カクレミノ(隠蓑)につく黒い実

カクレミノは、ミツデ、テングウチワなどとも呼ばれ、先端が3つに割れる葉や集合してつく黒い実が特徴の耐陰性の常緑小高木で、関東以南の海岸近くに自生します。花期は6~8月で、枝の先に花序になって黄緑いろの小さな花を15~40個ほどつけます。

カクレミノ(隠蓑)につく黒い実

カクレミノの実

カクレミノの実(大阪公立大学附属植物園)

11月末に撮ったカクレミノ(隠蓑)の実です。

高さ5mほどの樹のあちこちに、黒い実が集まって、独特の雰囲気を感じます。

カクレミノの若い葉は、写真に見られるように、先端が3つに割れる特徴があり、

名前の由来になっています。

名前は、この葉の形が昔話の「天狗のかくれみの」や、

狂言の「節分」に出てくる、着ると姿が見えなくなる「隠れ蓑」ににているためとする説や、

葉が大きいので目隠しになるためとする説があるようです。

別名は、テングノウチワ、ミツデ、カラミツデ、ミツナガシワ、などがあります。

東アジアに分布すると言われますが、

日本では関東以南の海岸近くの照葉樹林に自生します。

樹高が5mの小高木常緑樹ですが、日陰に強いため、大きな樹の下でも元気に育ちます。

たくさんついた黒い実

カクレミノの実は、10月ごろから紫黒いろになりますが、

つひとつは1cmほどの大きさで、広楕円状、先端に花柱が残った突起が見られます。

この実が15~40個集まって、5cmほどのかたまりになっていますが、

ヒヨドリ、メジロ、ムクドリなどが食べるようです。

カクレミノの花

カクレミノの花

こちらが、カクレミノの花です。

6~8月ごろ、枝の先に黄緑いろ花を15~40個つけた散形花序を1個~3個つけますが、

花序には両性花のみのものと、両性花と雄花からなるのがあります。

丸い子房の先に、黄緑色の花弁を5枚つけ、雄しべが5個で、花柱は4~5裂します。

花言葉は、「耐え忍ぶ」「ずる賢い」で、8月9日の誕生花です

日陰で育つことから「耐え忍ぶ」、

昔話の「天狗の隠れ蓑」に由来して「ずる賢い」とつけられたと言われます。

カクレミノの葉や幹

カクレミノの葉

カクレミノの葉は、写真のように光沢があり、名前の由来である特徴のある形をしています。

若い樹は先端が3~5裂しますが、成木は長楕円形になると言われますが、

庭木で好まれるのは、葉の先端が割れるもののようです。

この写真では、先端が3つに割れたものと、長い円形状のものがついていますが、

葉脈がよく目立ち、縁にギザギザは見られません。

枝に着くいろんな葉

樹のしたから見上げると、たくさんの葉が枝に互生していますが、

ながめの葉柄がついていて、天狗の団扇としていいのかもしれません。

なかに、黄色く変色した葉が見られますが、

葉の寿命は1~2年で、このように黄色くなって落葉します。

カクレミノの幹

ここのカクレミノは樹高5mほど、幹の太さは20cmほどでしょうか。

周囲の大きな樹々の中で元気に育っているようですが、

樹皮は灰白色で、すべすべしています。

人は齢をとると性格が丸くなると言われますが、カクレミノやヒイラギの葉も丸くなるのはなぜなのでしょう。

カクレミノの基本情報・花言葉

カクレミノ(隠蓑)は、東アジアや日本の関東以南に分布する、ウコギ科カクレミノ属の常緑小高木で、海岸近くの照葉樹林内などで育ち、半日陰を好みます。

葉の形が、着ると姿が消えると言われる伝説の「隠れ蓑」ににているからとする説や、

カクレミノの樹が大きな葉をたくさんつけるため、目カクシになるためする説があります。

別名は、ミツデ、テングミツデ、ミツナガシワ、ミソブタ、ミツノカシワなどがあります。

学名は、Dendropanax trifidus

英名は、Kakure-mino

花期は6~8月で、枝先に黄緑いろ花を15~40個つけた散形花序を1個~3個つけますが、

花序には両性花のみのものと、両性花と雄花からなるのがあります。

花柄は4~7cmで、花弁は5個、雄しべが5個で、花柱は4~5裂します。

実は液果になり、先端に花柱が付いた、長さ1cmほどの広楕円形で、10~11月ごろに紫黒く熟します。

葉は2~12cmの葉柄があって互生し、枝の先に集まってつき、長さ7~12cm 幅3~8cmほどで、

若い葉は3~5裂しますが、成木では広卵状で、切れ込みはありません。

先端は尖り、縁は全縁で少し波打ち、はっきりした3本の葉脈が見られ、光沢があります。

秋から冬になると、下の葉は黄色くなって落葉します。

樹高は3~8mほどで、樹皮は灰白色でまるく小さな皮目が見られます。

古代には樹液が塗料として使われ、「金漆(ゴンゼツ)」と呼ばれていたと言われます。

花言葉は、「耐え忍ぶ」「ずる賢い」で、8月9日の誕生花です

日陰で育つことから「耐え忍ぶ」とつけられ、

昔話の「天狗の隠れ蓑」に由来して「ずる賢い」とつけられたと言われます。

参照サイト・書籍

Wikipedia カクレミノ

庭木図鑑 植木ペディア カクレミノ

メイの気まぐれ植物図鑑 カクレミノ

太田和夫他解説 山と渓谷社 「山渓ハンディ図鑑4 樹に咲く花 離弁花2

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