8月に花が咲くコアカソ(小赤麻)と、アカソ、クサコアカソとの違い

2021年8月17日

コアカソは、8月に花を咲かせるイラクサ科  カラムシ属の落葉小低木で、雌雄同株、雌雄異花です。近縁種のアカソやクサコアカソは草本で、アカソは葉が3裂、クサコアカソは鋸歯の数が多いなどの点が違います。中国、朝鮮半島や日本の本州以南に分布します。

コアカソ(小赤麻)と、アカソ、クサコアカソとの違い

コアカソの花

コアカソの花と葉(2021年8月2日)

8月初めころからコアカソに、穂状の花が咲き始めました。

長く伸びた茎に、葉が対になってでており、葉の根元から花序がのびて、たくさんの小さな花をつけています。

葉は、7対ほどの鋸歯がつき、先端が長く伸びています。

アカソだと思っていたのですが、アカソは、葉の先が大きく3つに分かれるので違うようです。

アカソ(赤麻)の名前は、茎や枝が赤みを帯びることと、この植物の繊維を布の材料にしたため麻と書いて「ソ」と読んだようです。

そして、葉がアカソより小さいため「コ」とついたとのことです。

コアカソは雌雄同株ですが、雄と雌の花をつける雌雄異花で咲きます。

たくさんの花序がついていますが、枝の上のほうに雌花序がつき、下のほうに雄花序がつきます。

 

近くで見たコアカソの雌花序(2020年10月3日)

こちらは、コアカソの雌花序です。

たくさんの雌花が集まって球形の集合花になり、それが穂状になってついています。

また、集合花から長く伸びている白い糸状のものは花柱のようです。

雌花序には、花が終わったあとに実がつきます。

コアカソの葉

コアカソの葉

コアカソの葉は、4~8cmの卵形で、周囲に6~7個の鋸歯が見られます。

赤い枝に対生し、光沢があってきれいな葉です。

この葉は、鹿が好んで食べます。

鹿に食べられたコアカソの葉

この写真は、新芽を鹿に食べられたコアカソの葉です。

コアカソの柔らかい葉が好きなようで、あちこちで食べられているのを見かけます。

ご覧のように、食べられても葉は残っています。

茎からたくさんの枝が出て樹の内部にも葉がついているのと、古くて硬い葉は食べ残しているようなので、

少々鹿に食べられても枯れることはないようです。

有毒ではないし、トゲもついていないのですが、鹿に強い植物と言えるのだろうと思います。

お茶の樹も、新芽が出たところで人に摘まれますが、

枯れることがありませんが、にているように思います。(^⊆^)

茂ったコアカソ

写真は群生したコアカソで、このように一面に茂って元気に育っています。

でも先端は、食べられているようです。

鹿にとってはいい餌になっているようですね。

コアカソと、アカソ、クサコアサコの違い

コアカソにた近縁種に、アカソ、クサコアサコがありますが、違いを調べました。

コアカソが木本なのに対し、アカソとクサコアサコは草本の多年草である点に大きな違いがあります。

また、葉の形や鋸歯の数が違うので、判別は付きやすいと思います。

コアカソとアカソ、クサコアカソの違い
コアカソ アカソ クサコアカソ
葉の違い

コアカソの葉

鋸歯が10対以下

アカソの葉

先端が3裂する

 

 

写真なし。

 

 

鋸歯が10~20対

葉の大きさ 4~8cm 8~20cm 5~10cm
木本/草本の種類 木本 草本 草本

コアカソの基本情報

コアカソ(小赤麻)は、中国、朝鮮半島や日本の本州以南に分布するイラクサ科  カラムシ属の落葉小低木で、雌雄同株で、雌雄異花です。

近縁種で草本アカソ(赤麻)ににていますが、葉が小さいのでコアカソと名づけられました。

学名は、Boehmeria spicata

花期は8~9月で、葉腋から出た穂状の雌花序や雄花序になって花を咲かせます。雌花序は上部の枝に、雄花序は下部の枝につきます。

実は、そう果で、11~12月ころ熟します。

葉は2~5cmの赤い葉柄があって対生し、長さ4~8cmの卵形で先端が細く尖り10対以下の鋸歯があります。また、表面に光沢があり、3主脈が目立ちます。

樹高は1mほどになり樹皮は灰褐色。

株立ちになり、茎からたくさんの枝が分岐します。

近縁種に、アカソ、クサコアカソなどがありますが、両者は草本で多年草になります。

参照サイト

樹木図鑑 コアカソ

素人植物図鑑 アカソ

松江の花図鑑   コアカソ アカソに似た仲間

Wikipedia イラクサ科

弥彦山塊とその周辺に咲く花たち  カラムシ属

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