秋の山地で白く小さな花を咲かせるキッコウハグマ(亀甲白熊)

キッコウハグマは、朝鮮半島南部や北海道南部以南の山地などに自生するキク科の多年草で、9~10月ごろに直径15mmほどの白く小さな花を咲かせます。名前は、葉の形が亀の甲羅のようで、花弁がヤクの尾(白熊)を連想させるとしてつけられました。

秋の山地で白く小さな花を咲かせるキッコウハグマ(亀甲白熊)

キッコウハグマの白く小さな花

キッコウハグマの白い花

周囲が人工林で囲まれた日陰になっている空き地で、

偶然に、小さな白い花が咲いているのを見つけました。

日陰なので雑草が茂っておらず、昔は田をつくっていた土地ということで、

環境が適していたのか、キッコウハグマ(亀甲白熊)があちこちに育っていました。

いままでも見たのかもしれませんが、今回初めて気が付きました。

直径15mmほどの小さな花なので、見過ごしてきたようです。

思っていなかった場所で、名も知らない可憐な花がさいているのを見つけると

ひときわうれしく、楽しくなります。 (^◎^)

草丈は高くなると30cmほどになるようですが、

ここでは、10cmほどと低めでした。

北海道南部以南の山地などで自生すると言われ、キク科モミジハグマ属の多年草です。

名前は、葉の形が五角形に近く亀の甲羅(亀甲)ににていて、花がヤクの尾の白い毛(白熊)ににていることに由来します。

白熊と書くと北極などに住む白いクマを思いだしますが、

ここでは、中国の高地に生息する牛の仲間であるヤクの尾で作った飾りを意味し、

僧侶がつかう払子(ホッス)とよばれる法具に使われており、

武士の槍(ヤリ)や旗などにの飾りにも用いられたようです。

花期は9~10月なので、なんとか花をみることができました。

キッコウハグマの花

写真が良くないのですが、

細長く先が反り返った花びらが15枚ついた花のように見えますが、

5枚の花びらの花が、3個くっついた形で一つの花になっています。

(赤く見えるのが雌しべで、3個ついていることはわかるかと思います。)

キッコウハグマと同じキク科モミジバハグマ属の花に、

エンシュウハグマ(遠州白熊)オクモミジハグマ(奥紅葉白熊)などがあり、

にていますが、花の形、葉の形は明らかに違っているので、間違うことはなさそうです。

花言葉は、「素朴」「清楚」で、10月25日の誕生花です

華美でない白い小さな花が、山地の木陰で咲いている様子からつけられた花言葉でしょうか。

今回は撮れませんでしたが、キッコウハグマはキク科の野草で、

花のあとに綿毛をつけた種子をつける風媒花です。

写真が撮れたら紹介したいと思います。(^ ^;)

キッコウハグマの茎や葉

キッコウハグマの花と葉

こちらが、キッコウハグマの花と葉です。

このように葉は地面近くにつき、丸みを帯びたハート形から五角形状で大きさは1~2cmほど、長い葉柄があります。

葉の形は、たしかに亀の甲羅ににているように思えます。

そして葉の中心部から伸びた細い茎の先に、花が咲いています。

キッコウハグマの茎と葉

こちらは、茎が高く伸びた個体で、

下のほうに花が咲き、上のほうに赤い矢印でさした細長いツボミのようなものが見られます。

キッコウハグマは、花冠が開かない閉鎖花をつけ、自家受粉することが多いと言われるので、

こちらは閉鎖花の可能性がもしれません。

あちこちに生えるキッコウハグマ

キッコウハグマの周囲には、このようにたくさんの株があり葉を出していました。

確かめていませんが、地下茎が長く伸びて、このように広がっているのだろうと想像されます。

人目にあまり触れることなく咲く可憐なキッコウハグマ、誇りをもって毅然としているようにも思います。

キッコウハグマの基本情報・花言葉

キッコウハグマ(亀甲白熊)は、朝鮮半島南部や日本の北海道南部以南に分布するキク科モミジハグマ属の多年草 で、

山地の森林内のやや乾いた木陰でよく見られると言われます。

名前は、葉の形が亀の甲羅ににていて、花がヤクの尾の白い毛ににていることに由来します。

白熊(ハグマ)は、中国産のヤクの尾の白い毛を意味し、払子ほっすや、槍・旗などの飾りに用いられてきました。

学名は、Ainsliaea apiculata

英名は、Small maple-leaf ainsliaea

花期は9~10月で、直径15mmほどの15弁の花に見えますが、

5弁の花が3個集まって一つの花になります。

ただ、花が開かずに自家受粉して結実する閉鎖花となることが多いと言われます。

実は、長さ4.5mmほどの痩果で、長さ7mmほどの綿毛をつけます。

細長い地下茎が地中を横のび、茎が直立して高さは10~30cmほどになります。

葉は長い葉柄の先につき、長さ1~3cmの心形や腎形あるいは卵形で5角形になり、

茎の地面ちかくに5~11枚が輪生状につきます。

花言葉は、「素朴」「清楚」で、10月25日の誕生花です

参照サイト

Wikipedia キッコウハグマ  エンシュウハグマ オクモミジバハグマ カシワバハグマ  モミジハグマ属

GKZ植物事典 キッコウハグマ

松江の花図鑑 キッコウハグマ(亀甲熊熊)

koide mituharu キッコウハグマ(10月25日)

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