イタドリ(虎杖)に咲く白い花と、その後につく黒い種

2020年10月15日

イタドリは、7~10月ごろから小さな白い花をたくさん咲かせ、11月ごろに、3枚の羽根に黒い種をつけた実に変化します。その後、風によって飛ばされ、春になると、あちこちから芽を出します。日本全土に分布するタデ科の多年草で雌雄異株です。

イタドリの白い花と黒い種

イタドリの白い花

大きく育ったイタドリに咲く花

イタドリは、写真のようにたくさんの花をつけ、

ついた種が風で散布されるので、あちこちで生えています。

11月近くになると、この間まで咲いていた花が、種にかわってきます。

背丈が1.5~2mほどに育つタデ科の多年草で、雌雄異株。

全国の野山でよくみられます。

名前は、若芽を揉んで傷口につけると痛みがとれることから、痛(イタ)みをとる(トル)として、名づけられたとされます。

このことから、花言葉「回復」「見かけによらない」です。

いまのようないい薬がなかった時代には、

庶民にとって、このような植物は貴重だったのでしょうね。

虎杖と書かれるのは、イタドリの古くなった茎が杖に使われるほど硬くなり、

生の茎に虎を連想させるような縞模様がつくことよります。

また、イタドリは、地方によってスカンポ、スイバなどと、いろんな呼び方をされるようですが、

当地では、ゴンパチなどともよばれています。 (^-^ ) 

花序になって咲くイタドリの白い花

イタドリの花は、7月頃から10月頃まで咲きますが、

写真のように円錐花序になって、小さな花をたくさん咲かせます。

イタドリの花

この時期には、あちこちの野原や道端などで咲いているのを良く見かけますが、

白い小さな花をたくさんつけるので、遠くからでもよくわかります。

マクロで撮ってみました。

近くで見たイタドリの花

花びらはないようで、ラッパ状の萼があって5裂しており、

雄花の雄しべは8個、雌花の雌しべにはは3個の花柱があります。

そして、花が終わると、そのあとに種をつけ始めます。

イタドリの黒い種

イタドリの黒い種

10月頃になると、黒い種に羽根をつけた実がつきます。

実も花と同様に白いため、この時期も、遠目からもよく目につきます。

近くで見たイタドリの種

種は、薄い3枚の羽根のような外皮で包まれており、風で飛ばされやすくなっています。 (^_^)

イタドリの花と実をアップで撮ったのが、つぎの写真です。

イタドリの花と種

先ほど見た写真ですが、この花が、種に変化します。

左上に羽根をつけた種が見えます。

下から見た写真なので、横からの写真とは印象が違いますが、黒く見えているのが種です。

多年草のため、いま種を付けている株はそのまま残りますが、たくさんの種を風で散布するので、よく増えます。

イタドリが生えている場所

岩場で生えたイタドリ

当地では、動物が行き来きする平地では、鹿などに食べられるためほとんどは見られませんが、

岩場で登れないような場所では、このように生き残っています。

ただ、根をあまり張ることができないからでしょうか、

太いイタドリはあまりみられないようです。

イタドリの若芽

イタドリは、写真のような新芽や茎を山菜として食べます。

子供の頃は、茎の部分の皮を剥いて生のままで良く食べました

美味しいというほどではありませんが、酸っぱい味がしてぽりぽりとした食感です。

茎の太いものが採れた時は、さっと茹でて皮を剥(ム)き、炒め物や煮物などで食べます

皮を剥いたものを、冷凍や塩漬けで保存する人もおられるようです。

イタドリは、あまり煮す過ぎるととろけてしまうので、煮すぎないように注意します。

また、イタドリは、たくさんの種を落とすので、道路沿いのコンクリートの割れ目などから、たくさん生えているのを見かけます。

道路沿いのイタドリ

ここではご覧のように、イタドリがずっと遠くまで続いて生えています。

道路を挟んだ山側にイタドリの花がたくさん咲いているので、そこから飛んできたんだろうと思います。 

イタドリは、このように繁殖力が旺盛なため、世界の侵略的外来ワースト100に指定されています。ヽ('ー`)ノ

道路そばで育ったイタドリ

道路の近くに生えたいたダリですが、土壌が肥えているので、根をしっかり張ることができ、大きく育っています。

山菜として収穫できるような太いイタドリは、このような場所で、しっかり育ったものになります。

イタドリの基本情報・花言葉

イタドリ(虎杖)は、中国、朝鮮半島、台湾や日本の北海道から奄美諸島までに分布する、タデ科の多年草で、雌雄異株です。

名前は、若芽が傷薬として使用されてきたため「痛みを取る」として、「イタドリ」と呼ばれるようになった言われます。

「虎杖」は、成長して乾燥した茎は杖に使われるほど丈夫で、

生の茎の模様が虎を連想させるとして、つけられたようです。

別名は、スカンポ、ゴンパチ、など地方によっていろんな呼び方をされるようです。

学名は、Fallopia japonica

英名は、Japanese knotweed

草丈は30~150cmくらいで、冬は地上部が枯れ、地下茎で越冬します。

葉は、互生し、広めの卵形で、長さ6 ~15 cm、幅7 ~15 cmほどの大きさです。

花期は7~10月ころで、たくさんの白くて小さな花を円錐花序でつけます。

雌株には、秋に3枚の羽根を持った種をつけます。

イタドリは、春に山菜として食べられますが、民間薬としても利用されてきました。

繁殖力が強いため被害が出ているようで、世界の侵略的外来種ワースト100 に選ばれています。

花言葉は、「回復」「見かけによらない」で、10月5日の誕生花です

参照サイト

Wikipedia イタドリ

世界の侵略的外来種ワースト100

松江の花図鑑 イタドリ

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