シオン(紫苑)は、8~9月ごろ、高く伸びた茎に花序になって3cmほどの紫色の頭状花を咲かせます。古い時代に薬用植物として移入されましたが、平安時代から鑑賞用として栽培されてきました。中国、朝鮮、シベリアが原産のキク科シオン属の多年草です
9月に咲くシオン(紫苑)の紫の花
シオンの花
車で通りかかった道沿いに、シオン(紫苑)の紫の花が咲いていました。
草丈は170cmほどでしょうか、長く伸びた茎の上部でたくさんに枝分かれし、
その先に花序になって、一面に花が咲いています。
高い茎の先に、たくさんの紫の花がさいているので、よく目立ちます。
中国、朝鮮半島、シベリアが原産で、古い時代に薬用植物として移入され、
平安時代ごろから鑑賞用に栽培されてきたキク科シオン属の多年草です。
花の大きさは3cm前後で、中心部の黄色い筒状花と、周囲についた13~16枚ほどの紫の舌状花からなります。
花は、同じ科属のヨメナ(嫁菜)やノコンギクににていますが、草丈が違うので見分けがつきます。
ヨメナとノコンギクは草丈が、50~100cmほどになりますが、シオンは、1~2mになります。
また、ヨメナとノコンギクは、それぞれ葉の表面が滑らかか、ざらざらしているかによって区別がつきます。
ヨメナの詳細は記事にしていますので、よろしかったらこちらもご覧ください。
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秋に咲くヨメナ(嫁菜)の薄紫の花
ヨメナ(嫁菜)は、本州中部以西、四国、九州に分布するキク科の多年草です。道端でよくみる植物ですが、山間地でも見かけ、やや湿ったところを好むと言われます。万葉集では「ウハギ」という名前で登場し、食用に春 ...
花期は8~9月とされており、花の周辺にはツボミもたくさんついています。
もうしばらくは咲き続けるようです。
夏から秋にかけて、風情のある花を咲かせて楽しませてくれます。
花言葉は、「追憶」「君を忘れない」「遠方にある人を思う」で、9月9日、9月28日、10月16日の誕生花です。
「追憶」「君を忘れない」は、今昔物語集に書かれた父の死を悼む兄弟の物語に由来するといわれます。
シオンの茎や葉
シオンの茎にはまばらに剛毛があり、
茎の上部で枝分かれして花序をつけ、たくさんの花を咲かせます。
葉は、根出葉と茎葉がつきます。
根出葉は幅6~13cmの長楕円形で、鋸歯がありますが、花が咲くいまの時期には枯れています。
茎の下部につく葉は互生し、長さ20~35cm 幅6~10cmの卵形~長楕円形で先が尖りますが、
上部の葉は狭い長楕円形~披針形で小さくなり、幅が狭くなります。
秋に空高く咲くたくさんの紫の花は、きれいで見るだけで楽しくなります。
シオンの基本情報・花言葉
シオン(紫苑)は、中国、朝鮮半島、シベリアが原産で、日本では中国地方や九州の山間部に分布するキク科シオン属(Aster)の多年草です。
日本へは中国、朝鮮から、薬用植物として伝えられ、平安時代から栽培されてきたと言われます。
名前は、漢名の紫苑を音読みしてつけられています。
別名は、オニノシコグサ(鬼の醜草)、ジュウゴヤソウ(十五夜草)、オモイグサ(思い草)。
学名は、Aster tataricus
英名は、Tatarian aster
属名の「Aster」はギリシャ語の「aster(星)」が語源で、花びらが星のように伸びていることに由来します。
花期は8~9月で、上部で枝分かれした先に、直径3~3.5cmほどの頭状花(筒状花が黄色で、舌状花は薄紫)を散房状に咲かせます。
花柄は1.5~5cmで短い毛が密にはえます。
果実は痩果で、長さ3mmの倒卵状長楕円形で毛があり、冠毛は長さ6mmほどです。
根出葉は幅6~13cmの長楕円形で、鋸歯がありますが、花が咲く時期には枯れます。
茎葉は鋸歯があって互生し、下部につく葉は葉柄があって長さ20~35cm 幅6~10cmの卵形~長楕円形で先が尖ります。
一方、上部の葉は狭い長楕円形~披針形で小さくなり、幅が狭くなります。
茎にはまばらに剛毛があり、草丈は1~2mになります。
花言葉は、「追憶」「君を忘れない」「遠方にある人を思う」で、9月9日、9月28日、10月16日の誕生花です。
「追憶」「君を忘れない」は、今昔物語集に書かれた父を死を悼む兄弟の物語に由来します。
父を亡くした兄弟が、墓参りを続けていましたが、そのうちに兄が仕事のために参れなくなりました。その後も弟は墓前にシオンを植えてお参りを続けたそうです。
これに感心した鬼は弟に予知能力を与え、そのおかげで弟は幸せに暮らしたということです。
この花言葉は、父を思う弟の気持ちにちなんでつけられたと言われます。
参照サイト・書籍
Wikipedia シオン
EVERGREEN シオン
花言葉-由来 シオン
門田裕一監修 山と渓谷社 「山渓ハンディ図鑑1 野に咲く花」