この記事では、圧条法によるミツマタの簡単な増やし方について書いています。ミツマタは、和紙の原料として知られ、枝が3方向に分かれて伸びます。3~4月ごろにかけてきれいな黄色い花を咲かせますが、有毒成分を含むので、獣害に強いことも特徴です。
ミツマタ(三椏)を圧条法によって増やす方法
ミツマタ(三椏)について
きょう撮影したミツマタの樹です。中国原産の落葉低木。紙すきに使用されることで有名ですが、有毒のため獣害には強いようです。紙幣や和紙の原料として利用されています。花言葉は、強靭、壮健とのことです。
今は、まだ蕾の状態ですが、咲こうとしている様子は、春が近ずいていることを感じさせてくれます。少し黄色ずいてきているものもあり、2月下旬頃には花が咲きます。
ミツマタの花
昨年の3月の写真のように、たくさんの黄色い花が咲きます。(赤い花もあります。)早い時期に、他の樹々に先駆けて咲く所も好まれる点ではないかと思います。
名前のように、枝が3本に分かれて出てきます。植物の不思議なところで面白いものだと思います。最近では、皮をむいて漂白した枝が、生け花に使われるようですね。
ミツマタの圧条法による増やし方
写真は、枝を地面に倒して土をかぶせ、その上に石を置いています。私は、この方向で個体数を増やしています。原理的には圧条法と呼ばれ、手間をかけずにできます。
その方法は、
- 枝を地面にそわせる(低木で柔軟性があるので、比較的簡単に出来ます。)
- 枝の上に土をかぶせる(表皮を剥いでおく方がいいでしょう)
- 土の上を押さえておきます(写真では、近くに転がっていた石をのせています。)
このようにしておくと、1年後には土をかぶせて押さえておいた部分から根がでてきます。
この様に、 胚・種子を経由せずに根・茎・葉などの栄養器官から、次の世代の植物が繁殖する無性生殖 のことを、栄養繁殖と呼びます。さし木、接ぎ木、取り木などは栄養繁殖になります。一方、種子で繁殖する場合を種子繁殖(有性繁殖)と呼びます。
栄養繁殖は親の形質を継続しますが、種子繁殖は親の遺伝子を継承するが新しい遺伝子を発生させることもあります。
私は、増やした個体は樹が生えていなくて、土砂の流出が心配されるような場所に植えることが多くなっています。
鹿に食べられない点が有り難いところで、同様のことには、シキミ、アセビ、ユズリハ、センダンなどにも言えます。
これらの品種は、林産物としても有望ではないかと考えています。
ミツマタの基本情報・花言葉
ミツマタ(三椏)は、中国中南部やヒマラヤ地方が原産地で、ジンチョウゲ科ミツマタ属の落葉低木で、樹皮は和紙や紙幣に使われます。
ミツマタの名前は、枝が必ず3つに分岐してのびることに由来し、三枝、三又とも書かれます。
学名は、Edgeworthia chrysantha
英名は、Oriental paperbush
花期は3~4月で、枝の先に、30~50個の小さな花を球状につけた頭状花序が下向きに咲きます。花は黄や赤の両性花で、花弁はなく、萼が目立ちます。
葉には5~10mmの葉柄があって互生し、長さ5〜20cm 幅2〜5cmで披針形、先がとがり、全縁です。
ミツマタは、株立ちなって育ち、2mほどの高さになります。樹皮は灰褐色で滑らかで繊維質が強く、和紙の原料にされ、日本紙幣の原料とされます。
増やし方は、挿し木、取り木、株分けなどにより、庭木などにも植えられますが、有毒植物です。
最近では、枝を漂白したものや、切り花にすることもあるようです。
ミツマタの花言葉は、「肉親の絆」「強靭」で、2月15日、3月20日の誕生花です。
「肉親の絆」は、三つに分かれる枝を、両親と子供に見立ててとのことです。
参照サイト
Wikipedia ミツマタ
花言葉-由来 ミツマタ
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