トウヒ(唐檜)の球果(松笠)

2021年11月17日

トウヒは、5~6月ごろに開花し、球果(松笠)は長楕円形で長さは3~6cmで、9~10月ごろに熟して黄褐色になります。北東アジアや北海道、本州の紀伊半島、尾瀬沼、中部地方などの亜高山帯に分布する、マツ科トウヒ属(エゾマツの変種)の常緑高木の針葉樹です。

トウヒ(唐檜)の球果(松笠)

トウヒの球果(松笠)

落ちていた球果(松笠)

先日、久しぶりにトウヒ(唐檜)の樹を見にいくと、球果(松笠)が落ちていました。

ヨーロッパでは、ドイツトウヒをクリスマスツリーに使うと聞きますが、この樹はその近縁種になるようです。

私は、トウヒの松笠はきれいなので、クリスマスの飾りにもいいかなと思って、ときどき拾っています。

以前記事にした、ツガの球果もきれいですが、トウヒもきれいだと思います。

可愛い実(球果)をつけるツガ(栂)、コメツガとの違い

ツガは、樹高30m、直径1mになるマツ科の常緑針葉樹で、直径2~3cmの松ぼっくりににた可愛い実(球果)をつけます。葉は、長さ約1cmと、長さ約2cmの葉が交互につき、先端は丸みを帯びます。よくにた近 ...

,残念ながら、もう落ちていましたが、5月に見たときは、若々しく元気よさそうについていました。

生まれたてだったんだろうと思います。(^⊆^)

5月の球果(松笠)

写真のように、赤みを帯びていて、水平方向か下向きかげんでついていました。

モミは、真上を向いていたので、まったく違ったつき方になるんですね。

よくにた樹なのですが、この違いは何によるのでしょうか? わかりませんが、興味深いと思います。

たくさんついた球果(松笠)

球果はその後、9~10月に熟し、下に垂れ下がるとのことです。

トウヒの葉

トウヒの葉

葉は、線形・偏平で長さ7~15mm 幅2mmくらいで、枝全体に、らせん状または蒲鉾状になってたくさんつきます。

葉の先は、若木が鋭頭、成木では鋭頭、鈍頭があると言われますが、写真の葉は鋭頭になっています。

ただ、柔らかいためか、触っても痛くは感じません。

トウヒの葉の表

トウヒの葉の裏

葉の表と裏を比較してみました。

表面は、濃緑色で光沢がありますが、裏は2本の灰白色の筋(気孔帯が見られます。

また、葉には葉柄がなく、枝の膨らんだ部分(葉枕:ヨウチン)についています

この葉枕の形がトウヒの特徴のようです。(・_・)

トウヒの樹

トウヒの樹

このトウヒの樹高は15mくらいで、幹の直径は50cmくらいでしょうか。

トウヒは大きくなると、高さが40m、太さが1mくらいになると言われるので、

まだ大きくなるようですが、たくさんの枝を出して元気そうに見えます。

トウヒの幹

幹は写真のように、ゴツゴツしています。

樹皮の色は赤みを帯びていると言えるのでしょうか(資料によると暗赤褐色になるそうです。)、

細かく剝れているのが見られます。

トウヒの基本情報・花言葉

トウヒ(唐檜)は、北東アジアや北海道、本州の紀伊半島、尾瀬沼、中部地方などの亜高山帯に分布する、マツ科トウヒ属(エゾマツの変種)の常緑高木の針葉樹です。

トウヒの先祖は、中国東北~朝鮮半島のチョウセントウヒが朝鮮半島~西日本経由で広がった可能性が指摘されているようです。(Wikipedia トウヒ

ヨーロッパでクリスマスツリーによく使われるドイツトウヒは、トウヒの近縁種になります。

名前は、材質がヒノキににているのでその代用に使うことができ、洋風であるとして、トウヒ(唐檜)とつけられたとのことです。

別名に、ニレモミ、テイノキ、トラノオモミなどがあります。

学名は、Picea jezoensis var. hondoensis

英名は、Japanese spruce

雌雄同株で、5~6月ころ、雌花、雄花が開花します。

実は、球果(松笠)で長楕円形で長さは3~6cmです。

若い時は紅紫色を帯びているが、9~10月ころに熟すし黄褐色になって枝から下垂します。

葉は線形・偏平で、枝にらせん状または蒲鉾状に多数密につき、

先は、若木で鋭頭、成木では鋭頭、鈍頭があります。

若枝は黄褐色、剛直、無毛、葉枕の両端の溝が深くなります。

また、葉の裏面には、灰白色の気孔線が2状あります。

葉が無柄で葉枕に着いており、この葉枕の形がトウヒ属の特徴になります。

樹高は大きいもので40m、太さは1mほどになると言われます。

樹皮は、暗赤褐色で小さな鱗片状に剥がれます。

材は白栂(シロツガ)とも呼ばれ、天井板や柱などの建築材や建具、曲物などと用途が多いと言われます。

花言葉は、「不運の中での希望」

参照サイト

Wikipedia トウヒ

木のぬくもり・森のぬくもり トウヒ

庭木図鑑 樹木ペディア トウヒ

中川重年著 保育社 「針葉樹」

関連投稿

日本固有種で、ヨーロッパモミの近縁種のモミ(樅)

モミは日本固有種で、クリスマスツリー用の樹として使われてきたヨーロッパモミの近縁種です。名前は風で揉み合う様子から「揉む」が語源となったなどの説あります。秋田県・岩手県以南に自生するマツ科モミ属の常緑 ...

  • B!