイプ(狭義のノハカタカラクサ)は多数結実します。
実の大きさは、長さ3.5~4mmほどの長楕円形をした蒴果(サクカ)です。
実は3室に分かれており、各室に1~2個(最大で6個)の種子が入ります。種子は長さ1.4~1.6mmの半楕円形で、色は薄皮を被ったような灰色から黒色をしており、表面には並んだ窪みが見られます。
葉、茎など
葉は、茎に対してほぼ2列に互生します。
葉には柄がなく(無柄)、基部は茎を包むようにつきます。
葉の大きさは、長さ1.5~13cm 幅1~3.5cmほど。種類や生育環境によって異なります。
形は、披針状楕円形、卵状披針形、卵形などで、先端は鋭く尖っています。 葉は全縁ですが、微細な縁毛が見られます。
草丈は、10~60cmほどですが、茎が横に這うため長さとしては1m程度になることもあります。
茎は水分の多い多肉質で、細かい毛が生えており、よく枝分かれして横に這い、先が直立~斜上します。
節がやや膨らんでおり、這っている部分の節から根を出して栄養繁殖します。
栽培上の注意点
明るい半日陰を好みますが、土壌はあまり選ばず、鉢植えの場合は市販の草花用培養土で問題なく育ちます。
水やりは、鉢植えなら土の表面が乾いたらたっぷりと与え、地植えの場合は降雨のみで十分です。
栽培上、最大の注意点はその「非常に強い繁殖力」です。
茎の節から容易に根を出して増えるため、花壇や鉢植えから落ちた茎が意図しない場所で根付き、繁茂してしまうことがあります。
もともと育てている植物を駆逐してしまう可能性があるため、増やしたくない場合は剪定後の葉茎を放置せずに処分し、見つけたら根から完全に抜き取るようにします。
耐寒性は弱く、冬は地上部が枯れたようになりますが、春になると再び芽吹きます。
目立った病害虫の被害は特にありません。
花言葉、誕生花
花言葉は「尊敬」。
参照サイト・花言葉
Wikipedia トキワツユクサ
三河の植物観察 ノハカタカラクサ 野博多唐草
LOVEGREEN トキワツユクサの育て方、栽培方法
Green Snap トキワツユクサとは
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