ミズキ(水木)に咲く白い花と実

2020年5月20日

5月の山では、ミズキの白い花をよく見かけます。ヤマボウシなどとと同じころに咲き、小さな花が集まって大きな花序で咲く白い花なので、良く目立ちます。5mmほどの実は、9月ごろ黒く熟します。材は緻密で、家具や寄木細工などに使われてきました。

ミズキ(水木)に咲く白い花と実

ミズキ(水木)について

水の多いところでよく育ち、よく水を吸い上げるため、枝を切ると切り口から水がしたたり落ちることからミズキと名付けられたとのことです。

また、材としては白色で軟らかく緻密なことから、こけしなどの細工物、器具、下駄に利用されてきたようです。

ミズキは、北海道から九州に分布する落葉高木で、樹高は10~20m、幹の直径は10~50cmに成長します。

写真からわかるように、同じミズキ科ミズキ属でもハナミズキヤマボウシとは全く違った花ですね。

ハナミズキやヤマボウシは、人が民家近くや庭木、街路樹などとして植えられていることが多いようですが、ミズキは林地で自生します。

また、ミズキとよくにた樹にクマノミズキがあります。ミズキが日本全土に分布しますが、クマノミズキは本州以南み分布し、よくにた花を咲かせますが、花期や葉の付き方が違います。クマノミズキの詳細については、下記の記事をご覧ください。

ミズキ クマノミズキ
6~7月に白い花が咲くクマノミズキ(熊野水木)、ミズキとの違い

クマノミズキは、6~7月に新枝の先に花序で白い小さな花を咲かせ、秋に黒い実をつけます。名前は、三重県熊野地方で発見されたことに由来しますが、本州以南に分布するミズキ科ミズキ属の落葉高木広葉樹です。ここ ...

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ミズキ(水木)に咲く白い花と葉

ミズキの花と葉

葉の上にたくさんの小さな花を付けた、かたまり(散房花序)で上向いて咲いています

写真のように、枝のあちこちに大きな花序でついているので、遠目にもよくわかります。

ミズキは、道路沿いや雑木林など、あちこちで見かけ、目を楽しませてくれます。

葉は互生し、枝先に集まってつきます。

葉は、長さ6~15cm、幅3~8cmで、卵型をしており、先が短く急にとがっています。

葉脈が綺麗に弧を描いているのも印象的です。

また、枝を広げ、階段状の樹形になっていることから、テーブルツリーとも呼ばれます。

ミズキの花(遠景)

ミズキの花は、このように遠くでも、新緑の中で咲く白い花なので良く目につきます。

ミズキの大木

トチノキと同じとまではいかないようですが、大きくなった樹も見かけますが、大きいとやはり迫力があります。

いろんな樹が共存して育っているのは、豊かで健全な森と言うことだろうと思います。

ミズキ(水木)の実

6月のミズキの実

6月のミズキの実はまだ青く、生まれたてという感じですが、たくさんつけています。

ミズキの実はあまり見たことが無いのですが、直径6~7mmほどの球形で、7月ごろから赤紫にいろづき、9月ごろに紫黒色に熟し、カラス、ムクドリ、ヒヨドリ、キビタキ、エゾビタキ、ジョウビタキ、ツグミなどの鳥、ツキノワグマなどの野性動物が好んで食べます。

ナナカマドイイギリのように赤い実を付けると印象に残るのですが、ミズキの実は、少し地味なのでしょうか。それとも、早い段階で食べられるのでしょうか。あまり見た記憶がありません。

ミズキの基本情報・花言葉

ミズキ(水木)は、朝鮮、台湾、中国からヒマラヤの山地と日本全土に自生する、ミズキ科ミズキ属の落葉高木の広葉樹です。

名前は、春に地中から、大量の水を吸い上げることに由来します。

別名は、クルマミズキ(車水木)。

学名は、Cornus controversa

英名は、giant dogwood

花期は5~6月で、新枝の先にたくさんの白い4弁の小白色花を散房花序になってつきます。

花の後には6~7mmほどの核果をつけ、7月下旬ころから赤紫に色づき、9月頃に黒く熟します。カラス、ムクドリ、ヒヨドリ、キビタキ、エゾビタキ、ジョウビタキ、ツグミなどの鳥、ツキノワグマなどの野性動物が好んで食べます。

葉は長さ2~5cmの葉柄があって互生し、長さ6~15cm 幅3~8cmの広卵形から楕円形で、先はとがっています。

裏面は白く、弓形に曲がった5-9対の葉脈がみられ、全縁です。

枝を扇状に四方に広がり、若枝は紫紅色で、当初は細かい毛をもちますが、その後に無毛になります。

樹高は10~15mで、幹の直径は70cmほどになります。

ミズキの花言葉は、「成熟した精神」「耐久」で、5月9日の誕生花です

参照サイト

Wikipedia ミズキ

庭木図鑑 樹木ペディア ミズキ

月刊 杉 WEB版

Chills Laboratory  ミズキ

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