ヒナギキョウは、4~9月ごろ、20~40cmほどの細長い茎の先に、直径10mmほどの薄紫の五弁の花をさかせます。オーストラリア、東南アジアや、日本の本州以南の日当たりのいい土地に自生するキキョウ科の多年草で、花言葉は「少女の優しさ」「少女の愛」。
芝生で咲くヒナギキョウ(雛桔梗)の薄紫の花
ヒナギキョウ(雛桔梗)の花
公園の芝生で、あちこちに、ポツンポツンとヒナギキョウ(雛桔梗)の花がさいていました。
日本の在来種ですが、東南アジアやオーストラリアにも生えているキキョウ科ヒナギキョウ属の多年草です。
草丈は20~40cmほど、花の直径は10mm弱ほどで、形は漏斗状で先端が5枚に分かれています。
中心部の3個の白く丸いものは、雌しべの先端が分かれたもので、その周囲には雄しべが5個ついています。
名前は、秋の七種(ナナクサ)の一つであるキキョウ(桔梗)ににていて、小さく可愛いことからこのようにつけられました。
蛇足ですが、ヒナ(雛)とは、生まれたばかりの鳥の子のことです。念のため。 (*^m^*)
ヒナギキョウの花言葉は、「少女の優しさ」「少女の恋」。
小さく可愛い花の様子からつけられたようですね。
つぎの写真は、名前のもとになった、キキョウの花です。
たしかに、花の雰囲気はにていますが、花の直径は5cmほど、草丈は50~100cmほどと大きく、
また、茎や葉の様子も違っています。
キキョウの花言葉は、「永遠の愛」「変わらぬ愛」「誠実」「気品」。
ヒナギキョウにくらべて、大人の花という感じでしょうか。(^_^)
ちなみにキキョウの花が咲くのは、もう少し先のようです。
花はこのように細い茎の先端で咲いていますが、
そばには茎から分かれてついた実が見られます。
5個の先が尖った萼のこり、実が膨らみ、先端に雌しべが残っているようですが、
このように、ヒナギキョウは、花を咲かせながら、枝分かれして伸びているようです。
実がついてから時間がたつと、このように茶色くなりますが、
やがて殻が破れ、種を落すのだろうと思います。
ここでは、ニワゼキショウが多く、ヒナギキョウの群生は見られなかったのですが、
条件がよければこのように、たくさんに育つようです。
こちらは、素材サイトから借用したものですが、小さな花でも、このようにたくさん咲くと見栄えがします。
ヒナギキョウの茎・葉
ここのヒナギキョウは、雑草の中に生えていることもあり、
茎や葉の様子をうまく撮れなかったのですが、
この写真で花から、茎をたどってみていただければ、様子はわかるかと思います。
花が先端につき、その下に細いひょろひょろした茎が伸びています。
そして、茎の上の方には葉がなく、下の方に細長い葉が何枚かついています。
ご覧のように葉はへら形(披針形)で先が尖っており、
長さ2~4cm 幅3~8mmで、縁に鋸歯がみられます。
少し弱々しい感じですが、たくさんの野草の中でも、負けずに頑張っているようです。
ヒナギキョウによくにた花を咲かせ、名前もよくにた2種類の外来植物があります。
キキョウソウ科キキョウソウ属の、キキョウソウ(桔梗草)とヒナギキョウソウ(雛桔梗草)です。
「キキョウ」と「ヒナギキョウ」に、「ソウ」とつけたものですが、ややこしいですね。(⌒ ⌒;)
恥ずかしながら、両方ともまだ見たことがないのですが、
花の形はそっくりなのですが、茎や葉の形が違っています。
こちらは、素材サイトから借用したキキョウソウの写真ですが、
ご覧のように、丸っぽいが花の下にみられ、茎を抱くようについています。そして、茎をみると縦方向に筋のようになった稜がみられます。
葉が茎に間隔を置いてについているので、ダンダンギキョウとも呼ばれます。
ヒナキキョウソウも、葉は卵形で、茎に間隔を置いてつきますが、葉は茎を抱きません。
よくにた3種類ですが、茎や葉の形・つき方によって見分けがつくようです。
公園の芝生で見かけたヒナギキョウ、ナヨナヨとして頼りなさそうですが、毎年元気に花を咲かせています。
ヒナギキョウの基本情報・花言葉
ヒナギキョウ(雛桔梗)は、オーストラリア、東南アジア、中国、朝鮮半島や、日本の本州以に分布するキキョウ科ヒナギキョウ属の多年草で、
日当たりいい道端や草地などで見られます。
名前は、花のいろや形が、キキョウによくにていて、小さいことからつけられました。
学名は、Wahlenbergia marginata
英名は、southern rockbell
花期は5~9月で、枝先に漏斗状で先が5裂した、直径9mmほどの薄紫の花を1個つけます。
花の中心部には、雌しべが1個、雄しべが5個つきます。
花が咲き終わったあとには、長さ6~8mmほどの蒴果をつけます。
草丈は20~40cmで、地面から伸びたほそい茎はまばらに枝分かれしますが、
葉は少なく、茎の下部に長さ2~4cm 幅3~8mmのへら形で、縁に鋸歯がある葉をつけます。
よくにた野草に、外来植物でキキョウ科キキョウソウ属のヒナキキョウソウやキキョウソウ(ダンダンギキョウ)があります。
この3種類の野草は、花はよくにていますが、以下のように、茎や葉の様子が違っています。
ヒナキキョウソウは、茎は直立してあまり分岐しません。葉は無柄で茎に互生し、卵形で低い鋸歯がみられ、基部は心臓形になりますが、茎を抱きません。
キキョウソウの茎もあまり枝別れしませんが、茎に稜があり、毛が生えています。葉は無柄で互生し、円形から広楕円形で茎を抱くようにつきます。
ヒナギキョウの花言葉は、「少女の優しさ」「少女の恋」です。
参照サイト・書籍
Wikipedia ヒナギキョウ
岡山理科大学 生物地球学部 生物地球学科 キキョウソウ
なつみかんの木々を見上げて ヒナギキョウ・ヒナキキョウソウ・キキョウソウ、早口言葉ではありません
華のいわや 「ヒナギキョウ(雛桔梗)」の花言葉とは?
林弥栄監修 山と渓谷社 「山渓ハンディ図鑑1 野に咲く花」
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