赤い実をつけるホウノキと、トチノキ、タイサンボク、ユリノキとの違い

2020年9月11日

ホウノキ(朴ノ木)は、5月ごろに大きくきれいな花が咲き、実は9~11月ごろに赤く熟します。また、ホウノキの葉はトチノキの葉ににており、花はタイサンボクやユリノキによくにています。ここでは、ホウノキの詳細とこれらの樹との違いについて書きました。

赤い実をつけるホウノキと、トチノキ、タイサンボク、ユリノキとの違い

ホウノキ(朴ノ木)の赤い実

ホウノキ(朴ノ木)の赤い実

ホウノキ(朴ノ木)は、日本全国に分布するモクレン科の落葉高木で、樹高30m、直径1mと大きく育ちます。

この写真は、国道を走っていて見かけたホウノキです。

山の中でも咲いてますが、他の樹に邪魔されたり、高い位置に咲いているので、なかなか撮ることができません。

今回は運よく、道の下に育った樹に実がついていたので、撮ることができました。(^-^ ) 

7月末には、まだ青い実でしたが、9月に入って赤くなってきました。

10月ごろには、もっと赤くなり熟して落下します。ちょっとグロテスクですが、林道を走っていて、道端に落ちているのをよく見かけます。

ホウノキ(朴ノ木)の実と松かさ

こちらは、落下したホウノキ(朴ノ木)の実です。

松かさと並べてみましたが、大きさがわかっていただけるでしょうか。長手方向の寸法が、12cmほどで、結構おおきなものです。

この中にたくさんの実が入っていて、いい香りがします。 

個体差があり、実によって見え方が違いますが、種がむき出しになっていて、ちょっとグロテスクに見える場合もあります。

この種(タネ)は、キツツキの仲間が好んで食べるようです。鳥たちは、何時から食べようかと待ちかまえているかもしれません。

ホウノキの花

ホウノキ(朴ノ木)は、大きく、きれいな花を咲かせます。

ホウノキ(朴ノ木)の花

このようにきれいな花で、先ほどの写真の実からは想像できないですね。(*^m^*)

大きさは、直径15cmくらいある大きなもので、上向きに咲き、実と同じようにいい香りがします。

普通、花びらは8枚から9枚あり、萼片が3枚つきます。 中央部には、たくさんの雄しべと雌しべが集まって円錐状についています。

大きな樹なので、なかなか近くでみるのがむつかしいのですが、大きくて迫力がある花です。

この樹に花が咲くようになるまでは、結構時間がかかるようです。

近くにも大きな樹があるので、毎年今年は咲くかと見ているのですが、なかなか咲きません。(>_<)

タイサンボク、ユリノキ、トチノキとの違い

ここで、ホウノキとよくにた花が咲くタイサンボクとユリノキと、ホウノキを比較しておきます。

ホウノキ、タイサンボク、ユリノキの比較
  ホウノキ タイサンボク ユリノキ
葉の比較
樹の特徴 落葉高木 常緑高木 落葉高木

 

花は、このように互いによく似ています。

ユリノキの花は、付け根の部分が橙いろなのと、葉の形が違っている点が他と違います。

タイサンボクは、常緑高木であることと、葉に光沢があることが、ホウノキ、ユリノキと違う点です。

私が植えた、ホウノキ(朴ノ木)の様子は、「5月の里山の樹々」に書いています。

まだ、小苗ですが、葉がよくにているので、識別がむつかしいと言われるトチノキと並べて植えています。(^_^)

ここで、ホウノキとトチノキの葉の違いを整理しておきます。

ホウノキとトチノキの葉の違い
  ホウノキの葉 トチノキの葉
写真での比較
葉の付き方 複数の葉が輪生状につく 1点から葉がでる掌状複葉
葉の特徴 葉柄があり、鋸歯がない 葉柄がなく、鋸歯がある
葉の裏面 白色 淡緑色

よくにているホウノキとトチノキですが、上の表のように、葉の付き方や、葉柄や鋸歯の有無に違いがあります。

ホウノキの基本情報・花言葉

ホウノキは、中国や、日本の全土に分布する、モクレン科モクレン属の落葉高木です。

葉は大きく、殺菌作用があるので、昔から食器のかわりに食物をのせたり、包んだりして使われてきたようです。

よく耳にする、朴葉味噌、朴葉寿司、朴葉焼きなどもその例でしょうね。

このため、ホウノキの「ホウ」は、包(ホウ)に由来すると言われます。

学名は、Magnolia obovata

英名は、Japanese Bigleaf Magnolia、Japanese whitebark magnolia

花期は5~6月で、9枚の花びらの直径15~20cmの大きな杯形の花を、上向きに咲かせ、実と同じようにいい香りがします。

普通、花びらは8~9枚あり、萼片は3枚つきます。 また、中央部には、たくさんの雄しべと雌しべが集まって円錐状につきます。

実は、たくさんの果実が集まって長さ10~15cm程度になり、9~11月に赤く熟します。

人の食用にはなりませんが、キツツキなどの鳥類は食べると言われます。

葉は互生して枝先に集まってつきますが、倒卵形~倒卵状楕円形で、長さ20~40cm 幅10~25cmと大きく、

表面は緑色で無毛、裏面は柔毛が見られ白い色を帯びます。

トチノキの葉と同じように、枝の先に大きな葉が集まってつきますが、

ホウノキには鋸歯がなく、複数の葉が集まってつきます。

一方、トチノキは掌状で1枚の葉になります。

樹高は30m、幹の直径は1m以上になり、樹皮は、灰白色で滑らかで、たくさんの皮目が見られます。

材は堅く、水に強く、ヤニが少なくて加工しやすいといった特徴があり、

下駄などの細工物、包丁の柄や、まな板、刀の鞘など、色んな用途に使われてきました。 (⌒_⌒)

また、アイヌの人たちは、種子を乾燥したものを煎じて飲んだそうです。

花言葉は、「誠意ある友情」「自然の愛情」で、6月28日の誕生花です。

参照サイト

Wikipedia ホウノキ

樹木事典

庭木図鑑 ホオノキ/ほおのき/朴ノ木

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